がん保険の全額損金算入についてのパブリックコメントは29日まで

 知り合いの保険のプロから伺った話です。
 
 これまで法人が加入する終身のがん保険は、払込保険料の全額を損金にしていいよ、とされていました。(平成13年8月10日付課審4‐100「法人契約の『がん保険(終身保障タイプ)・医療保険(終身保障タイプ)』の保険料の取扱いについて」(法令解釈通達))

 全額損金OKということは、保険料100を払って、法人税が40少なくなれば、実負担60で保険に入れちゃう。
 でも、一定期間過ぎれば、80の解約返戻金が戻るとなれば、
 結果的に60の投資で80がゲットできる、
 解約返戻金の元本への回復度合いが100に近くなり、さらにそれを超えれば、
 支払時の「節税」と資産運用が同時にできちゃう、という触れ込みです。

 もちろん、解約返戻金は、今度は全額課税なので、返戻率が100でも、
 △100+40+100-40=ゼロサム ですから、
 いわば、課税の繰延なんですね。
 今から一定期間だけ、利益が上がっちゃってさあ、という会社にはよろしいのですね。
 それに、将来法人税率が下がれば、今、課税受けるより、ちとばかし、トクです。

 ところが、この2月29日に、国税庁さんからパブリックコメントが出されたそうです。このパブリックコメントとは、制度改正に先立つ国民への意見募集制度をいいます。

 このパブコメでは、改正案を提示して、意見を募集してます。
 こう改正したいから、1ヶ月期間をおくからさ、意見のある人は言ってね、
 で、1ヶ月経過したけど、特に、反対とかないよね、じゃ、改正するよ~、と、
 改正を行う、という流れです。 
 今回の改正は、あさっての3月29日を持って締め切るんだそうです。

 んで、プロ達が心配してるのは、4年前の平成20年2月に、
 逓増定期保険の「節税」規制が、
 全く同様のプロセスで実行されたからなんだそうです。
 
 今回のパブコメに出ている改正案をみますと、
1.これまでのがん保険に係る通達の取扱いを廃止し、新通達を発遣。
 終身型がん保険などについて、前払いの期間等に応じて、1/2損金(1/2は資産計上)などに。

2.平成○年○月○日前の契約に係る「がん保険」の保険料については、なお従前の例による。
 
  つまり、全額損金の扱いはなくすよ、
  でもそれは、Xデー以降の契約の場合で、これまでの契約には遡及しないよ、
  だから駆け込みオッケーさ、ということのようです。

 で、問題のXデーって、いつ?といえば、パブコメ締切後、1~2ヶ月か、
 つまり、早くて3月30日、あるいは4月末とかではあるまいか、とのことです。

 3月30日だと、パブコメ締切の翌日に電光石火となるので、そりゃないだろーとも思いますが、この現行制度を使いたい方は、せめて4月くらいまでには、駆け込まなくちゃ、ということだそうです。

 いくつかの生保会社は既に販売停止や自粛に入っている一方、、
 主に、カタカナ(つまり外資)生保さんが、販売しているそうです。

 このがん保険は、最後の節税商品みたいに言われていたので、ラストチャンスになるとの
 うたい文句ですが、さて。
 ご関心のムキは、お尋ねください。
 あ、弊社は募集代理店や紹介料ビジネスは一切行っていませんので、あしからず。(^^ゞ 

 ところで。
 そもそも、なんでこの保険だけが、全額損金できてたんだろーねー、
 いや、やはり、癌という現在の国民的課題に対する政策的支援ではなかろーか、とか、
 事務所で、議論していたんですが、

 生保のプロによれば、ただ、平成13年通達が形式的に適用されてただけで深い意味はない、
 とのことで、政策的温情、とかじゃなかったそうです。はい。(^^);; 
by expresstax | 2012-03-27 23:21 | 法人税

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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