株式保有特定会社基準を大会社も50%に
2013年 04月 04日原告の名前をとって「吉野工業所事件」と呼ばれています。
国税が、どう対応するか、注目されていましたが、
4月2日に「財産評価基本通達」の一部改正(案)に対する意見公募手続の実施について」という
パブリックコメントが公表されました。5月1日が締切日です。
改正は、大会社の中・小会社並への判定基準変更です。
つまり、
大会社は株式保有割合が25%以上(中・小会社は50%以上)の場合には、
純資産価額(又はS1+S2の方式の評価額)で評価するとされている
現行の財産評価基本通達189を、
大会社も、中・小会社と同じく50%以上の場合に、
純資産価額(又はS1+S2の方式の評価額)で評価する、と書き換えることになります。
パブコメで「平成9年の独占禁止法の改正に伴って会社の株式保有に関する状況が、株式保有特定会社に係る評価通達の定めが置かれた平成2年の評価通達改正時から大きく変化していることなどから、」と書いている平成9年独禁法改正は、
「私的独占の禁止および公正取引の確保に関する法律」9条、
いわゆる「純粋持株会社」の解禁のことです。
そして、「株式保有割合25%という数値は、もはや資産構成が著しく株式等に偏っている」とはいえない
としています。
適用時期を、改正後の申告や更正・決定から、とあります。
前例にならえば、5月1日をパブコメの締切日として、その直後に改正することになるのでしょう。
ただ、今回の改正は、判決に伴う取扱変更です。
そのため、更正の請求期間までは遡って減額還付の請求ができるはずなんですね。
例えば、がちがち翌日5月2日で通達改正されたとして、 平成19年8月開始相続や贈与あたりまで
遡及できる可能性があります。
税務調査で株保有割合28%となって、多額の追徴を受けた
故田中角栄氏の相続までは遡及できないので、関係者さんの気持ちやいかに、ですね。