2010年 05月 05日
買換え特例の修正申告の加算税・延滞税は、税務署さんのミス
税務署さんから、ヤンヤの電話で、おおわらわでした。
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何のことかと言えば、不動産譲渡をした場合の、買換特例のお話しです。
特定資産買換や居住用財産の買換特例など、
買換特例を適用して、譲渡税を繰り延べることができます。(租税特別措置法37条、65条の7)
ところが、譲渡して、その年の内に、買換えで資産取得できない場合には、
法人税は、特別勘定を設定して、
所得税では、買換取得資産を取得見込みとして、
見込み価格で買換があったものとして、課税を繰り延べます。
通常は、最大額を見込み価格として計上して、当面の税負担を最小とします。
ここで、実際に買換がなかったとして、先に課税を受けてしまうと、
買換資産の取得ができなくなってしまうからです。
法律上は、譲渡年の翌年末までに買い換えればOKなのです。
これは、翌年末に契約ベースでもOKです。
さて、こうして、いったん課税繰り延べしたものの、
結局、翌年末までに買換資産の取得ができなかった、
あるいは、買換資産の取得をしたけれど、見込み価格に達しない場合。
そのときは、当初申告通りでの課税繰延ができませんから、
修正申告書を提出して、繰り延べできない税金を追加納税することになります。
ここで、罰金、つまり、過少申告加算税や延滞税が生じるようですと、
それはリスクとなりますので、
うっかりと買換特例を適用することができなくなります。
しかし、買換特例の場合の買換差額の修正申告については、
加算税も延滞税も、かからないのです。
なので、適格な譲渡をした場合、
買換予定がなくても、買換特例を適用して、
納税負担を先送りする選択肢さえあるのです。
高金利時代なら、これだってバカにならないからです。
☆ ☆ ☆
それはさておき、では、買換不足の修正申告をすることになったとして、
その修正申告は、法人税の場合は、翌事業年度の確定申告に組み込みますが、
個人所得税の場合は、翌年末の取得期限から4ヶ月以内なんです。
つまり、個人の場合は、必ず、4月末が修正申告期限といえるのです。
でも、昨年末までの買い換えの結果は、昨年末で決まったのですから、
どんどん計算に入ることができます。
もちろん、弊社は、この期限まで、担当者さんによっては、確定申告などと一緒に処理してしまって、
お客様からご捺印をいただいて、
とっとと進めているお仕事です。
と、あろうことか、税務署さんが、間違って、修正申告について、
加算税や延滞税を賦課して、納付書をお客様に送付しちゃったりするんですね。
それも、しばしば。(困)
罰金はかかりませんよ、と弊社から説明を聞いて頂いていたお客様は、
かかったじゃないか!とお怒りになるでしょうし、
素直な(?)お客様は、すんなり、納付しちゃいますし、
その場合は、過誤納還付を受けなくちゃならなくなりますし、
いやはや、大変なんです。
そして、今回も、税務署さんのミス、ありましたですね。
1件は、税務署さんから、気づいてこちらに電話がきました。
資産税統括官さんから、御直々の謝罪です。
素直に納めちゃったお客様に、どうしますか?とお聞きすると、
「たいした額じゃないからいいですよ、ミスは誰でもありますから」と
大らかにおっしゃいます。(ほんとうに弊社のお客様は、お優しいです。。。)
そうはいかないので、当然、最速で還付してもらいますが、
統括官さん、平身低頭です。
今は、税務署さんも、課税処分について、会計検査院のチェックを受けますから、
きっと大変なことなんだろうと思います。
この買換特例の修正についての、加算税の賦課ミスは、
けっこうあり、弊社でも、過去、何度も経験済みです。
このあたりの、税務署さんのチェック体制って、
会計検査院云々以前に、初動段階で、
何かシステムにできないものかと思うのですが、
どうなのでしょうか。
弊社としては、今後もさらに、
買換特例適用のお客様に、税務署さんから納付書が来ても、
絶対に納めないように、と、徹底しなくちゃです。
と、春のゴールデンウィーク中の、ゴールデンでない事件でした。
皆様も、くれぐれもお気をつけて。