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法人化の場合の専従者給与、そしてお土産と御用地のツツジ

 お客様の法人化の計画のプロセスで、専従者給与のお話しがでました。
 これまでは、ご家族に青色事業専従者給与を支給なさっていました。

 そこで、この6月に法人設立するとなると、
 その青色事業専従者のご家族が、法人の役員に就任なさると、
 専従者としては、6ヶ月未満しか従事できません。

 その場合、「原則として、その事業に専ら従事する期間が年を通じて6か月を超えるものでなければならない」(令165①)という青色事業専従者の要件を満たすかどうか、です。

 一見、6か月未満となるので、ダメ、と見えそうですが、同じ施行令では、次のように決めています。

 つまり、「青色事業専従者の場合は、その者の死亡、長期にわたる病気、婚姻その他相当の理由によりその年を通じて6か月を超える期間その事業に従事することができなかった場合でも、その従事可能期間の2分の1を超える期間専ら従事すれば足りる」(令165①二)というのです。

 この場合の「その他相当の理由」は、社会通念に照らし、その実態に応じて判断されますが、
 質疑応答集では、
 「例えば、縁組、離婚等による身分関係の異動、疾病又は傷害による心身の重大な傷害、就職等がこれに当たるものと考えられます」としています。

 したがって、事業専従者の要件カウントは、従事可能期間5ヶ月半×1/2以上従事していればいいよ、となりますから、
 法人設立日前日までは、事業従事していたのであれば、
 事業専従者給与として、事業主の必要経費算入OKとなります。

 だから、ご長女さんが事業専従者だったけど、4月から就職しても、3月までの専従者給与は、
 家業の必要経費にできるんです。

 反対に、そうでなければ、専従者さんはみんな、7月1日以後でないと、
 親に申し訳なくて就職できない、ということになってしまいます。
 
 という、所得税では、コモンセンス=常識判断からの取扱になってますから、
 ご安心ください。

 ☆  ☆  ☆

 お客様がご相談の際にお土産をお持ち下さいました。

 お庭のバラを摘んできて下さったとのことでした。
 丹精なさった作品のようなバラです。さっそく飾らせていただきました。
 素晴らしい香りです。ありがとうございました。
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 お取り寄せの新茶をお持ち下さいました。
 貴重なものをありがとうございました。
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 涼しそうなゼリーをお持ち下さいました。冷やしていただきます。ありがとうございます。
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 ☆  ☆  ☆

 赤坂御用地の赤坂御苑の周囲に赤いポツポツが。
 何でしょう?とお客様が覗き込まれました。

 ツツジの玉仕立です。白いのもありますね。
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 もう街なかのツツジはおおかた終わりかけていますが、
 赤坂御用地は、これからです。

 つまり、御用地は、緑深く、周囲より数度、温度が低いために、
 桜もですが、ツツジも、遅れて開花します。

 温暖化の中の緑の役割がいかに大きいか、目でわかりますね。

 



















 

 

by expresstax | 2015-06-03 23:33 | 所得税  

馬券判決を受けた新通達パブコメ、そして御用地ご奉仕隊

 外れ馬券判決を受けて
 国税庁が通達改正について、パブリックコメントの募集を出しました。
 が。

 見ると、一時所得の例示についての所得税法基本通達34-1について、
 競馬の馬券の払戻金・競輪の車券の払戻金等をで営利を目的とする継続的行為から生じたものを除き、
 一時所得に該当する、と。
 そして次の(注)を付け加えています。
========================
注1
 馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用して独自の条件設定と計算式に基づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有することが客観的に明らかである場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、営利を目的とする継続的行為から生じた所得として雑所得に該当する。
2 上記(注)1以外の場合の競馬の馬券の払戻金に係る所得は、一時所得に該当することに留意する。
========================

 つまり、裁判通りの事案は雑所得として、その他は、今まで通りだと。

 事務所のみんなで笑ってしまいました。

 地裁、高裁、最高裁で、国は負け続けて、
 通達改正せざるをえなくて、いやいや書いた様子が、滲み出ています。

 それにしても、最高裁の事案では、納税者さんが公務員だったために、 
 競馬の馬券収入は、雑所得として争ったのでしょうが、
 
 営利を目的とする継続的行為から生じた所得って、
 事業所得にはならないの?
 という議論は、吹き飛ばされています。

 面白い(失礼)テーマだったので、
 もっと、深耕されてもよかったのにな、と思います。

 ☆  ☆  ☆

 あ、誤解のないように。

 競馬の当たり馬券の利益が、一時所得になれば、
 50万円までは非課税で、越えた部分の1/2だけが他の所得と合算課税されるので、
 一般のケースでは、一時所得となれば、納税者有利と言えるのです。

