ありがとうございます。
それぞれ全く別案件なのですが、立ち退き、あちこちで進んでるってことでしょうか。
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まず、古くなった賃貸建物の建替えのために、賃借人に払う立退料。
これは、法人なら損金、個人なら必要経費で、オッケーです。
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所得税法基本通達37-23 (不動産所得の基因となっていた建物の賃借人に支払った立退料)
不動産所得の基因となっていた建物の賃借人を立ち退かすために支払う立退料は、当該建物の譲渡に際し支出するもの又は当該建物を取壊してその敷地となっていた土地等を譲渡するために支出するものを除き、その支出した日の属する年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する。
======================================== つまり、譲渡のため以外は、不動産経営上の必要経費だよ、と。
また、法人税では、次の通達のように、土地建物取得のためは取得価額だけどね、という
裏読みの構造になっています。
立退料って、一種の損害賠償金的性格だよね、
じゃ、損金じゃん、ということも覚えておくといいと思います。
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法人税基本通達7-3-5 ( 土地、建物等の取得に際して支払う立退料等)
法人が土地、建物等の取得に際し、当該土地、建物等の使用者等に支払う立退料その他立退きのために要した金額は、当該土地、建物等の取得価額に算入する。
======================================== 建て替えるので、一度壊してしまうための土地の取得価額か?とか、
建替える建物の取得価額か?とか、
ご心配なさっていたようですが、大丈夫です。
疑問のモトは、下の通達にあるように、土地を賃借人付きの古家ごと買って、立ち退かせて古家を壊して建替えた場合は、それって、そもそも土地を更地にするのが目的で買ってるんでしょ、ということで、
土地の取得価額とされることとの混同ですね。
注意ポイントは、取得からおおむね1年以内だと、取り壊し目的でしょ、
という「期間」がメルクマールとされていることです。
中古を購入して早々の建替えの場合には、当初からの購入プランがチェックされますね。
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所得税法基本通達38-1 (土地等と共に取得した建物等の取壊し費用等)
自己の有する土地の上に存する借地人の建物等を取得した場合又は建物等の存する土地(借地権を含む。以下この項において同じ。)をその建物等と共に取得した場合において、その取得後おおむね1年以内に当該建物等の取壊しに着手するなど、その取得が当初からその建物等を取壊して土地を利用する目的であることが明らかであると認められるときは、当該建物等の取得に要した金額及び取壊しに要した費用の額の合計額(発生資材がある場合には、その発生資材の価額を控除した残額)は、当該土地の取得費に算入する。
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はい、それでは、立退料を受ける賃借人側では、どんな課税になるでしょう。
まず個人の賃借人。
1.借家権の消滅の対価だから、総合譲渡所得。(所得税法基本通達34-1(7))
したがって、5年以下の借家だったら短期譲渡で、
50万円非課税引き後を短期譲渡所得で総合課税。
5年超だったら、50万円非課税引き後×1/2を長期譲渡所得として総合課税。
ただし、これは借家権が売買される慣行がある場合なんですね。
商業借家だとか、限られるハズです。
2.商売ストップだとか、事業上の補填だったら、事業所得・雑所得の収入金額。(所得税法基本通達33-6のかっこ書き)
3.上に該当しない普通の立ち退きだったら、一時所得。
つまり、経費を引いた利益から50万円非課税引き後×1/2を総合課税。
税金的には、一番、お得ですね。
一般のアパートの立ち退きなどでは、この3に該当します。
法人の受取立退料は、とにかく益金です。
というわけで、別々なご質問でしたが、
無事に立ち退き、進むといいですね。
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ゲンコー、ゲンコーと、ウンウン唸って書いてますが、
4.3万字+9千字+アルファで、まだ道半ばです。。。。。。
がんばります。
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見かねたのか、(>_<);;
事務所のNさんが、手作りシフォンケーキを作ってきてくれました。
ふっわふわシフォンケーキに、ちゃんとホィップクリームとソースまで準備してくれていました。
とってもおいしかったです!
ごちそうさまでした。ありがとうございました!