資産税の税理士ノート


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ
by expresstax
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修繕費100万円の都市伝説

 不動産の業界新聞の記者さんから取材を受けました。
 不動産オーナー様の確定申告での注意点についてです。

 そのなかで、多くの税務専門家が、
 100万円以上の修繕は、資本的支出として計上しなければならないと、
 お客様を指導しているというお話がでました。

 もちろん、そんなことは、税法では一切、規定しておらず、
 取扱もどこにもないので、
 なぜ、そんな「説」が飛び交っているのか、
 不思議な話で、びっくりしました。

 修繕工事をしても、 
 その工事の内容により、
 20万円未満は、形式基準で、修繕費OK、
 越えた場合は、明らかに資本的支出でないかぎり、
 その内容判定で、修繕費と区分していきます。

 特に、外壁塗装や、原状回復、修理補修は、
 それが、5千万円であろうが、1億円であろうが、
 どんなに高額でも、全額が修繕費です。

 にもかかわらず、100万円以上なら資本的支出とは?

 費用でしかない修繕費を、資産に計上して、50年償却するなど、不合理極まりない話しです。
 会計上は、架空資産の計上になってしまいます。

 記者さんの話しに、しばらく首をかしげましたが、
 あ、と思いつきました。

 法人税でも、所得税でも、税務調査で、調査官が元帳通査をして、
 100万円以上の工事をピックアップして、
 納品書や見積書など、エビデンス(証拠書類)提示を求めることは、よくあります。
 抽出調査といいますが、多額なものだけ、チェックをかけるわけです。
 
 そして、その工事内容が、原状回復であったり、補修工事であったりを、確認して、
 確かに修繕費ですね、と確認するのですね。

 もしや、税務専門家は、
 この税務調査時のピックアップ対象のラインである100万円を、
 否認のラインと誤解して、
 あるいは、「疑いを掛けられる」と怯えて(?)、
 とにかく資産計上すべし!と指導してしまっているのでしょうか。

 もしそうなら、困ったことです。

 どんな税務調査官も、100万円以上というだけで、資本的支出だとは、認定できません。
 また、私が立ち会ったこれまでの調査で、
 そんなバカな認定をしてきた調査官は、一人もいません。

 いやはや、とんでもない都市伝説です。

 お客様を守るべき税務専門家の、守りの薄さに、ちょっとがっかりして、
 記者さんに説明をしました。

 記事でとりあげていただいて、
 ひとりでも多くのオーナー様が、
 得体の知れない都市伝説に振り回されることなく、
 適正な申告をしていただけるように、祈るばかりです。
by expresstax | 2010-03-03 23:25 | プロフェッショナル
自己紹介
税理士・中小企業診断士

東京都港区元赤坂一丁目
松木飯塚税理士法人
ホームページ http://mi-cpta.com
電話 03(5413)6511

 相続税・資産税コンサルティング・税務対策・税務申告代理・税務調査立会・売上倍増指導・ 相続人様の精神サポート・後継者教育・税制改正分析・講演・著作

 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

 "Always Keep Faith"。
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