昨年、税務調査で是認となったことをここに書いていたら、
是認になるのは、税金を払いすぎていたからだ、
修正申告をするのが、一番低い税額だったことになるのだ、
という意見があると聞きました。
なるほど。
税金を払いすぎていれば、そもそも調査対象とならないかもしれないし、
調査に来ても、黙って国税さんは、引っ込むのかもしれません。
でも、
税金を多めに払いたい、とのお客様のご意思があるならともかく、
税理士が仮に1円でも過大申告して、お客様に税金を余計に払わせるとしたら、
それは税理士として、お客様への重大な背任です。
そんなことは、絶対にあってはならず、
税理士の風上にも置けません。٩(๑`^´๑)۶
いわゆるグレーゾーンとされる認定事案を、
国税さんのいいなりに、最初から「黒」として過大申告してしまい、
それで是認をとるというのも、税理士の努力義務違反、注意義務違反です。
もちろん、最初から「黒」を白にするなんてのは言語道断、まさに仮装隠蔽ですが、
白か黒かは曖昧なのが、税の現場です。
現場と事実をよく確認して真実を導き出し、立証したうえで、「白」とする申告が、
税理士のチカラです。
その結果としての「申告是認」でなければなりません。
またもし、修正申告する申告が、最低税額で済ませているからだというなら、
その否認事項は、最初から「黒」だったとしか思えません。
そうでないなら、なぜ反証しないのか、
反証しても国税が認めないなら、なぜ国税に「そっちで直せ」と、
「更正処分」を求めないのでしょうか。(-_-)#
国税が更正すれば、それに対し、審査請求が可能となりますが、
納税者自ら修正してしまったら、その後の法律救済を受けられません。
それを修正申告してしまうというのは、
最初から「黒」であることを承知で当初申告をしていたということですから、
税理士としては、それも、お客様に対する背任です。
また、「黒」がいくつかあって、
そのうちの一部だけの修正で「済んだ」、だから最小だ、というのも、
みっともない話です。
そんなことを考えながら、
是認をとる大変さを理解しない、
お客様のお気持ちを理解しない、
心ない意見に、ちょっと何だかなあと思っています。
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暖かい日が続いて、
事務所ビルのお隣の豊川稲荷さんの緋寒桜が咲き始めました。
一分咲き、でしょうか。