カテゴリ:法人税( 55 )

 次は、社長貸付です。

 会社の貸借対照表の資産の部に、貸付金=社長貸付など、親族への貸付が計上されているとしたら。

 それも、一時的な前払や立替でなく、長期的な貸付状態が、恒常化しているとしたら。

 これは、たいへん困った財務諸表になります。

1.認定利息の計上

 会計事務所さんでは、このような状態で親族貸付があれば、
 一定の利率を付して、認定利息を計上し、
 社長から利息をとるという手続きをされるようです。

 会社というのは、利益を追求する存在なのだから、
 現金の実収入がなくても、利息を認識して、計上しなければならない、と考えるからです。

 資金で実際に利息を受け取れない場合は、
  貸付金×× / 受取利息 ××
 という仕訳が切られ、社長への貸付金がさらに膨らんでいくことになります。
 当然にこの受取利息には、法人税が課され、会社から税金が流出していきます。

 こんな無駄な税金を払うのは、極めてナンセンスなのです。

 ことの本質は、社長貸付金が発生するのは、社長サイドに、社長個人のために、
 会社の資金を流用せざるをえない、財務上の構造があることです。

 社長の役員報酬が低いのかもしれませんし、
 何らかの事情で、社長の個人費を会社が立替え、それを解消できる方法がないのかもしれません。

 しかし、社長貸付が恒常化している構造は、即刻、解消すべきことなのです。
 社長の財務状況の改善をせずに、
 認定利息の計上でしのいでしまうのは、とてもマズイことなのです。

2.金融機関借入がある場合

 もし、負債の部に、金融機関などからの借入金が計上されているとしたら。

 融資している債権者金融機関から見れば、
 融資金の一部が、親族へ流用されているとの判断になってしまうでしょう。

 極めて不明朗な、財務体質の会社だということになります。

 与信審査では、当然に、チェックされてしまうでしょう。

 何が何でも、即刻解消すべきです。

 会社の貸借対照表に、親族貸付は、どんな理由があろうと、存在してはならないのです。

 ☆  ☆  ☆

 赤坂サカスの桜です。
 寒い日が続き、まだまだ開花途中です。
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by expresstax | 2010-03-30 23:43 | 法人税

 ご同族の法人さんの決算を見ていると、
 経営ご親族との資金やりとりが、財務諸表で現れてきます。

 例えば、社長借入。

 社長が、社業のために、自己資産を、注ぎ込んでいるんですね。
 社長の貸し込みで、法人が、返済できずにいる状態。
 社長への役員報酬や、賃料などが、未払でいる状態。
 そんなのが、社長「短期借入金」などの勘定科目で表現されています。

 では、これに会社は利息をつけるか。

 結論から言えば、利息を付す必要はありません。

 仮に、会社が、社長に対し、利息を払うとすると、

 支払利息××  現預金 ××

 受け取る社長サイドでは、
 受取利息について、確定申告で、雑所得課税を受けます。

 同族間での資金移動にすぎず、外部からお金が入ってくるわけでもないのに、
 社長の所得税だけが増えて、外部(国税)に、キャッシュアウトします。

 ☆  ☆  ☆

 では、会社が、社長からの借入について、無利息としたら。

 会社は、利息支払いを免除受けたと経理したとすると。
 
  支払利息 ××  / 受贈益  ××

 結果、プラスマイナスゼロなんですね。

 社長サイドでは、

 利息を受けていないので、雑所得課税はありません。
 
 ここが、個人である社長と、法人の、概念の違いです。

 所得税法では、「収入なきところに課税なし」の思想を根底にしています。

 例外として、時価の1/2未満での法人への譲渡の場合の、
 みなし譲渡課税(所得税法59条)があります。

 また、ずいぶん前になりましたが、パチンコ会社の平和の事件では、
 巨額な社長借入に対する利息認定が行われたことがありましたが、
 あれも、いわば別件逮捕です。

 所得税の世界では、原則としては、キャッシュデリバリーを伴わない収益認識はしないのです。
 
 結果として、無利息での社長借入が可能となるんですね。

 またこれは、同族からの会社への資金の貸し込みは、
 いわば、出資の補填の性格が強いものであるともいえるというのも理由です。

 ☆  ☆  ☆
 
 では、社長貸付は?

