とても多いご質問です。
概ね、次のように決めます。
1.契約に、土地価格と建物価格が区分表記されていれば、その通りに。
もちろん、固定資産税精算金などがあれば、それも加味します。
2.平成元年以降の契約ならば、消費税が表記される場合があります。
売り主さんが、法人さんや個人事業主さんのような場合です。
これは建物に付けられた消費税ですから、これを割り戻すと、建物価格が出ます。
建物価格=消費税額×105÷5 ですね。
残額が土地価格です。
3.固定資産税評価額の比で按分します。
土地の固定資産税評価は、固定資産税路線価で、建物は、建物の再建築価格で評価されているのですから、
この比で算定するというのは、ドルと円を合算するようなもの、合理性は、ないと思うのですが、かなり使われてる方法です。
固定資産税評価額が、個別の土地・建物に付されている唯一のオフィシャルな評価額だからということでしょうが。
4.建物価格から算定
国税庁が出している「建物の標準的な建築価格表」から、建物価格を算定、その後の減価償却費をマイナスして算定します。
残額を土地とします。
5.土地価格から算定
土地の路線価から財産評価を行って、近隣の公示価格比準により、土地を算定。
残額が建物とする方法です。
☆ ☆ ☆
1と2以外は、契約書に明記されず、自分で算定して、譲渡所得申告や、減価償却計算をすることになります。
不動産取引が事前に分かっている場合には、
極力、契約書に区分を明示していただくよう、お願いしています。
建物価格が大きければ、減価償却費が高くとれるので、不動産経営上は、有利でしょう。
相対的に土地価格が低ければ、
将来売却する際に、現在施行中の1千万円特別控除が生かせることになります。
売り主さんが、法人や事業者さんである場合は、建物価格が大きいと消費税負担が増大します。
買い主と売り主では、建物価格を巡って、綱引き状態になるかもしれませんが、
そこが市場取引です。
綱引きの結果の価格であれば、それが適正価格と見られるでしょう。
契約書に明示していただく意味はそこにあります。
明示されない場合は、3~5の方法で計算しつつ、価格決定することになりますが、
売り主さんと買い主さんが、自分に都合のよい価格を設定して、バラバラの価格で申告して、
同一所轄税務署だったら?なんて疑問も出てきそうです。
申告の時になってあわてて算定、よりも、
契約前から、相手と打合せ、交渉、契約書に明記!
の方がより前向きで、スッキリと取引、安心して申告、できることになります。
先手必勝です。
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アークヒルズの歩道橋から撮りました。
もう、桜しか見えません。