お知り合いの方が先月2月に亡くなられたそうです。
まだ、昨年の確定申告をする前だということで、ご相続人であるお嬢様が、
3月15日までに確定申告が必要だということで、
顧問の先生から、矢の催促で、
涙に暮れながら、資料整理をなさっているというのです。
訳も分からんのに、かわいそうだ、とOさんは心配になって、
そんなものなのかと、私を見つけてお尋ねになったというわけです。
Oさんは、退職後も公益法人の理事さんを務めて、未だにご活躍中。
お世話焼き精神は、健在なようです。
もちろん、法律はそんなに血も涙もないものではないのです。
前年の確定申告をできずに3月15日までに亡くなった場合、
相続人様は、被相続人様の前年所得をよく調べて、
亡くなった日から4ヶ月以内、この場合は、6月の応答日までに
確定申告をすればよいのです。(所得税法124条)
さらに、当年分の確定申告は、
2月に亡くなったのであれば、今年1月1日から2月のご逝去の日までの所得として、
相続人様がご逝去の日からやはり4ヶ月以内である6月の応答日までに
確定申告します。(所得税法125条)これを「準確定申告」といいます。
つまり、前年の申告書と一緒に、
当年の亡くなった日までの準確定申告を、4ヶ月以内に、同時に出せばよいのです。
前年所得と当年所得は、前受や前払、未収・未払など、関連がありますから、一連で計算することまで配慮しているといえます。
Oさんにそのお話をして、後で、条文のプリントをお届けしました。
「そうなの!じゃ、無理することないよね!6月までにやればいいんだよね!
教えてやらなくちゃ!」とたいそう喜ばれました。
でもね、こうも考えて下さい。
法人は決算日から2ヶ月以内が法定申告期限ですが、
個人は、翌年3月15日が法定申告期限。
個人の場合は、法人のように、経理帳簿体制が確立していないし、
10種類の各種所得の計算は、法人より複雑。
その分、ふだんでも、3ヶ月半の、申告期限の余裕をみているのです。
ましてや、申告のご本人様が亡くなられた場合には、
さらに余裕をみて、4ヶ月の期間を置く、
というのは、自然な法律の配慮なのですね。
おつらい時期に、大変な思いをなさっているお知り合い様のお嬢様が、
ご無事に安心していただけますように、Oさんにお願いしました。
☆ ☆ ☆
今日は、雛祭りということで、
事務所のそばの赤坂雪華堂小さんの道明寺と桜餅をおやつにいただきました。
夜は、そのノリで、小懐石ですが、これのデザートも道明寺。本日2個目です。
甘さを抑えたつぶあん、桜漬がちょこっと桜の葉の間にはさまった、おいしい道明寺は、
実は手作りだったそうで、感激でした。