前受賃貸料の消費税通知書雛形、そして国税庁消費税Q&A

 日本では、不動産賃貸料は、前月受取の前受が慣行となっています。

 昨年来、前受賃貸料の消費税率の問題について、
 弊社顧問先様である事業系不動産オーナー様からテナントへ宛てて頂く通知書式を準備し、
 お客様に対応していただいていました。

 そして、できればオフィシャルな雛形を出してもらいたいものだと、
 公的機関に働きかけてきました。

 というのも、

 ここかしこに、3月に受け取る4月分賃料について、適用税率は5%だとの誤報が掲載され、
 オーナー様が質問なさっても、
 前受経理しているなら8%だ、などの怪答が蔓延していたからです。

 平成26年4月分賃貸料に適用される消費税率は、8%なのです。
 経過措置が適用される場合を除き、それが原則です。

 こんなシンプルなことであるにもかかわらず、
 例えば、不動産オーナー様が、テナントに、3月に受ける4月分賃料は8%と請求し、
 テナントが自社の顧問専門家に確認したら、
 顧問専門家が、5%だ、と誤指導したとしたら、
 テナントは、不動産オーナーを、なんと強欲なオーナーだと不信感を持つかもしれません。

 あるいは、テナントの顧問専門家が、「貸主が前受経理していれば」などと、指導したとしたら、
 テナントが不動産オーナー様に対して、「じゃ、決算書を見せてください」と要求してくる事態もありえます。
 とんでもないことになります。

 経営で、一番大切なのは、取引先との信頼関係です。
 不動産オーナー様にとっては、テナントとの万が一のトラブルも避けなければなりません。
 そのためには、テナントに、適法な税制を正しく理解してもらう必要があるのです。
 
 大手の不動産会社様などは、全く問題なく対応してくださっていましたのに、
 今回、最大の障壁が税務専門家だったという、悲しい現実がありました。

 ☆  ☆  ☆

 問題を重視した週刊ビル経営さんが、
 平成26年1月20日号でこの問題を取り上げ、

 公的機関が雛形を出してくれないので、
 弊社の作成した「消費税改正に伴うご請求額の変更について」という
 テナントへの通知文を掲載させてほしい、と依頼してきました。

 オーナー様のトラブルを少しでも防止するためと、掲載を許可しましたから、
 不動産オーナー様は、一日も早く、対応していただきたいと思います。

 ☆  ☆  ☆

 とそうしていた矢先、
 国税庁さんが、消費税引き上げについてのQ&Aをホームページに掲載しました。
 
 「消費税率引上げに伴う資産の譲渡等の適用税率に関するQ&A
 平成26年1月 国税庁消費税室 とクレジットされています。

 このQ&Aに、前受賃料の適用税率が掲載されています。
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Ⅳ 賃貸借契約に基づく使用料を対価とする資産の譲渡等
(不動産賃貸の賃借料に係る適用税率)

問6 当社は、不動産賃貸業を営む会社ですが、平成25年10月1日以後に契約する賃貸借契約(改正法附則第5条第4項に規定する経過措置は適用されないもの)における次の賃貸料に係る消費税の適用税率について教えてください。
① 当月分(1日から末日まで)の賃貸料の支払期日を前月○日としている賃貸借契約で、平成26年4月分の賃貸料を平成26年3月に受領する場合
② 当月分の賃貸料の支払期日を翌月○日としている賃貸借契約で、平成26年3月分の賃貸料を平成26年4月に受領する場合

【答】
 新消費税法は、経過措置が適用される場合を除き、施行日以後に行われる資産の譲渡等及び課税仕入れ等について適用されます(改正法附則2)。
照会①は、平成26年4月分の賃貸料であり、施行日以後である平成26年4月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、4月末日における税率(8%)が適用されます。
照会②は、平成26年3月分の賃貸料であり、施行日前である平成26年3月分の資産の貸付けの対価として受領するものですから、支払期日を4月としている場合であっても、3月末日における税率(5%)が適用されます。

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 もっと早く出してくれれば、こんなに混乱しなかっただろうにねぇ、と
 記者さんと話しました。

 税務専門家は、これで右向け右をしてくれるでしょうから、
 とりあえず、これで混乱が収まるのではないかと思います。
 が。。。。(嘆)
















 
by expresstax | 2014-01-21 23:43 | 消費税

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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