横浜国大の小林重敬先生のレポートです。
北米の市街地開発の手法にTIF(Tax Increment Financing)というのがあるそうです。
再開発部局(Redevelopment Agency)が、開発に伴う将来の固定資産税上昇分を担保として、債券を発行することによる、開発資金の調達方法です。
例えば、渋谷区が再開発をしたくても先立つ資金がない、とします。
(1) 渋谷区は、将来の税収増加分を担保に、区債を発行します。
(2) 渋谷区の発展を見込んだ、民間投資家が、その区債を購入します。
(3) 渋谷区は、区債の発行資金を元手に、再開発を行います。
(4) 再開発で、高層化した渋谷区開発地域から税収が上がってきます。
(5) 渋谷区は、その税収から利息をたっぷり付けて、区債を償還します。
(6) その後の税収は、渋谷区のさらなる発展に使われます。
お役所にとって、税金は売上です。発展によって、売上が見込めるならば、借入による設備投資も当然、というわけで、ちょっと目から鱗の発想です。
住民から絞り上げることを考えるのではなく、発展による収益増を考えるところが、アグレッシブな発想の転換です。
赤字財政でひーひー言ってる東京都が、特定団体への貢ぎ物を止めて、都の「売上増」と「社員(=都民)の福利増進」のために、きちんと「営業」してくれるといいのですが、さて、それを断行してくれる「社長さん(=都知事)」は、どなたでしょうか。
2nd.Feb.1999 みゆき wrote.