資産税の税理士ノート

スキー&スノーボード2004-2005

復興増税は30日成立?そして、譲渡制限株式の譲渡承認決議

 財源確保法案(復興増税法案)が、明日30日、参議院成立見込みだそうですね。

 ☆  ☆  ☆

 自社株贈与の案件が続きます。

 旧有限会社の場合の新株主への贈与や、株式会社でも中小企業の株式贈与では、
 通常は、譲渡制限株式となっているはずですから、
 会社の譲渡承認を得なければなりません。
 監査役様がいるなど取締役会設置会社の場合は、取締役会での決議が必要です。

 社長様が、お孫様に株贈与をしようとする。
 ただ贈与して、贈与契約書をつくって、贈与税申告するんじゃダメなんですね。
 この会社の譲渡承認請求手続きが前提です。

 贈与は、当事者同士の、あげるよ、いただきます、ありがとうございます、で成立しますが、
 おっとどっこい、会社で譲渡承認を得て、株主名簿の書き換えがされないと、
 株の移転にはならないんですね。

 でも、これって、贈与の本旨からいってもとても重要なんです。

 だって、当事者同士だけで、あげるよ、ありがとうございます、ったって、

 他の役員さんたちが、例えば社長が亡くなった後で、
 え゛っ、あの孫に株式がそんなに移ってたの? 聞いてねぇよ!
 と、モメちゃう可能性があります。

 贈与が有効か無効か、カンカンガクガクやったあとで、
 贈与は有効だったと、渋々、落着したとしても、
 不協和音と不信感てんこもり状態での相続手続きに突入するならば、
 社長亡き後、一枚岩でがんばらなきゃならないはずの会社が、
 崩壊しかねないことになります。

 そこで、贈与時の取締役会ですね。

 社長様から、会社法136条に基づいて、
 贈与するぞ!いいな!と、高らかに宣言 譲渡承認請求していただいて、

 でも、株をもらえない他の役員が、ハンタ~イ!と叫んだとします。
 この譲渡承認決議には、贈与者や受贈者は利害関係人として決議に参加できないんです。
 んで議案不成立となりそうな気配。

 と、社長は、会社法140条に基づいて、
 んじゃ、会社が買い取れっ、とか、買いとる奴を指定しろっ、とか
 恫喝する 請求することができるんですね。

 自社株買い、つまり金庫株買い取り、これは時価純資産価額で計算した株価になりますから、結構高額、
 そしてこれを決めるのは株主総会ですから、株主が足踏みしても不思議じゃないですし、
 誰かが手を上げて買い取るとすると、個人資金が必要。

 社長の希望する孫だったら贈与でもらえるのに、
 反対する自分は、お金を出して買わなくちゃならない。

 この差は大きいですね。

 株式譲渡承認といいいつつ、実は、承認しないのって、なかなか大変です。

 そもそも、この譲渡承認規定って、
 外部勢力の侵入から会社が団結して防衛するための制度なので、
 ウチウチの移転を押さえるようには、設計されていないんですね。

 というわけなので、いい機会ですから、
 贈与についても、
 きちんと取締役会の承認を得るというオープン手続きによる「見える化」を図ることで、
 その後のご親族の一致団結経営と事業承継の円滑化ができるようにいたしましょう。
 ね。
by expresstax | 2011-11-29 23:49 | 法律
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税理士飯塚美幸のひとことメッセージ
by expresstax
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 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

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