審査事例の公開情報とTAINS、そしてサルスベリ

 税理士さんからのご質問です。

 国税不服審判所の審判事例については、全部公表されているのですか?
 公表されているのなら、どうやって調べたらいいですか?

 というものです。

 答えは、残念ながら、公表されているのは、一部のみです。

1. 公開されているのは、まず、国税不服審判所が公表している裁決事例集です。

 公表裁決事例集http://www.kfs.go.jp/service/index.html
 として、まさに「サービスで」公開されているものです。

 このページに書かれているように、
 「納税者の正当な権利利益の救済を図るとともに、税務行政の適正な運営の確保に資するとの観点から、先例となるような裁決については、「裁決事例集(冊子)」を作成し公表しています。」としています。

 つまり、この公開裁決は、あくまでも、先例となる裁決がピックアップされているだけで、全部ではないのですね。

 とはいいつつ、全文がTAINS(税理士情報ネットワークシステム)に登載されます。

 ただし、判例と違い、納税者や関係者名・社名などは、表示されず、
 本文においても、全部「甲」や「X社」など、伏せ字になります。

2.もうひとつは、審査請求に関わった税理士先生たちが、あえて情報提供として公開しているものです。

 審判所の公開によらず、審査請求の当事者である納税者さんの意向を汲んで、弁護士先生・税理士先生たちが公開して下さるのです。

 これもTAINSに登載されます。

3.情報公開法に基づく請求によるもの
 
 上記だけでなく、情報公開法に基づく請求で事例が入手されることもあります。
 これも、TAINSのデータベースに載ります。

 ☆  ☆  ☆

 つまり、公開されている審判事例については、全部ではないにしても、いずれも、
 TAINSを検索することで、ちゃんと入手できるのです。

 TAINSは、税理士会が、莫大な資金と長年の苦闘の末に構築した、日本に誇るデータベースです。
 他の士業には、これだけのデータベースはない、と聞いています。

 有料ですが、税理士であれば、誰でも入会でき、アクセス資格を持ちます。
 ぜひ、有効に使って下さい。

 ☆  ☆  ☆
 
 ところで、公開裁決で、何を調べるのですか?とお尋ねしましたら、内緒、とのことでした。

 うーん。

 もちろん、ご事情はおありでしょうが、
 何かを知ることによって何かの解決を図ろうとしたら、
 その解決プロセス自体をオープンにしたほうが、
 知恵が集まり、ブレーンストーミングが可能となり、問題解決は、最加速で進むものです。

 ひとりで抱え込むことによっては、知恵は発展しにくいものです。

 TAINSの素晴らしい成長も、
 また審判や裁判での納税者勝訴の多くの実績も、
 先生方のお知恵を、総結集したればこそだったのです。

 そんな知恵と情熱のダイナミズム。
 ご質問の先生に、いつか体験していただけるといいなあと、思いました。 

  ☆  ☆  ☆

 中庭のサルスベリです。
 熱い陽射しのなかで、淡いピンクの花に安らぎますね。
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by expresstax | 2010-08-03 23:18 | 研究

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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