その最終回。
6千億円の富豪の相続を間近に、脱税屋が、相続税を消す仕掛けに入ります。
富豪の危篤に合わせて、6千億の資産から、
5,800億円を使って、ボリビアの石油採掘会社の株式をNY市場で購入、
ボリビアの地元マフィアを使って、その会社の油田を爆破、
採掘会社の株価は暴落、2,900億円だったはずの相続税が27億円に、
採掘会社の株価はいずれ回復し、資産は復活、
その後、換金化、という筋立てです。
http://www.nhk.or.jp/dodra/chase/special/scheme05.html" target="_blank">http://www.nhk.or.jp/dodra/chase/special/scheme05.html
相続税の申告がむちゃくちゃ早かったり、
あまり税理士さんが助言した様子のないドラマ展開ですが、
それでも、現在の日本の相続税制の株式評価では、
相続日の市場終値と、当月、前月、前々月の終値の平均の、一番低い価格で評価するので、
刑法上、金商法上や、NYSEでの扱いはともかく、
相続の日に、株価が暴落していれば、相続税だけを考えれば、理論上はアリ、です。
ここで思い出すのは、イギリスの大金融ファミリー、ロスチャイルド家の相続です。
===========================引用開始
「1949年6月30日にパリ証券取引所で一つの事件が起こりました。
その日、何の理由もなく、
リオ・チント・ジンク、ロイヤル・ダッチ・シェル、ル・ニッケル、デビアスという4大銘柄が、
一斉に大暴落したのです。
原因はギイ・ロスチャイルドの父エドゥアールが81歳で死去したことにありました。
パリ・ロスチャイルド銀行の主だったエドゥアールとはいえ、
この高齢で実業に関与しているはずもなく、無関係なはずだったのですが、
彼の死去と株価は遺産相続人にとって重大な関係を持っていました。
遺産にかかる相続税のうち、エドゥアールが保有していた株への課税は、死亡時の証券の時価によって算定されるからです。
4大銘柄はロスチャイルド株であり、一族が持ち株の価値を暴落させることによって、
遺産相続にかかる税金が大幅に抑えられたのです。
翌日には、一族が買い戻し、株価はたちまち回復しました。」
================= 阿部芳祐「ロスチャイルド家」より
いずれも、大富豪が、、自らの資金力をつかって、市場株価を操作して、巨額な相続税を回避します。
巨大な資金力や市場操作性を有するが故に、採りうる策なんですね。
NHKドラマは、相続税脱税スキームが、違法性バリバリなのに、
査察官が、手を出せない風に展開していました。
面白いテーマだっただけに、劇画調で終わってしまったのは、残念ですね。