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資産税の税理士ノート

平成17年7月13日 NO.252 前払地代方式定期借地権の財産評価を公表

 前払地代方式の定期借地権契約方式は、借地権者は一括前払地代が連年経費化でき、地主は一括前受地代を分割収益計上となり税率が平準化され、法人税課税・所得税課税に有利な取扱となることが確認されていました(平成17年1月7日付照会通達、エクスプレス情報平成17年1月18日号参照)。
 
 それでは、個人地主さんが土地を貸した場合のその後の相続税はどうなるのか気になるところでしたが、平成17年6月28日付国土交通省からの照会文書への国税庁課税部審理室長の回答通達が公表されました。
 
1.前払地代方式の定期借地権は、権利金と同様に財産評価。未経過分は評価不要

①借地権者の定期借地権の評価
 =自用地×{(権利金+経済的利益+前払地代)÷設定時時価}
              ×残存期間複利年金現価率÷全期間複利年金現価率
   要は相続時評価額×時価に対する権利金割合です。

 時価1億円の土地を借り、50年分前払地代6千万円を払った場合の設定直後の借地権評価は、
 相評8千万円×(一時金6千万円÷時価1億円)×(複利年金現価率35.0÷35.0)=4,800万円です。
 
②前払賃料の未経過分地代 別個に債権として評価しない。

 もしすぐ中途解約すれば、6千万円が戻りますが、財産としては評価しません。
 
2.前払地代方式の定期借地権住宅の底地の相続税評価は従来通り、未経過地代は債務控除不可 

①底地の相続税評価=自用地-(一括前払地代を権利金とした定期借地権の価額)

 ただし、
 ⅰ)残存期間15年超は80%、10年超は85%、5年超は10%、5年以下は5%を上限
 ⅱ)住宅用一般定期借地権底地は、住宅地60%、商業地55%などを基礎に算定
 
②前受地代の未経過分は、相続時債務控除不可

 借地契約の存続を前提とする限り返還を要せず、「確実と認められる債務」ではないからです。
 
 この点、底地売却の際は、契約書での未経過地代の債務承継条項との平仄が気になります。
 
3.一括前受地代の経済的利益は、各年の不動産所得に計上不要 

 保証金を預かった場合、運用益相当額を経済的利益として不動産所得とされますが、一括前受地代方式の場合は、返還不要の一時金であるため、毎年の不動産所得に計上する必要はありません。
 
4.一括前払地代は借地権取得対価ではないため、住宅ローン控除・資金贈与特例の適用なし 

 借入により一括前払賃料を支払って定期借地権住宅を取得しても、前払賃料は土地の上に存する権利の取得の対価に該当しないため、

 ①住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
 ②住宅取得資金贈与特例
 ③特定住宅譲渡損失の繰越控除特例等、       各住宅税制の適用がありません。
 
 支払う借地人さんは、住宅地代は家事費で経費にも落とせず、ほとんどメリットが受
 けられません。
 
5.個人地主の相続税は増税に? 

 地主のAさん。固定月一括前払地代6千万円で時価1億円の土地をB社に貸し、50年定期借地権とします。
 直後にAさんに相続が起きた場合には、定期借地権設定前の土地相続税評価8千万円でありながら、定期借地権設定後の資産は現金6千万円+底地3,200万円、債務控除ゼロですから、差引課税価格は1,200万円増加。相続税は増税です。 
 一方、未経過賃料6千万円は解約があれば返還しなければなりません。
 
 これは悩ましいことですが、なんといっても一時金現金は魅力です。
 増税でも、前受地代を多額に受け、分割収益化による課税平準化と無利息一時金の運用で資金確保ができれば安心でしょう。
 
6.相続の心配な個人地主さんは?
                     ここから先は、エクスプレス情報で
by expresstax | 2005-07-13 23:36 | 耳より税金情報