 これについては、また次に。  
                             to be continued

 ☆  ☆  ☆
 
 赤坂1丁目の全日空インターコンチホテル脇の、桜坂です。
 桜は、2分咲きというところでしょうか。
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by expresstax | 2010-03-29 23:08 | 法人税

 オーナー会社の役員給与の一部損金不算入制度。

 平成22年度税制改正で、4月1日終了事業年度から廃止になります。

 でも、この12月決算、2月申告では、まだこの制度は生きているんですね。

 では、会社が、期末現在の株主・役員構成で、特殊支配同族会社に該当する場合、

 次に、前3年間の基準所得金額(=所得金額+役員給与額)を見ます。
 ここで、基準所得金額が1,600万円以下だったら、損金不算入とはなりません。

 そこで、平成18年・19年・20年が基準期間として判定対象になるのです、が。
 例えば、 該当  非該当  非該当 だとすると、これってどう判定するでしょうか。

 法人税法基本通達9-2-56では、
 最後非該当事業年度前の各事業年度は、
 過去、特殊支配同族会社に該当しても、基準期間に含まれない、とあります。

 上記の例でいえば、
 20年以前が非該当扱いとなり、基準期間のない事業年度とされます。

 基準年度のない事業年度の場合は、当年度の基準所得金額判定。

 そして当年度の基準所得金額が、1,600万円を越えていたら、
 業務主宰役員の給与所得控除額相当額は、損金不算入になってしまうんですね。

 いや、わかりにくい。

 というより、この4月から廃止されて、存在しなくなるハズの条文を、
 しこしこと、読み下さなければならないって、

 なんだかなぁ、とほほ、です。

=================================
法人税法基本通達9-2-56 基準期間に含まれない事業年度等

 特殊支配同族会社の当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度のうちに、特殊支配同族会社に該当しない事業年度がある場合には、最後非該当事業年度(当該特殊支配同族会社に該当しない事業年度のうち、最も新しい事業年度をいう。)前の各事業年度は、当該各事業年度のうちいずれかの事業年度が特殊支配同族会社に該当するときあっても、令第72条の2第5項《特殊支配同族会社の基準所得金額の計算》に規定する基準期間(以下9-2-57において「基準期間」という。)に含まれない。
=================================

 ☆  ☆  ☆

 頭がうんざりしてきたところで、気分を変えて。
 
 事務所で、いつの間にか、芽がでてきたスパティフィラムです。

 こうした植物は、一度花芽が落ちてしまうと、あとがなかなかでないものですが、
 メンバーが大切に育て続けてくれました。
 嬉しいですね。
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by expresstax | 2010-02-24 23:27 | 法人税

 お客様の事案で、メンバーと面白い議論をしました。

 借地人が借地権更新料を払った場合の、更新料の取扱です。
法人税法施行令第139条です。

 原則としては、借地権利金の補完として、
 帳簿価格に加算して、資産計上なんですが、
 そのうち、次の算式分だけは、損金とします。
 これは、「損金にできる」、のではなく、「損金の額に算入する」のです。

 損金算入額=更新直前の借地権の帳簿価額×(更新料÷更新時の借地権時価)

==================================
法人税法施行令第139条
 更新料を支払つた場合の借地権等の帳簿価額の一部の損金算入等内国法人が、その有する借地権(地上権若しくは土地の賃借権又はこれらの権利に係る土地の転借に係る権利をいう。)又は地役権の存続期間の更新をする場合において、その更新の対価(以下この条において「更新料」という。)の支払をしたときは、その更新の直前における当該借地権又は地役権の帳簿価額に、その更新の時における当該借地権又は地役権の価額のうちに当該更新料の額の占める割合を乗じて計算した金額に相当する金額は、その更新のあつた日の属する事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。この場合において、その更新料の額は、当該借地権又は地役権の帳簿価額に加算するものとする。
==================================

