資産税の税理士ノート

スキー&スノーボード2004-2005

未分割財産の譲渡の荒芸

 ご相続財産の譲渡のご相談です。

 相続不動産の売却が進展していますが、
 遺産分割は、まだまだ整いません。

 しかし、この時期、売却のタイミングは、それ以上に重要。
 有利な譲渡のタイミングを逃してしまっては元も子もありません。
 手取り資金がどうなるのかは、遺産分割にダイレクトに影響します。

 また、例えば、相続人の誰かが、その不動産に居住していたような場合は、
 譲渡税の計算上、居住用財産の譲渡特例が適用できるかどうかは、
 その財産がどう分割されるかにより、決まりますから、
 手取額は、さらに劇的に変わります。

 こうしたことは、とてもよくあります。

 では、分割取得者が確定していない財産、つまり、未分割の財産は、
 売却できないのか。

 可能です。

 ただし、いったん売買契約書上は、法定相続分での売買契約になります。

 では、その譲渡税申告はどうなるのか。

 国税の取扱では、所得税の確定申告期限までに分割確定した場合は、確定取得者が取得し、譲渡したものとして申告しても、これを認めるとしているのです。

=以下引用================================
ただし、譲渡時には、未分割の状態であった場合でも譲渡所得の申告期限である翌年3月15日までに分割が整ったときは、各相続人の実際の取得割合に応じて譲渡所得を申告してもよい扱いになっています。
=====================================

 つまり、いったんは、法定相続分で売買契約書を買い主と取り交わしても、あるいは、売却引渡をしてしまって、登記上は、法定相続分での売買原因しか記載されなくても、所得税申告期限までに、
 たとえば、居住していた人が100%取得し、他の相続人が代償財産を取得すると分割確定すれば、
 居住していた人が、居住用財産の譲渡特例を適用できる、というように、万々歳になります。

 しかし、申告期限までに分割確定しなければ?
 これは、法定相続分での譲渡で確定です。
 
 そもそも、所得税の確定申告までに法定相続分で譲渡し引渡も行っているならば、
 不動産登記簿には、法定相続での売買しか記載されません。
 そのあいだに所得税確定申告期限が来て、分割が決まっていなければ、
 その持分でしか譲渡税申告できません。

 上記の税務の取扱も、
 遺産分割が間に合わないケースに対して、申告期限までという猶予を置いている取扱なので、
 そんなに伸ばせないよ、という趣旨なのでしょう。

 ところで、さらに、
 居住用宅地や事業用宅地などの場合は、相続税の小規模宅地の特例の適用が絡みます。

 相続税では、小規模宅地の特例を使いーの、
 譲渡では譲渡の特例を使いーの、
 さらに、遺産分割も慎重に行って、という
 「荒芸」が可能かどうか。

 このあたりは、「あー、あ」となるのか、「グッジョブ=Good Job=よくやった!」となるのか、
 プロの力が試されます。

 これについては、また次に。
by expresstax | 2009-10-26 23:24 | 相続・贈与
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税理士飯塚美幸のひとことメッセージ
by expresstax
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 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

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