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資産税の税理士ノート

デビ夫人の税務訴訟

 デビ夫人の税金のブログです。

私は日本を去ります! 原発の為ならず、 日本の追剥のような税務署の為に」

 渋谷税務署の所得税更正処分に対し訴訟を起こし、その敗訴が決まりそうだとのことです。

 争点は、判決をみないと、ブログの文章だけではわかりにくい部分もあるのですが、

1.インドネシア国籍だった夫人は、非居住者として2割の源泉徴収を受けてきたが、
  所得税法では居住者なので、国内源泉所得について、居住者としての課税として更正、

2.イブラ財団というデビ夫人がNYで設立した若手音楽家育成チャリティのコンサート開催費用を
  所得控除として認められなかった。(2001年、2002年のことのようです。)

3.当時は、高額納税者の公示制度があったため(2005年に廃止)、品川税務署は、
  修正申告して公示されてしまうと困るでしょうと、公示対象にならないように、
  更正を打った。

4.夫人のパリのマンションは、大統領夫人という身分の政治的保護のために、
  ペーパーカンパニーであるパナマ会社の名義だった。
  そのマンションを売却し、フランスで法人の譲渡税33.5%を払い、
  税引き後、弁護士費用等の残りを、日本の夫人の個人口座へと送金、
  3年後、渋谷税務署の調査で、法人からの配当であるとして、
  日本の配当所得課税(総合課税、最高税率50%)を受けてしまった。

 ということのようです。

 分解して見ると、

1.デビ夫人は、居住者と認定されたのでしょう。
  
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所得税法第2条(定義)第1項三号 居住者 
 国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人をいう。

所得税法施行令第14条 国内に住所を有する者と推定する場合
1.国内に居住することとなつた個人が次の各号のいずれかに該当する場合には、その者は、国内に住所を有する者と推定する。
一 その者が国内において、継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有すること。
==============================


2.日本での寄付金控除の対象は、限定的で、イブラ財団は、その対象となっていないため、
  所得控除の対象とならず、かつ、事業でもないため、個人費とされたのでしょう。

3.品川税務署が気を利かせて、公示にならないように、更正を打ったようですが、
  その意図は、デビ夫人には理解されず、そのことも夫人の憤慨の原因になったようです。
  更正なので、デビ夫人は、不服申立をすることもできたのでしょうが、
 「修正申告の慫慂(しょうよう=勧奨、誘導)」と混乱して受け止めたフシもあります。

 と、ここまでは、過年度のことなので、今回の訴訟には争点として上っていないでしょう。
 居住者か非居住者かの認定の背景は、判決を見てもでていないでしょうから、
 何ともいえませんね。

 今回の判決の争点は次ですね。

4.在外法人が所有資産を売却して現地国の法人税を払い、
  その後の法人内部留保の資金を株主に分配するのは、まさに配当所得なのです。

  法人名義口座へ送金していれば、と言われたような表現もありますが、
  夫人は、現地国の法人は、ペーパーカンパニーであり、実質自分の個人資産だと
  主張したのでしょうが、容れられなかったようです。
  個人資産と認められれば、フランスで売却し、現地国納税し、
  日本での申告で、外国税額控除を受けるということができたでしょうが、
  日本では、法人格否認というのは、逆の意味でも、なかなか認定されにくいようです。

  法人所有資産の処分をして、資金を個人に戻す際に、起きがちな問題です。

 ☆  ☆  ☆

 こうしてみると、夫人も自ら書いているように、
 知らなかった(=「法の不知」)ことに、原因がありそうで、大変残念です。

 わからないぶんだけ、混乱し、つらく、口惜しい思いをされているのでしょう。

 (1) 立場・身分を斟酌した、法の不知についての救済の余地はなかったか、
 (2) 立場上、外国税制や日本の非居住者税制が絡む人なので、
    税務専門家から適切な助言を得るべきではなかったか、
                          と、考えてしまいます。

 ただ、一方、芸能人や政治家先生、学者先生の
 「知らなかった」税金問題が、後を絶たない実態を見ると、
 「救済」というのも、難しいのかもしれません。

 残念ですね。

 え、もし税務専門家が関与していたとしたら?
 
 何をか言わんや、です。
 不幸なことですね。 
by expresstax | 2011-04-19 23:41 | 税務手続き