お客様からのご質問です。
会社で旅行に行った場合、その費用は、
どこまで経費(損金)に認めれられるか。
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会社は給与として損金になるけれど、
旅行に行った社員さんは、本来の給与に合算されて、
まずその月の所得税が給与から天引きされて、
翌年、住民税ががっつり天引き課税。
社員さんは、
キャッシュは1円ももらわないのに、
社員旅行に行ったばっかりに、
税金だけ増えちゃいます。
これが福利厚生での経済的利益
=フリンジベネフィットに対する課税です。
そして、そもそも役員さんだけの社員旅行や、
役員さんしかいない会社の社員旅行は、
福利厚生費用とは認められにくくなります。
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じゃ、損金とされる社員慰安旅行って?といえば、
まず純然たるレクリエーションの福利厚生費として損金とできるのは、
①全社員(従業員)の半数以上が参加して、
②4泊5日(海外の場合は現地)以内 とされています。
(所得税法基本通達36-30、法令解釈通達昭和63年5月25日直法6-9(例規)、直所3-13)
そして、明文化されていませんが、
おおむね10万円以下なら、OKというラインもあります。
今では、10万円以下で行ける4泊5日以内の海外なんて、
どこにあるねん?という話ですが、
国税庁のタックス・アンサーの事例では、
このあたりを、さりげなく説明しています。
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また、慰安旅行とは別に、研修のための旅行の場合も、
損金とされます。
これは業務上の研修であれば、
金額上限などはありません。
ただし、研修以外の観光や慰安をセットとすると、
慰安に該当する部分は、上の法令解釈通達で判定することになり、
かつ上の金額基準をハミ出る額は、
給与課税となる可能性大です。
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このあたり、
ずっと以前のエクスプレス時代に、
海外社員旅行で、1人10万円を超えてしまうために、
なんとかメンバーさんたちへの給与課税は避けたいと、
駆け回って、研修をセットして、
現地の会計事務所見学や
現地の経営者インタビューを組み込んだりしたものですが、
事務所メンバーさんたちには不評だったようで、
陰口を叩かれたりしたそうで、
所長として、ヘコんだことがありました。が。
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金額も、例えば国税庁のタックスアンサーでは、
旅行費用15万円のところを、
会社が8万円持って、
従業員自己負担が7万円、
それなら会社負担の8万円は、給与課税ないよ、
なんて例が出てきますが、
自己負担7万円して、あとで税金取られて、
上司や同僚に気使いながら社員旅行、
行きたいかぁ?
といえば、従業員さんたちは、”ノーサンキュー!”
の合唱となるんじゃないでしょか。
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ここで分かりやすいのは、
わざわざ、バカンス中で研修先もほとんどお休みのフランスへの
研修旅行の名目で、あるいはついでに、
観光やグルメにウツツを抜かしていた、として
有名になった自民党女性局議員さんたちの「エッフェル姉さん」たちです。
もちろん自民党さんの党費の使い方にとやかく言う筋ではありませんが、
お客様への説明に、とても便利に引用させてもらってます。
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通りかかった品川駅のエレベータ前です。
子育てベビーカーの子連れさんたち、
杖を突いたお年寄りたち、
特大スーツケースのインバウンドさんたち、
この後ろにもまだまだ続く長蛇の列です。
エスカレータが少なく階段だらけなのと、
エレベータが少なく、かつカゴが小さいのとで、
最近は、電車の発着毎にこの光景が見られます。
高齢者が増えることや、
少子化対策で子どもを増やすことや、
インバウンドを誘引することは、
いわば予定のウチのはずなのに、
何でこんな現象にしてしまうのかなぁ、と
眺めています。