法人税申告書や所得税確定申告書はもちろん、
過去のご先代様から承継されたときの相続税申告書も、拝見します。
と、そのときに、おや?と思うことが少なくありません。
申告書を拝見していて、
ここは、こうしたら良いのに、これはもったいない、というポイントが、
ほぼ必ずあります。
その中でも大きいのが、相続税の申告書です。
そして、時々目にする「おや?」に、ご商売会社さんの小規模宅地の特例適用があります。
あまり、しばしば目にするので、なぜなんだろうと考えてみました。
ご先代がお持ちの土地に建物を建て、
その一部を、ご商売(不動産貸付業等以外の事業)に使ってらした場合には、
これは特定事業用宅地として、400㎡まで8割減額可能です。
これと類似しているのが、ご親族経営の不動産貸付業以外の事業の同族会社が使っていた場合。
この場合も、条件さえ合えば、400㎡まで8割減額可能なんですね。
条件は下に書きますね。
ここで、注意しなければいけないのは、
ご先代様の土地や建物を、同族会社が賃借していることが必要なんです。
つまり、会社がタダ借りしていたら、それはご先代様にとっては、「事業」ではなくなってしまうからです。
ということは、つまり、反対に見れば、
ご先代様は、同族会社に土地や建物を賃貸しているので、
その宅地そのものは、貸地や貸家建付地として、まず評価され、
そのうち、ご商売の家業(不動産貸付業等以外の事業)経営の同族会社に賃貸している地積について、
同族会社事業用宅地として8割減になるのです。
ここが、税理士先生たちの落とし穴ポイントなんでしょう。
ご先代様所有の該当地を、まず貸付用不動産として評価するために、
短絡的に、貸付用宅地等として、200㎡まで5割減として扱ってしまうのですね、きっと。
400㎡まで8割減と、200㎡まで5割減では、税負担は天地の差です。
その後の、相続人様の人生さえ、違ってしまいます。
で、結果、あーもったいない、ということになります。
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特定同族会社事業用宅地等の要件
1.相続開始直前に被相続人及びその親族その他被相続人と特別の関係がある者が発行済株式の総数又は出資の総額の50%超を有する法人の事業の用に供されていた宅地等
2.その宅地等を取得した人のうちに次の要件のすべてに該当する被相続人の親族がいるものをいいます。
①相続税の申告期限においてその法人の役員であること。
②相続開始時から相続税の申告期限まで引き続きその宅地等を有し、引き続きその法人の事業の用に供していること。
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こう考えてきて、税理士先生たちの、思考回路が読めてきました。
これは、気をつけたいところですね。
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事務所での、メンバーのお誕生日祝いです。
私は、ご一緒できなかったですが、おめでとう!