論点になりそうなところや、
申告上の数字だけでは理解しがたいだろう部分については、
弊社は、徹底してエビデンスとともに、説明書を付けてしまいます。
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税理士法の33条の2に、書面添付制度というのがあります。
これは、所定の書式に、説明文書・データを添付する趣旨となっていますが、
弊社が添付するのは、この書面とは違い、
あくまでも、お客さまと税理士の立場からの説明文書です。
意見書と呼んでもいいかもしれません。
以前、書面添付することで、税務調査が来ない、という専門家による講義がありました。
でも、お話を聞いてみると、実質、税務調査を税理士がやってしまうような、
すさまじい内容でした。
それが、書面添付制度の本旨とも、到底思えず、
それで税務調査が来ないからといって、
お客さまは、喜ばれるだろうか、と疑問に感じたことがあります。
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税務の、特に資産税の分野では、明らかに解釈や取扱が成立している分野なんて、
半分もありません。
どこにも書かれていない、個別性の強い、事案本位の判断によらねばならないことがとても多いのです。
いわゆるグレーゾーンです。
これを、ブラックと見なして、税金を払いすぎる方向で申告するなど、
お客さまは望まないでしょう。
事実に即して、総合的に的確に分析し、理論建てをする作業が必要です。
申告書に添付するのは、この理論建てをし、判断を提示するための説明文書です。
もちろん、我田引水の牽強付会な「ヘリクツ」を付けても、意味はありません。
過去、こうした説明書を、きちんと添付することで、
お客さまの税務申告に対して、国税さんからも高い評価を受けてきました。
これまで記録してきた税務特例100%是認、重課事案ゼロの実績も、
税務調査自体が、とても少なかったことも、
その結果だと思っています。
ずいぶん前に、あるご相続申告の税務調査のときに、
調査官さんから、
「先生の申告書は、論文集のようですね。」と言われたことがあります。
もちろん、それで調査は終わりです。
その後、その調査官さんは、国税の審理に進まれ、大変な理論家として活躍されました。
良い思い出です。
そんな国税さんとの触れあいと、理解と、お互いのリスペクト=尊敬を創り出すのも、この説明書です。
作り上げていく過程で、お客さまと議論が進み、
事実関係や、歴史、実情、想いなど、深く伺うなかで、
さらに、お客さまとの信頼関係も深まります。
そんな気持ちで、1枚、1枚、説明書を作成していきます。