全国平均は住宅地△0.4%、商業地△0.0%で、ほぼ下落か横ばい
東京圏は住宅地+0.5%、商業地+2.0%で上昇、
港区は住宅地+6.0%、商業地+5.6%
千代田区 住宅地+6.3%、商業地+ 5.7% という数字です。
「国交省の平成27年度地価公示結果の概要」によれば、
「三大都市圏では、住宅地の5割弱の地点が上昇、商業地の7割弱の地点が上昇。一方、地方圏では住宅地、商業地ともに上昇地点及び横ばい地点は増加しているが、依然として7割弱の地点が下落。」とのことですから、
昨年からの三大都市圏反転・上昇後、更に地方と、都市部での差が著しくなっています。
特に商業地については、「低金利等による資金調達環境が良好なことや緩やかな景気回復基調が続く中、下落率縮小や上昇の継続が見られる。また、堅調な住宅需要を背景に商業地をマンション用地として利用する動きが全国的に見られ、上昇又は下落率縮小となった要因の一つとなっている。」
と解説されています。
平均となると、こなれていますが、
国交省が、昨年特徴的な動きを示した地点として紹介した、
昨年6月にオープンした虎ノ門ヒルズの公示ポイント「港5-39」は、
580万円/㎡で、前年比+9.8%です。
株価が上がれば企業の資金調達力が上がり、
金利安を背景に、土地需要へと資金が動くという典型的な流れと、
外国資本が、円安と金利安で、さらに「日本買い」に入る循環に入っていますが、
問題はその資本の流入先です。
高級住宅地と大手町などトップビジネスゾーンを抱える千代田区と、
外国資本や大使館の集中する港区が、
資本の流入先を寡占しているようです。
日本買いではなく、「東京買い」です。
この傾向に一定の歯止めをかけようと、
地域再生法改正と平成27年度税制改正により、
都心部から地方に移れば、税制優遇するけれど、
地方から都心へは買換特例も厳しくするぞ、としています。
これについては、弊社税務情報3月10日号にご報告しました。
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虎ノ門ヒルズについては、
昨年、分譲された上層レジデンス(住宅)の分譲部分は、
実は、一般販売にかけられず、森ビルさんの既存客限定でクローズドで販売され、完売しました。
希少性のある物件の場合に採られる販売方法です。
ある物件は、今年もう、7千万円も値上がりしているとのことでしたから、
その値上がり率は、国交省さんいうところの+9.8%どころではありません。
さらに、あえて賃貸したり、自己居住したりしないで、未使用でいる、という
新築未入居で、再販売を待っている住戸も多いそうです。
つまり、この港区や千代田区の一部については、
既に、収益狙いの価格ではなく、キャピタルゲイン(値上がり益)狙いでの投資に移っているのです。
そこには、欧米やアジアの資金を集中させた「東京買い」ももちろん入っているでしょう。
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この都心一極集中の現象は、よく理解しておかねばならないでしょう。
年初に講演を受講したとき、講師の先生が、不動産は下がる、としきりに強調されていて、
どうにも違和感があり、気になっていたのですが、
あるとき、
その先生の情報源は、地方の先生方の情報網なのではないか、と思い当たりました。
ならば、そのように考えるのも当然なのだろうと納得したものです。
税理士としてのお客様へのアドバイスは、その時点、その場所、その状況、その歴史、
あらゆる面から考えて行われねばなりません。
地価が上がり、税金が上がるからと浮き足だってもいけないし、
何が何でも変化を認めず盲目的に経験則に従うのでもいけません。
心したいことです。
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赤坂サカスのしだれ桜が見事に開いていました。
赤坂ブリッツ前です。
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