最高裁が、令和6年5月7日、
青色申告承認取消を巡っての納税者の上告を棄却したそうで。
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最高裁判所第三小法廷(渡邉惠理子裁判長)は5月7日、納税者が2事業年度連続で期限後申告したことを理由に国が行った青色申告承認取消処分( 法法127 ①)について、納税者に事前に防御の機会を与えなかったことが憲法31条(法定手続の保障)の法意に反するか否か等を巡り争われた事件で、納税者の上告を棄却した(令和5年(行ツ)第334号)。
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曰く、「防御機会がなかったとしても憲法31条の法意に反しない」と。
ん?憲法31条って、
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憲法31条(法定手続の保障)
何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
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です。
納税者は、2事業年度連続で期限後申告した、
国は、事前通告なく、青色申告承認取消処分( 法人税法127 条1項)をした。
という事案です。
コトは、期限内申告すりゃいいじゃん、ということではないのですね。
法人税での青色申告承認取消、通称「アオトリ」は、要件が厳しいよ、
この事案の可哀想なところは、
新しい税理士法人に契約を変更して、
委嘱の交代を後の最初の年度は、ちゃんと期限内申告した。
ところが、その後担当職員さんが、
2年連続で期限内申告を失念しちゃってた、
各年度分ごと、都度期限後申告をしてたそうですが、
まあ、1回くらいは会社に頭を下げまくって期限後申告して、
でも、それを翌年度も繰り返しちゃう、ってのは。
依頼していた会社さんは、
①期限後申告になることについて会社が容易に認識し得なかった
②30年以上にわたって適正な記帳、申告を行ってきた
だから、せめて取消前に会社に教えてよ、
そしたら何らかの善処したのに、と。
なぜ告知をしないのか、については、
原審の福岡高等裁判所では、
最高裁平成4年7月1日大法廷判決(平成4年大法廷判決)を踏まえて、
次のように、説明しています。
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税務署長が、青色申告承認取消処分を行うに当たり、被処分者に対して告知、聴聞その他弁明の機会を付与しなければならない旨の法律上の規定は存在せず、むしろ、 国税通則法74条の14 第1項が、青色申告承認取消処分を含む「国税に関する法律に基づき行われる処分」について、不利益処分に係る事前の意見陳述手続等を定める行政手続法第3章〈不利益処分〉の規定(同法14条の理由提示の規定を除く)の適用を除外しており、適用除外が認められている理由として、①金銭に関する処分であるから事後的な手続で処理することが適当であり、事後的な手続として、国税不服審判所長に対する審査請求等の不服申立手続が整備されていること、②大量・反復的に行われること、③限られた人員で適正・公平・迅速に手続の処理を図らなければならないこと、④処分理由の提示が要求されていること等の理由がある。
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上述の平成4年最高裁大法廷判決の判示内容とは、
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行政処分の相手方に事前の告知、弁解、防御の機会を与えるかどうかは、行政処分により制限を受ける権利利益の内容、性質、制限の程度、行政処分により達成しようとする公益の内容、程度、緊急性等を総合較量して決定されるべきものであって、常に必ずそのような機会を与えることを必要とするものではないと解するのが相当である。
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ということです。
うーん。
そもそもの期限後申告となった原因が、
会社さんの資料提供や帳簿提供不備なのか、
税理士法人さんの管理不足なのか、職員さんの怠慢なのか。。。
アオトリになってしまったことでの遺失利益については、
この後は、会社さんから税理士法人への損害賠償請求で
解決を図る、ということになるのでしょうか。
☆ ☆ ☆
時々通っていた水族館が、
この物価高での経営不振で閉園と。
でも、地続きのホテル宿泊者は、見に行けるというので、
ペンギンさんたち、どうしてるかな?と偵察に行ってみました。
いました、いました。
油壺の水族館が閉園になって、受け入れられたという
岩飛びペンギンくんたちが元気でした。
ケープペンギン君たちも。
と、いるか君たちへの餌やりが始まりました。
そして、単に餌やりだけでなく、
ジャンプしたり、輪くぐりしたり、いろんな曲芸もやってるんですね。
そか、閉園したとしても、
芸を忘れないように、毎日鍛錬してるんだ!と、
胸が熱くなりました。
動物たちの餌代も、こうして残っている飼育員さん達の生活費も、
大変です。
一日も早く、再開できたらいいね、と
応援の寄附、しようっと。
遠くから見ている我々に、あえて見せてくれているような、
見事なジャンプです。
飼育員さん、いるか君たち、ありがとね。