これに基づく相続税の取扱変更が国税庁のホームページにアップされました。
「相続税法における民法第900条第4号ただし書前段の取扱いについて(平成25年9月4日付最高裁判所の決定を受けた対応)」
やはり、対応されましたね。
なおかつ、迅速!です。
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「民法第900条第4号ただし書前段」とは、法定相続分について定めた規定です。
民法第900条 (法定相続分)
同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一 子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二 配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三 配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四 子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。 の部分です。
このただし書き前段の部分がないものとして、つまり最高裁通り、非嫡出子不利益条項は、無視して計算せよ、というわけですね。
なんでこんな対応をするか、といえば、
例えば嫡出子と非嫡出子2人が相続人である場合、
現行民法では、法定相続分は、嫡出子2/3、非嫡出子1/3です。
課税遺産総額(つまり基礎控除=非課税額を引いた後ですね)が9千万円なら、
法定相続分は、嫡出子6千万円、非嫡出子3千万円、
相続税率は、嫡出子30%、非嫡出子15%、相続税の総額は1,500万円です。
それが、最高裁判決通りなら、嫡出子1/2、非嫡出子1/2となります。
課税遺産総額が上記と同じとして9千万円なら、
法定相続分は、嫡出子4,500万円、非嫡出子4,500万円、
相続税率は、両方とも20%となり、相続税の総額は1,400万円です。下がりますよね。
日本の相続税は、超過累進税率なので、誰かに集中すると税額トータルが高くなり、
フラットになると、総額が下がる理屈です。
つまり、最高裁判決通りの適用が、今後の相続に適用されていくのであれば、
その方が相続税的には納税者有利、
えーーっ、今までの民法通りだと、全員にとって不利じゃん!となりますから、
相続の申告を、民法通りでやるか、最高裁に従うかで、相続人様たちや税理士先生達が
悶絶して悩んじゃったり、還付請求がジャカジャカ出されたりの
その混乱を事前に避けたい、ということなのでしょう。
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事務所でワイワイ見ていて、
取扱を見ると、既に確定した=申告済みの相続には遡及しない=更正の請求還付は受けられないけど、
申告済みでも、9月5日以降に、評価誤りなどで更正の請求や修正申告を出す場合には、
最高裁通りの相続分で計算すると言ってます。
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とはいえ、弊社では、まだ非嫡出子さんが相続人という事案にあたったことがありません。
そもそもが、レアなケースなのでしょうから、
ここは、割り切って、とっとと取扱を出しちゃえ、という国税さんの声が聞こえてきそうです。
質疑応答も図入りででていますから、わかりやすいですね。
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昨日から新しいメンバーが入社。
今日は、平河町の四川飯店さんでその新人歓迎会、兼、怪我をしていたメンバーの復帰祝。
陳建民さんのお店だそうです。
事務所から会場に向かう途中に、赤坂見附跡の史跡があります。
江戸城への出入りを監視する見張り台だったそうです。
プリンスホテルの再開発の工事現場、囲いの緑化のメンテナンスをしていました。
最近は、工事会社さんも、こんなところにも気配りしていますね。
真っ赤な彼岸花が、もう、秋ですねぇ。