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資産税の税理士ノート

カテゴリ:耳より税金情報( 62 )

 会社法が6月29日参院通過、国会成立し、予定では平成18年4月から施行される見込みです。

 当初は商法現代化として議論されていましたが、会社法として全体を再編。従来の商法・有限会社法・商法特例法等を包含する新法典となりました。ひらがなで読みやすくなっただけではないのです。

■株式会社の運営の簡素化

 株式会社は、役員の重任には登記が必要ですが、株式全部が譲渡制限株式の会社は、定款により取締役は1名、任期を10年まで延長が可能ですから、従来の有限会社並の負担になります。

■株式会社設立の簡便化

 最低資本金制度がなくなり、資本金1円でもOK、従来の株式保管証明制度は、金融機関の残高証明書でOK、登記前でも資金引き出しOK、会社の類似商号規制は撤廃、会社目的の厳格審査もなし、会社設立がスピードアップします。1円会社でも社債発行が可能になりますから、資金調達も柔軟化します。ただし純資産300万円以上でなければ配当できません。
 また外部者にとっては、より深度のある与信審査が必要になるでしょう。

■有限会社の廃止

 施行日以降は有限会社の設立はできませんが、それ以前に設立した有限会社は新法施行後も継続できます。また、有限会社から株式会社への変更は、商号変更並に簡単にできますから、現在有限会社の会社さんは、どちらか選択なさったらよいでしょう。

■金庫株取得の時期の自由、利益の配当も自由

 従来定時総会に限定されていた金庫株(自己株)取得を臨時総会で決議できるようになりましたから、相続での納税資金の調達など、タイミングよく可能に。税務上も相続自社株譲渡は譲渡所得です。

■株式譲渡制限会社の株式分散防止-後継者以外への株承継を制限、相続人への売り渡し請求も

 株式譲渡制限会社でも相続や合併での株式移動は防止できませんが、従来の特別決議に加え特殊決議(総株主の半数以上出席、総議決権の2/3以上の決議)によれば、制限できることになります。

■組織再編の簡易化-吸収会社の総資産額の20%までは株主総会不要

 株主総会決議不要な合併等の基準が従来の総資産額5%から20%以下となり、簡易に行えます。

■合同会社の創設

 有限責任の合同会社(LLC)が創設されます。先行したLLP制度と合わせて活用が期待されますが、無限責任社員制度を残す他の持分会社である合名会社・合資会社との足並みから、税制等の運用が注目されます。以上が平成18年春に施行予定です。

 以下は19年以降施行予定です。

■合併対価の柔軟化

 合併の際に消滅会社の株主に外国親会社株や現金で支払う三角合併も可能に。

■公開会社の資本政策条項も続々-新株予約権を使って買収防衛する毒薬条項・黄金株

 平成19年を予定して、株式譲渡制限のない会社(公開会社)の企業防衛条項が施行されます。
 このあたりは、エクスプレスセミナーでお話したいと思います。
by expresstax | 2005-06-30 22:04 | 耳より税金情報

 不動産価格が順調に推移し、債務整理は最終局面。有利子負債の債務超過解決は正念
 場です。

■会社保証人の社長さんが自分の資産を売って会社借金の肩代わり返済したら-

 1.2億円の債務超過の会社の再生を図るため、前期末に自己所有の1億円の不動産を
 譲渡なさった社長様。譲渡税引後の手取り約7千万円から金融機関に肩代わり返済、
 経営再生のご相談です。
 
 伺うと、「保証債務の履行に伴う求償権の行使不能の場合の譲渡税非課税特例」の適
 用可能だったにもかかわらず、特例をご存じなく、特例適用せずに既に譲渡税申告納
 付していました。
 
 特例とは、債務超過に陥った債務者が返せない債務を、債権者からの請求により保証
 人が自分の資産を売却して肩代わりした場合、要件(エクスプレス情報NO.134)を満た
 せば、譲渡税を非課税となる所得税法64条2項です。早速、エクスプレスは、納付済
 の税金還付請求を検討しました。
 
■債務超過なのに、社長の債権放棄で、繰越欠損金ゼロ-求償権放棄ができない!

 ところが過去申告を拝見してびっくり。
 会社は債務超過なのに、繰越欠損金ゼロ。
 前期決算で、社長様は会社へつぎ込んだご自身の貸付金を「金融機関に出す財務諸表
 の数字を綺麗にするため」に、なんと、全額債権放棄。
 会社はその債務免除益を解消するため繰越欠損金を使い果たしていました。
 
 社長様が譲渡特例を適用するために求償権を放棄すると、会社に8億円の債務免除益
 が発生。個人の譲渡所得税20%を非課税にするために、法人税40%を負担するの
 は馬鹿げています。
 
■金融検査マニュアルでは、社長借入は自己資本-社長様は債権放棄してはいけない!

 実は、金融庁の「金融検査マニュアル中小企業編」では、「会社経営者からの借入は
 自己資本と同等とみて、自己資本に加味せよ」と明示し、指導しています。つまり、
 社長様が債権放棄しても、会社に対する金融機関の格付査定には大きな効果がないの
 です。全く残念なことです。
 
 そこで社歴40年の社長様の会社を解散させずに譲渡特例を使うため、急遽会社の棚卸
 など資産査定と整理を実行、金融機関さんの協力も得て税金還付を実現。更に有利子
 負債を圧縮しました。
 
■平成17年度税制改正企業再生円滑化税制は、再生ガイドライン適用のみ

 平成17年4月1日から7年間の繰越期限切れ欠損金の損金算入規定が緩和されましたが、
 施行令などで明らかにされた私的整理手続要件は次の通りです。(法人税法施行令2
 4の2ほか)
 
1.公表された債務処理計画に基づくこと。

2.公正かつ適正な手続によること。
  ①資産評定は公正な価額により
  ②債務処理の専門知識と経験を有する3人以上のチームが確認し、
  ③資産評定を基礎にBSを作成、
  ④上記BSや事業計画に基づいて免除額を定め、
  ⑤2以上の金融機関又はRCC(整理回収機構)による債務免除を受けること。

3.対象となる私的手続は、RCCや中小企業再生支援協議会の私的整理手続、又は私
的整理ガイドラインに基づく私的整理手続をいう。

 つまり、サービサーへの債権譲渡方式や社長様の債務免除などは対象外。自力救済に
 は使えないのです。
 
■企業再生は、債務免除益課税対策が最重要。

繰越欠損金は、有利な企業再生のための最後の切り札です。くれぐれも有効な決算を。

 「間違ったら責任問題!保証債務の特例の実務がわかる」ビデオレクチャー発売中 FPステーションさんのビデオレクチャーで、飯塚が説明しています。
by expresstax | 2005-06-20 23:54 | 耳より税金情報