 例えば、簿価100万円の借地権が、時価1億円になっていて、1千万円の更新料を払った場合、
 上記算式では、100万円×1千万円/1億円=10万円ですから、
 
 仕訳では、
 借地権 1千万円/ 現預金 1千万円
 更新料損金 10万円/借地権 10万円

 更新によって、増額した借地権は、990万円、結果として借地権簿価は1,090万円になります。

 では、地価が下がっていたら?
 借地更新が30年毎、と言うような場合に、なかなかレアなケースではありますが、
 ないわけではないでしょう。
 場合によっては、建替承諾料を、更新料と同様の取扱をすると、十分ありえます。

 例えば、簿価1億円の借地権が、時価8千万円になっていて、1千万円の更新料を払った場合、
 上記算式では、1億円×1千万円÷8千万円=1,250万円ですから、
 
 仕訳では、
 借地権 1千万円/ 現預金 1千万円
 更新料損失 1,250万円/借地権 1,250万円

 増額した借地権は、△250万円、結果として借地権簿価は当初の1億円を割って、9,750万円になってしまいます。

 更新料支払によって、借地権簿価は増額するかと思いきや、反対に簿価割れを起こしていきます。

 政令には、損金算入額が、支払額を超えた場合に、支払額限度とするとは言ってませんから、こうせざるをえないのでしょう。

 これはつまり、更新によって支払った更新料は、時価補填にもならず、簿価下げ効果を起こすということになるんですね。面白いですね。

 ☆  ☆  ☆

 つらかったね。
 つらかったね。
 ほんとうに悲しかったね。

 泣こうね。
 今日は、思いっきり、泣いて、泣いて、泣き尽くそうね。
 我慢なんかしなくていいよ。
 がんばったりしなくていいよ。
 強くなんて、なくていいよ。
 悲しいままに、つらいままに、今日は、泣こうね。

 私は、何もできないかもしれないけど、
 でも、私が、ここにいるから。
 いつまでも、必ず、ここにいるから。
 それだけは、忘れないで。
by expresstax | 2009-09-25 23:05 | 法人税

 お客様からのご質問です。

 会社を設立して、3期目に入られました。

 初年度、つまり平成19年の決算書の減価償却資産台帳をごらんになって、あれ~?と思われたようです。

 というのは、耐用年数5年のプリンターの償却率が31.9%になっているからです。

 5年の償却率は、旧定率法で36.9%だよねぇ、と
 このとき、説明を受けたのかも知れないんだけど、とおっしゃりつつ、ちょっと不安げ。

 よくぞ、聞いて下さいました、なのです。

 実は、減価償却資産の耐用年数については、事業年度が1年未満である場合、
 耐用年数を改定する取扱があるのです。

 それが、耐用年数通達5-1-1なんですが、
 簡単にまとめると、
=============================
〔定額法の場合〕
   改定償却率 = 法定耐用年数に応ずる償却率 × 当事業年度の月数 ÷ 12
        (小数点以下3位未満の端数切上げ)

〔定率法の場合〕
   改定耐用年数 = 法定耐用年数 × 12 ÷ 当事業年度の月数
                          (1年未満の端数切捨て)
   改定償却率 = 改定耐用年数に応ずる償却率
=============================
 これは事業年度が1年に満たない場合に、1年あるとの前提で算定した場合に比べ、
 1年あるものとみなして、引き延ばし計算を行うことになるからです。

