2012年 04月 13日
消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書と簡易課税選択不適用届出書
消費税のかかる売上が、1千万円を切ることになって、
来年から、免税事業者、つまり、消費税の申告が不要になる場合のお話です。
この場合は、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を出すのですが、
消費税がかかるか、かからないかの判定となる基準期間(つまり前々年)の課税売上が1千万円以下なら、自動的に消費税は免税となります。
だから、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」を出さなくたって、
実害はないんですね。税務署さんがそのように扱ってくれます。
でも、まあ、ここは区切りなので、出しておくとする。
大事なのは次です。
消費税で免税になってしまえば、
過去に簡易課税制度選択届出書をだしていても、
関係ない、ことになるんですが、
事故が起きやすいのは、また課税売上が1千万円超になって、
課税事業者に復活した場合です。
課税事業者に復活するってのは、
事業展開上、設備投資しながら、経費をたくさん出して、ってケースが多いんですね。
にもかかわらず、過去に出していた簡易課税選択届がそのままだと、
あれー、課税仕入(消費税のかかる設備投資や経費)がたくさんあるのに、
原則課税だったら、税額が少なくなるか、どうかすると還付してもらえるのに、
機械的に、簡易課税ですね、はい、納税してくださーい、ということになってしまいます。
したがって、消費税の免税になったら、
ちょっと、ひと手間、先の、「消費税の納税義務者でなくなった旨の届出書」と一緒に、
「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」も、出しておくんですね。
そして、消費税関連の特例について、とにかく、いったんリセットをかけるんです。
そしたら、再起動したときに、新たに、んー、簡易と原則、どっちが有利かな~、と
選択できますからね。
☆ ☆ ☆
ことほどさように、
税務の届出書は、一度届出た場合、ずっとその届出内容が有効になる制度がほとんどです。
つまり、税務の選択制度って、ボタンを押したら、ずっと押しっぱなし、なんですね。
押したご本人が忘れていても、
税理士事務所さんも、担当者交代かなんかで、わかんなくなってたりしてても、
でも、国税さんは、しっかりデータベース化してますから、
あなた、過去に、この制度、選択してるでしょ、と、がっつり適用してきます。
逃げ道はありません。
なので、忘れないうちに、しっかり解除ボタンを押しておくことです。
☆ ☆ ☆
実は、独立開業当初、まだお客様がいなかった頃、(^^;;
アルバイトで、税理士損害賠償保険の事故査定のお仕事、やってた時期があります。(^^ゞ
本来は、弁護士さんや保険会社さんのお仕事なんですが、
賠償責任あり!となった場合に、
じゃ、その実損額っていくらなの?という計算は、税理士でないと、ちょっと大変です。
例えば、消費税過払いがあった、だから賠償事件なんだけど、
でも、その過払い分を過払いしてなかったとしたら、
法人税は増えるはずで。
さらにその年の事業税が増えて、
その翌年は事業税が損金となって、法人税は下がるわけで。
そんなうじゃうじゃした計算を、やるお仕事です。(>_<)#
(今はやっていません。(^^;;ゞ)
その際の保険事故に、この
簡易課税の取りやめ忘れ
→忘れたまま、原則課税のつもりで消費税申告やっちゃう
→国税さんから、ダメ出し
→その責任は税理士でしょ!
という案件が、とってもとっても多かったのです。
☆ ☆ ☆
将来のことはわからないのだから、一度、リセット。
するようにしてください。ね。