事務所から連絡があり、
所轄税務署から電話があって、
先日提出した相続税申告について、
土地評価について自主的修正申告の勧奨があった、と。
税務署から指摘しながら自主的修正申告を出せということは
ちょっと温情チックに、
過少申告加算税はかけないよ、ということですが、
こんなことは初めてでしたし、
指摘の内容は、想定外でした。
聞いてびっくり、そんなバナナ、です。
翌日の鈴木正孝先生の事例検討会前夜でしたから、
深度ある打合せをしながらつい、正孝先生に愚痴っちゃいました。
☆ ☆ ☆
平成30年は、日本全国で大災害が連続しました。
提出した相続税申告の対象財産の中に、
平成30年に起きた災害の特定地域に該当する土地がありました。
特定地域に該当する不動産とその相続税申告については、
2つの特例があります。
======================
1.特定地域(指定された災害地域)内に納税地のある納税者の
平成平成29年8月28日から平成30年6月27日までの開始相続の
相続税の申告期限を平成31年5月7日とし(租税特別措置法69の8)、
2.特定地域内の土地等については、
そのその取得の時の時価によらず、
特定非常災害の発生直後における当該特定土地等の価額として評価した額に相当する金額で評価する(租税特別措置法69の6、租税特別措置法政令40の2の3)
=======================
平成29年相続の被相続人様の所有地が特定地域に所在したため、
申告期限の延長と、
平成30年評価額と相続年の評価額のいずれか有利な額の
採用ができるようになったのです。
そこで弊社は、路線価が下落していた場合は、平成30年路線価を、
倍率地域は、固定資産税評価額が下落していた場合は平成30年度分を、
適用して申告したわけです。
☆ ☆ ☆
なのに、所轄署からの担当官の電話によれば、
路線価については30年路線価で良いが、
倍率地域については、29年度固定資産税評価額に30年倍率を使うべし、
ついては修正申告しろ、と。
お客様に報告すると、
増差が大きな額ではないためか
それくらい、払いますよ、とのご姿勢。
穏やかでいらっしゃいます。
でも、倍率地域の倍率は、
公示価格の8割水準の路線価と7割水準の固定資産税評価額の
調整のために、1.1倍して足並みを揃えるためのもので、
地価変動とは関係ありません。
前掲の措置法や措置法政令をどう読んでも、指摘のようにはなりません。
そこで、いや、ここは我々に納得させて下さい、とお客様にお願いして、
所轄署には、主張の根拠を示してください、と押し返しました。
☆ ☆ ☆
結局、
後日、所轄署から連絡があり、
所轄署の誤りであり、修正の必要はない、申し訳なかった
との回答がきたのです。
お客様に余計なお手間をおかけすることがなくなって、
こちらもホッとし、お客様にもご安心いただけました。
が。
ご心配をおかけした鈴木正孝先生に顛末をご報告すると、
調査官単独で、修正申告の勧奨をするのは考えにくいから、
上司の統括官の問題だろう。
今回、弊社が押し返したことで、
改めて上部に確認して、判明したのではないか、とのことでした。
災害地域の納税者さんの傷口に塩を擦り込むような国税の姿勢です。
万一、所轄署の指導通りの修正申告に応じた納税者さんや税理士先生がいたら、
と思うと、ちょっとやりきれない気がしますが、
その場合も、所轄署が、ちゃんと誤指導の訂正をしてくれていることを祈ります。
☆ ☆ ☆
札幌から帰ると、
お客様からの宮崎マンゴーが届いていました。
ありがとうございます!!