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資産税の税理士ノート

退職する人の源泉徴収票は離職票と一緒に、そしてお客様のバラ

 顧問先様の従業員さんが、退職することになりました。
 顧問先様は、雇用保険の離職票をお渡ししたりの手続きをなさっています。

 そのとき、辞める人の、今年の退職日までのお給料の源泉徴収票も、
 一緒に渡してあげてください。

 ☆  ☆  ☆
 
 転職して入社した人が、年末調整の時期になって、
 前職の源泉徴収票をもらってなくて、前の職場に請求しても、なかなか送ってもらえず、
 年末調整がみんなより遅れちゃう、なんてことが、しばしばあります。

 さすがに、離職票はさしせまってなので、発行しないなんてあり得ないと思いますが、
 源泉徴収票は、忘れがちなようです。

 とてもよく見る光景ですので、書きますね。

 これってバツなんです。

 バツは、その辞めた従業員さんがバツなのではなく、
 前職の勤務先さんがバツなんです。

 というのは、会社は、退職した人のその年の在職期間の給与の源泉徴収票を、
 その退職の日以後一月以内に、本人に交付しなければならない、
 とされているんです。(所得税法226条)

 税法では、1ヶ月以内とありますが、これは、給与の締め日や計算期間の都合など、
 余裕をみたアローアンスであって、
 基本的には、退職時に、とっとと渡しちゃうのが一番いいんです。
 退職時に、退職者本人に渡すものといえば、雇用保険の離職票などもありますね。
 退職金のもらえる人は、退職所得の源泉徴収票もいっしょです。

 これって、実は、源泉徴収票を渡す方の会社にとっても、合理的なんです。

 だって、従業員さんが退職するときは、給与担当者さんは、
 退職日までの給与計算をして、給与支払いをして、
 給与明細を渡したり、住民税の特別徴収の精算をしたり、するじゃないですか。

 そのとき、一緒に年間給与と年間所得税を計算して、さくっと源泉徴収票を作ってしまえば、
 同じお仕事の流れで、できてしまいます。

 それなのに、退職時に、わざわざ源泉徴収票「だけ」作らずにおいて、
 いざ、何ヶ月も経った後で、ご本人から、源泉徴収票くださ~い、と言われてから、
 あれ~、誰だっけぇ?とか言いながら、
 古い給与台帳や源泉徴収簿を引っ張り出して、
 給与ソフトを立ち上げて、という作業を、またぞろやらなくちゃいけなくなるわけです。

 時間の無駄!ですね。

 それに、ちゃんと退職時に渡しておけば、
 万一、退職従業員さんが、再発行して、と言ってきても、
 渡してますよね、と恩に着せて再発行してあげればいいですが、

 渡していないで、
 源泉徴収票を1ヶ月以内に本人交付しないのは、法律違反だ、なんて、
 元従業員さんが知ったら、
 新しい職場には気まずいでしょうし、 
 激怒もんでしょう。
 
 というわけで、退職者についての一連の手続きの中に、
 源泉徴収票の交付、必ず、入れておいてください。

 ☆  ☆  ☆

 お客様をご訪問しました。

 エントランスの花壇で、バラの花がお出迎えしてくれます。
 木立のバラですね。
退職する人の源泉徴収票は離職票と一緒に、そしてお客様のバラ_d0054704_23322058.jpg

















 大輪のバラも。丹精されていますね。すばらしいです。
退職する人の源泉徴収票は離職票と一緒に、そしてお客様のバラ_d0054704_23334891.jpg
by expresstax | 2012-05-30 23:49 | 所得税