 このお客様の場合、旧定率法適用、かつ初年度月数10ヶ月でしたので、
 改定耐用年数は、5年×12÷10=6年 ∴償却率=31.9% だったのです。

 もちろん、翌期以降は、通常の償却率で算定します。

 そうかあ、とご納得いただけたとたん、じゃ、耐用年数4年のパソコンは、なぜ4年=43.8%なの?と。

 はいはい、4年×12÷10=4.8年 端数切り捨てで、結局4年なんですね。

 また、そうかあ、とご納得いただけました。

 素晴らしいお客様です。

 どんなことでも、ひとつひとつ、丁寧に知り、納得なさること。
 
 法律も税務も、そのすべてが、資産防衛の武器になります。


 ☆  ☆  ☆

 ところで、この改定耐用年数が顔を出すのは、事業開始や設立初年度と、まあ、解散年度くらいのもの。

 なかなか、レアというか、コアな通達です。

 
 では、この改定耐用年数を適用せずに、通常年の期中取得のように計算すると、
 どうなるでしょうか。

 例えば、上記のプリンターが100円として、5年の償却率36.9%をそのまま当てはめたら、

 100円×0.369×10ヶ月÷12ヶ月=30.75円

 そして、通達通りの改定耐用年数として、設立月取得とするなら、
 
 100円×0.319×10ヶ月÷10ヶ月=31.9円

 じゃーん、納税者有利なんですね。

 ということは、この通達を知らずに通常年の期中取得のように算定すると、
 減価償却限度額が、少なくなってしまうんです。

 なので、通達を知らずに計算しても、課税上弊害なし、として、特段問題にされません。

 でも、厳密には、知っておいたほうがお得、といえるわけです。

 お客様、そうかーー!と、大々納得。

 「減価償却博士」になられました。

 決算も、もうじき。

 がんばりましょうね。(^^)

 ☆  ☆  ☆

 弊社OGのIさんが、事務所に差入にきてくれました。
 経営者様の奥様・お嫁様として、とてもがんばっていらっしゃいます。

 素敵なお花!
 ありがとうございました!

 カラーが好きだとここで書いたら、
 しっかりカラーを入れて下さいました。
 ほんとうに優しい方です。
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 事務所に飾ってもらいました。
 素敵です!
 ほんとうにありがとうございました。
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by expresstax | 2009-09-18 23:34 | 法人税

判決と争点

 ホームページをご覧の九州の税理士先生から、
 掲載していた判例について、お問い合わせを受けました。

 役員退職給与について、低額での最終報酬月額だった役員に対して、
 適正報酬額に引き直した額に、功績倍率を適用して支給したケースについて、
 エクスプレス情報やこのブログでも掲載していました。
 平成5年6月29日の高松地裁の判決です。

 判決文が欲しいとのご依頼で、お送りしましたところ、
 これは棄却された判例ですね、とまたご質問いただきました。

 そうなのです。
 この事案は、納税者が、適正報酬額に引き直し、
 かつ、個人での創業期からの期間を通算して在職期間としていました。
 功績倍率についても争点となっています。 
 在職期間の通算や功績倍率、保険料との見合いなどの争点で、
 判決は、被告である国を支持し、棄却となっています。

 しかし、今回のポイントである適正報酬月額の問題については、
 被告国も認めて譲歩し、
 判示では、適正報酬月額の考えを認めて調整数字での判決としています。

 したがって、この判決そのものは、納税者が敗訴しているのですが、
 争点としては、裁判所が認めたものとして、判例となるのです。

 そのため、この判例は、納税者敗訴事例にもかかわらず、
 適正報酬月額を採用した判例として、
 各種税務参考書や論文などで、取り上げられて、
 過大役員退職給与の認定のメルクマールとされているのです。

 お尋ねの先生には、参考書のコピーも、ファックスさせていただきました。

 ご事案を抱えてのご質問と推察します。
 ぜひ、がんばって、お客様を守ってさしあげてください!
by expresstax | 2009-09-17 23:59 | 法人税

 欠損金の繰戻還付というと、及び腰になる税理士先生方が多いそうです。

 つまり、欠損金の繰戻還付申告をすると、その後必ず税務調査が入ると。

 つい先日の「週刊税務通信平成21年5月18日3066号」でも、その旨の記事が掲載されました。

============== 引用します。==================

景気悪化の影響を受け,それまで好調だった業績が一転し赤字へと転落してしまった企業は,ぜひこの繰戻し還付制度の恩恵を受けたいところだが,この制度の適用を受けた場合“必ず税務調査が行われる”点についてあらかじめ留意しておきたいところだ。

