住宅税制の終焉、そしてビルの構造柱は?

 令和3年度税制改正の大綱が、閣議決定されました。

 税制改正の大綱は、12月14日与党決定の税制改正大綱をベースに、
 国税に関する改正事項について財務省から提出されます。
 これで、来年の改正法成立まで一気に進みます。

 ところで、先日決定された今年の令和6年度「税制改正大綱」や今回の「税制改正の大綱」を読んだ人は、
 おやっ?と気付いたでしょうか。

 令和4年度改正大綱までは、
 「住宅・土地税制」として個人所得税の項目に入っていた
 住宅ローン控除の項目が、

 令和5年度は改正も延長ないため、項目がないのは当然として、

 令和6年度税制改正大綱では、「土地・住宅税制」を外れて、
 「子育て支援に関する政策税制」に入っていたことを。

 そして令和4年度改正のとおり、
 今年令和6年1月1日入居以降は、
 新築住宅については、
 長期優良住宅やZEH住宅、省エネ基準適合住宅のみが適用対象となり、
 その他の住宅は、限度額ゼロ円とされました。

 つまり、 
 住宅ならば、床面積さえ50㎡あって、
 狭小なものでなければどんどん建てるべし、という
 過去の「住宅促進税制」は、消滅させ、

 カーボンニュートラル政策に合致しないものは、
 新規に参入させないという、政策の大転換が
 いよいよ令和6年から、その幕が切って落とされる、というわけです。
 
 ☆  ☆  ☆

 延長になった「直系尊属からの住宅取得資金の贈与特例」は、
 租税特別措置の相続税・贈与税の延長拡充措置としての掲載です。

 ここでも、令和6年度贈与からは、新築については、
 適格要件の一つである
「断熱性等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上」を、
「断熱性等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上」(ZEH基準)へと
 改正しています。

 ただ、他の耐震要件や高齢者等配慮対策要件のいずれかを満たしていればよく、
 耐震要件は、現在販売されているハウスメーマー製品では、
 ほぼ基準をクリアしているそうなので、
 影響は少ないと思われます。

 というか、なら何故、断熱性能等基準だけ、厳しくしたんかい?と
 疑問が湧きますが、
 
 カーボンニュートラルに向けて、厳しくしてまっせ、という
 アピールのためかなあ、と。

 ☆  ☆  ☆

 元々、住宅税制は、
 「マイホーム大好き」という国民感情に配慮しながら、

 住宅という大型消費財の生産と取得を促進することで、
 その基盤にある建築材の
 製造・家電・家財・ファブリック・通信産業・林業の醸成、
 あるいは、金融機関への支援を下支えとして、
 太平洋戦争後の日本経済の発展を牽引する役割を果たしてきました。
 
 したがって、すぐさま、住宅税制をないものとすることは不可能です。
 しかし、政策の方向性としては、
 住宅建築が一定の役割を終えたと判断したところでの、
 カーボンニュートラルへの誘導を主眼としていきます。

 ☆  ☆  ☆

 このあたりのことは、
 住宅関連事業者さんだけでなく、
 お客様に制度を説明する我々税務の専門家も、
 しっかり認識しておくべきことでしょう。

 ☆  ☆  ☆

 某再開発の建築現場を通りかかりました。
 
 ん?

 建物の柱が、上半分の途中で切れています。
 これって、外見には、構造杭にあたる部分と見えますが、
 それが途中で切れているということは?
 あるいは、後から下半分を継ぎ足すんでしょうか?
 素人の誤解ならいいのですが。
 
 ???と思いつつ、通り過ぎましたが。。。
住宅税制の終焉、そしてビルの構造柱は?_d0054704_16454226.jpg

by expresstax | 2023-12-22 23:31 | 税制改正  

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