ブログトップ | ログイン

資産税の税理士ノート

怖い税金の罰金-たった11日遅れ申告で追徴12億円

 某電力会社の経理さん。

 平成14年6月2日、会社決算をやり終え、申告書を作成、消費税額247億円を含めて法人税法人住民税事業税を全額銀行で納付。完璧です。
 あとは、6月の株主総会後に決算承認を受けて、申告書を提出するばかり。法人税・法人住民税等は最大3ヶ月の申告期限延長制度が認められているからです。

 と、翌6月13日、所轄国税局から電話が。
 「消費税の申告書が出ていませんよ。」

 経理さんは、顔面蒼白。
 消費税は申告期限延長制度はなく2ヶ月以内に申告書を提出しなければならないのです。

 遅れ申告として、納税額247億円×5%の無申告加算税12億4千万円が追徴課税されました。

 税務署さんからの指摘で提出した場合は、本来は15%負担ですが、この場合は、自主的期限後申告として5%にオマケしてもらったようです。

 「11日遅れ」への過酷な罰金に、電力会社は国税局に異議申立、国税不服審判所へ審査請求、そして行政訴訟に訴えましたが、平成17年9月16日大阪地裁で棄却。
 9月22日に控訴断念を発表しました。

 たいへん紛らわしく間違えやすい制度ですが、これが法律です。

■法人税・法人住民税は申告期限延長OK

 法人税と法人事業税は確定決算に基づいた当期利益をもとに税額が算定され、法人住民税は、法人税額に基づいて税額算定されます。

 そこで、定款により株主総会開催が3ヶ月以内に定められている場合は、法定申告期限の2ヶ月以内に申告書を提出することができなくてもしかたないですね、と、2ヶ月以内に税額を予納し、3ヶ月以内に申告書を提出できる申告期限延長制度があります。

 予納分と差額がある場合は、利子税がかかりますが、これは経費に落とせるため、万一申告書提出が困難な事故が起きた時の保険として、外部株主がない会社でも、多くの会社で延長制度が採用されています。

■消費税は申告期限延長不可

 ところが消費税については、決算にかかわらずその事業年度の課税売上と課税仕入で税額が定まるため、税額算定に株主総会承認の商法手続きは必要ありません。したがって、納税も申告も2ヶ月以内とされ、申告期限延長制度がありません。そのため、今回のような事故が起きるのでしょう。

■無申告加算税など税金の罰金-ペナルティのリスクを知っておきましょう。

 申告や納税が遅れた場合には罰金が課徴されます。もちろん経費に落とせません。

(1)納税の遅れについては、延滞税が、2ヶ月以内4.1%、以降14.6%課されます。

(2)例え1日でも申告書の提出が遅れると、無申告加算税が本税×15%(自主提出は5%)、追徴です。

(3)申告はしたけれど税務調査で税額が追徴になる場合、過少申告加算税として本税×10%。当初税額又は50万円超部分は本税×15%。自主的追加申告は加算税がかかりません。

(4)仮装隠蔽した結果、追徴を受けた場合の鬼より怖い重加算税は、本税×35%(無申告は40%)です。

(5)源泉所得税の不納付は、不納付加算税として本税×10%です。これは従業員からの預かり金の滞納として重い税率です。

 売上増大後の節税、税務調査、追徴課税でその後資金悪化して会社が転落するケースを散見します。

 納税や申告手続についてはくれぐれも注意して、適切な税務マネージメントで対応したいものです。
by expresstax | 2005-10-05 23:27 | 耳より税金情報