これは,法人税法上で,「税務署長は,還付請求書の提出があった場合には,その請求の基礎となった欠損金額その他必要な事項について調査し,その調査したところにより,その請求をした内国法人に対し,その請求に係る金額を限度として法人税を還付し,又は請求の理由がない旨を書面により通知する」と規定されているためだ( 法法80⑥ )。

法律上で税務調査の実施が規定されている背景には,還付請求を行なった法人の前期の所得金額や当期の欠損金額等に誤りがないか,また租税回避目的でこの制度が悪用されていないか等を慎重に確認したうえで,還付金を支払うこととしているためのようだ。

なお,繰戻し還付に係る調査が実施される時期は一概にいえないが,制度上,還付請求日(確定申告書の提出期限内に行われたものはその提出期限)の翌日以後3ヶ月を経過した日から,還付支払決定の日又は充当の日までの間について年7.3%の還付加算金が加算される仕組みとなっているから,申告を行った後3ヶ月以内に調査が行われるケースが多いと考えられる( 法法80⑦ )。
=============================引用終わり========

 と、繰戻還付後の税務調査について、法律で書かれていることでもあり、
 大変もっともに書かれているのですが、

 実は、弊社では、過去に、
 欠損金の繰戻還付請求の申告を、かなりバンバンやっているのですが、

 個人所得税でも、法人税でも、
 1回も税務調査が入ったことがありません。
 所轄税務署からの電話確認さえ、ないのです。

 もしかしたら、従来の、他の税目の申告に対して、税務調査が少ないのと同様に、
 弊社が特別なだけかも知れませんが、

 でも、実際、繰戻還付の後で、それ以降も、ずっと、税務調査はないのです。

 ☆  ☆  ☆

 まるで都市伝説のように、まことしやかに、

 税務調査が必ずはいるから、
 それを恐れて、せっかくの税務特例を適用しないという話しをことを聞くにつけ、 

 弊社の実態と比べて、不思議でならず、

 お客様の利益を最大守るのが、我々の仕事なんだから、
 なんだかヘンだなあ、と、ちょっと疑問を持っているのです。

 ☆  ☆  ☆
 還付制限も解除されたので、
 きちんと制度を使って、
 事業の回復に、がっちり役立てましょう。ね。
by expresstax | 2009-05-25 23:35 | 法人税

 欠損金の繰戻還付シリーズです。

 青色欠損金の繰戻還付は、もちろん個人でも適用できます。
 
 法人は、改正前は、設立5年以内の中小法人にしか繰戻還付は認められていませんでしたが、
 個人は、そんなの関係ない!で、
 青色申告書の連続提出を要件に、OKでした。

 ただし、違いがあります。

 法人は、原則として、前期への繰戻還付と、翌期以降7年間の欠損金の繰越控除の制度ですから、
 都合、9年間の損失通算となります。

 個人は、前年への繰戻還付と、損失年以降3年間の繰越控除ですから、 
 都合5年間しか、損失通算できません。

 欠損金が、損失年以降3年間の繰越控除で吸収できないようですと、その後は切り捨てです。
 例えば、2,000万円の損失が生じたとして、翌年以降の所得が、500万円ずつだとすると、
 繰越控除は1,500万円しかできませんから、500万円は使いのこしてしまいます。

 前年に500万円の所得が生じているのであれば、まずは前年に繰戻還付を受けて、さらに翌年以降、1,500万円繰越控除を受ければ、全額を使い切ることができます。

 また、税率の問題もあります。

 所得税は累進課税ですから、
 前年の所得税率が高く、翌年以降が所得が下がって税率も低くなるのであれば、
 繰越控除だけで、トロトロと低い税金を下げるよりは、
 がっちり繰戻還付で高い所得税の還付を受けてしまう方が有利になります。

