2015年 06月 10日
森トラストの土地評価損取消裁決は森トラさんに軍配
森トラストさんの虎ノ門パストラル跡地の土地評価損400億円否認への審査請求の結果がでました。
軍配は、森トラストさんに上がって、150億円の還付なのだそうです(平成27年6月10日日経新聞夕刊)。
去年の審査請求の記事を見ていたときは、
へー、そりゃ、否認されるんちゃうかな、と思っていたので、
今日の裁決文が出てきたら、ぜひ読んでみたいです。
虎ノ門パストラルは、古ーーい、宴会場ビルで、日管協さんの総会などで使ったりしてましたね。
虎ノ門事務所時代に、お散歩に行ったり、取り毀しの様子を眺めた/span>りしてたので、
人ごとと思えません。
☆ ☆ ☆
もともと、土地を固定資産(=自分で使う、貸す)として取得したのか、
棚卸資産=転売する、として取得したのかが、税務上は問題になります。
棚卸資産の場合は、会計上、期末の時価評価をし、
評価益は法人税課税、評価損が出れば、法人税では損金となるからです。
八百屋さんが仕入れたトマトが、期末棚卸で、買った値段ではもう売れねぇ、と、
値下がりしていたら、評価損とするのです。
虎ノ門パストラル跡地16,050㎡は、
2008年1月、オーナーである農林漁業組合から、
森トラさんと当時のダビンチアドバーザースのSPC(特定目的会社)が
約2,300億円(坪4,747万円)で取得。
その後、リーマンショックで、50%共有者のダヴィンチが2010年破綻、上場廃止。
2011年1月にホテル解体、棚卸資産として評価損を計上し、これが問題になったんですね。
その後、2013年7月にダヴィンチの持分を森トラさんが引き継いで、
土地は、森トラさんの単独所有になって、
取り毀しの後、トラ四ガーデンとして市民農園とかやってましたが、
この2011年の評価損が問題になったんですね。
虎ノ門パストラル跡地を、
国税さんは、自分で建てて使うんだから固定資産だろっ、としたのでしょうが、
森トラさんは棚卸資産ですよぉ、として主張していたのですね。
んー、
マジで、外部販売しようとしていたのか、
時期的にあり得なくもないですが、
そもそもダヴィンチと取得した2,300億円だって安値買いと囁かれた超一等地を、
手放すハズはなーい! と国税は考えたんだと思うんです。
それに、森トラさんは、昨年2014年10月には虎ノ門四丁目プロジェクトを発表、
今年2015年5月には、都市再生特区認定を取得、「虎ノ門トラストシティワールドゲート」と名称を付けて
計画発表に及んでいます。
販売用資産としたのにも、かかわらず、です。
一見、国税さんの言い分の方が正しそうに見えますが、
待てよ、と。
そもそも、森トラさんのような開発デベロッパは、自社建築しても、物件はSPCに移して、
REIT(リート=不動産投資信託)としたりします。
そうであれば、この土地だって、商品として仕上げた上で、SPCに移転(売却)することが予定されていれば、販売目的用資産といえるのかも?です。(?_?)
売る時って、きっと信託受益権で売るんでしょうが、それだって譲渡でしょうしねぇ。(-_-)
☆ ☆ ☆
記事を読んで、ふにゃふにゃ考えていますが、
裁決文を見たら、案外、なあんだ、ということなのかも知れません。
楽しみに待ちましょう。(^^)b
☆ ☆ ☆
森トラさんといえば、自宅マンションの隣地の赤坂ツインタワーを取り壊し、
200m級の建替を行うそうで、
すぐに工事着手するのかと思いきや、
跡地は貸し駐車場になっちゃいました。
ツインタワー側の住民さんは、工事音がしばらく止んでほっとしたでしょうか。

平成19年頃、エクスプレスの移転先として、この赤坂ツインタワーが候補に上り、内覧したことがありました。
国会議事堂を臨んで、良いお部屋でしたが、セントラルヒーティングだったり、
とにかく、古い、
そして建替予定が当時から決まっていて、3年定期借家とのことで、
3年で移転先をまた探すんじゃ、と、見合わせた経緯がありました。
当時は、まさか自分がそのお隣に暮らすようになるとは思ってませんで。
本当に、人生は異なものよ、です。
でも、その後のリーマンショックや大震災で、建替は延期に次ぐ延期で、
今に至っていたのですね。
上から見るとこんな感じです。

夜、通りかかると、駐車場には、なんと、工事車両が、隊列を成していました。
向こうは大型トラック、手前は生コンの砲列です。(@_@;)
朝の外堀通り沿いは、生コンの駐車場と化していましたから、
需要はあったんでしょうね。