 厳しいときこそ、上手な税金マネージメントが必要です。

 ☆  ☆  ☆

 ミニブーケには珍しく、白のカラーがありました。
 好きな花です。
 ピンクのアンスリウムと一緒です。
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by expresstax | 2009-05-21 23:34 | 法人税

 欠損金の繰戻還付制度について、シリーズです。

 欠損金の繰戻還付は、原則として、前年の税額還付へと遡ります。

 したがって、損失が生じた年度をベースに考えると、
 前事業年度への繰戻還付で税金取り戻しと、翌事業年度以降、7年間の繰越控除と、
 都合9年間を通算するという考え方です。

 例外は、ひとつ、会社の解散や事業の全部譲渡の場合に限り、
 前々年まで遡って、繰戻還付を受けることができます。

 債務整理などで、会社を解散・清算してしまう場合、前年・前々年で税額が生じていた場合には、
 還付が受けられるのです。(法人税法80条第4項)

 そしてこれは個人でも同様。
 事業廃止の場合は、前々年まで遡って繰戻還付が受けられます。(所得税法140条第5項)

 現下のように、急激に企業収益が悪化して、整理整頓してしまうといったときは、
 忘れないように、しっかり利用します。

 特に、整理の最後は、資金が、1円でも貴重。

 そんなときに、せめてしっかり、税金で損失補填するのです。

 債務超過や事業展望など、会社や事業の改廃の判断は、なかなか難しいものです。
 この判断を遅らせて、傷を深くするケースが、大変多いようです。

 繰戻還付を受けるならば、事業ストップのタイミングを
 黒字から赤字転落してから、せめて翌々期後、というのも、
 ひとつの目安になるでしょう。
by expresstax | 2009-05-20 23:33 | 法人税

 平成21年度税制改正のうち、中小法人について、欠損金の繰戻還付規制が解除されました。

 前期が黒字、当期が赤字といった、昨今の中小企業の救済策ですから、
 去年までは、ウチだって羽振りが良かったんだ~、と口惜しい思いの会社さん向けです。

 青色申告していれば、翌期以降7年間、損失の繰越控除は受けることができます。

 でも、しばらく赤字が続きそうだぁ、という中小企業に、繰越控除なんて絵に描いた餅。

 前期の黒字で払った税金が恨めしくなります。

 とはいえ、既に払った税金を取り戻すなんて、国家財政の安定性を損なう、とばかりに、
 
 繰戻還付制度は、法律としてはありながらも、
 設立5年以内の中小法人以外は、実質停止されていました。

 欧米の法人は、欠損填補に、期限なんか設けません。
 法人はゴーイングコンサーンだからなのだそうです。
 日本はケチ、ですよね。

 ☆  ☆  ☆

 さてさて、その繰戻還付制度が、青色中小法人に限って、今年から復活。
 設立5年を超えていても、OKです。

 平成21年2月1日以後に終了する各事業年度からの適用ですから、

 実質、平成21年4月申告からです。

 ただし、この制度は国税のみ。

 法人住民税・事業税は、この制度はないんですね。

 でも、住民税・事業税については、その会社が黒字申告になったら、
 そこで繰越控除して、税額軽減してくれるので、
 忘れた頃に、救済されます。

 いささか苦し紛れの制度ではありますが、
 
 転んでも、タダでは、起きないゾ、と、その気概が、会社を蘇らせるのです。

 ☆  ☆  ☆

 アークヒルズのローズガーデンが特別観覧できました。
 サントリーホールの屋上部分です。

 通常は閉鎖なのだそうで、
 普段はどなたが、ごらんになるんですか?と案内係りさんに聞きましたら、

 そもそも、周辺マンションやオフィスの上から眺めるための施設なので、
 通常は、お手入れのアークガーデンクラブの人たちしか入れないのだそうです。
 上から眺めるためだけに、これだけの作庭をするとは、
 なんと、贅沢な。
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by expresstax | 2009-05-18 23:38 | 法人税