 その点は、気をつけてくださいね。

 ☆  ☆  ☆

 先日の朝。
 赤坂御用地の赤坂御苑のお池の芝生に、
 黄緑色の集団がお団子になっていました。
 御用地の清掃等を担当する勤労奉仕のご奉仕隊さんです。

 フードをかぶって、ポンチョを羽織った、まるで可愛いこびとさんのようです。
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 列になってお池の方に行進していきます。
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 あまりに可愛くて、つい写してしまいました。
 御用地は、緑が素晴らしいのですが、
 さらに素晴らしいのは、とても手入れが行き届いていることです。
 それも、このご奉仕隊さんたちのお蔭ですね。
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 お池の周りを、ぐるっと歩いて行きます。
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by expresstax | 2015-03-26 23:26 | 所得税  

外れ馬券裁判最高裁は納税者勝訴、そして豊川稲荷の緋寒桜

 ここでも取り上げた競馬の外れ馬券裁判が、納税者勝訴で決まりました。

 最高裁は、外れ馬券の購入費用を必要経費とした大阪高裁を支持して、
 平成27年3月10日、検察側の上告を棄却、
 納税者に軍配を上げました。

 今回は、脱税事件の方ですが、他にも税務訴訟になっている行政事件が多数あるようです。
 でも、最高裁で棄却となったことで、他の訴訟の流れがこれで決まるでしょう。

 この件については、このブログでも、何度か取り上げて
 fanetさんのコラムでも書かせていただいてきました。

 当初、検察からの上告が、最高裁に受理されて、判決前の弁論があるとのことで、
 高裁判決が覆る可能性があるとも聞いていたのですが、
 結果的に、高裁判決維持、となったわけです。

最高裁が不受理としなかったのは、検察や国税への配慮だったのかもしれません。

 これを受けて、国税庁が、「最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について」(平成27年3月11日付)というステートメントを出して、
 「パブリックコメントの手続を行った上で、所得税基本通達34-1を改正する予定」としました。

 ☆  ☆  ☆

 投資の状況への判断、担税力、それぞれの点で、無理のない結論になったなあと思います。

 判決に意見が付されたこともあり、必要経費にせよどう紐付き関係を規定するかなど、

 パブコメを経て、どんな通達に書き換わるのか、関心をもって見ていきます。

 バクチなのか、ゲームなのか、投資なのか、資産運用なのか、業務なのか、事業なのか、時代を背景に、人の行動や仕組みはどんどん変わっていくので、
 税の取扱も、当然に変わらねばならないはず、だからです。

 ☆  ☆  ☆

 豊川稲荷の緋寒桜が五分咲きくらいです。
 春がどんどん、近づいています。
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by expresstax | 2015-03-13 23:59 | 所得税  

外れ馬券訴訟は上告、そしてスタジオ収録

 刑事裁判となっていた外れ馬券訴訟について、平成26年5月9日に
 大阪高裁で検察が敗訴していました。

 このあと、上告するのかねえ、と話していましたら、
 高裁判決から10日のカウントで、5月23日、
 大阪高検は、最高裁に上告したんですね。

 裁判の上告(高等裁判所の判決を不服として最高裁判所に訴えること。)の期限は、
 判決の宣告があつた日から十日以内にこれをしなければならないとされています。(刑事訴訟法415条)

 一時所得か、雑所得かの所得判断だけでなく、
 そもそも無申告だったことでの量刑が、高裁判決で減刑されていたこともあるのでしょうし、
 全国で同様の訴訟が他にも起きているそうですから、
 ここは引けないんだろうなあ、などと話していました。

 ☆  ☆  ☆

 外れ馬券訴訟のあらましは、平成25年5月23日の大阪地裁判決が既に判例集に掲載されています。(このあと、大阪高裁でも地裁判決が支持されています。)
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 競馬の馬券を大量購入して得た利益を申告しなかったとして所得税法違反罪に問われた元会社員(40)について、大阪高検は23日、外れ馬券も経費と認めた上で有罪とした大阪高裁判決を不服として、最高裁に上告した。
 検察側は「馬券購入による所得は一時所得で、当たり馬券の購入費だけが経費」として、課税額は約5億7100万円だと主張している。高裁は一審同様、雑所得として外れ馬券も経費と認め、課税額を約5200万円に減額した。(時事通信社)
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 ☆  ☆  ☆

 つまり、現行の所得税法基本通達34-1では、競馬の馬券の払戻金は一時所得としています。
 「次に掲げるようなものに係る所得は、一時所得に該当する。
 (2)競輪の車券の払戻金等」 

 法律では、一時所得は、「利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう(所得税法34条第1項)、とされています。

 そして、その計算は、所得(利益)の50万円まで非課税として越える額の1/2を他の給与所得等と合算課税します。
 が、利益計算上の必要経費を、「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。」としています。

 検察は、外れ馬券は、当たり馬券の必要経費ではない、と主張したのですが、

 大阪地裁・高裁は、営利を目的として馬券を継続的、恒常的に買い続けた場合、
 外れ馬券の購入費も必要経費になると判断し、
 馬券購入について、FX(外国為替証拠金取引)や先物取引との共通点をあげて「雑所得」であり、
 娯楽性はなく、資産運用の一種である、と認定したのです。

 ただし、一般的な馬券購入については
 「楽しみ、消費の性質があり、払戻金は一時所得」とすると地裁で言及されていたところ、
 高裁では、被告人以外の場合であっても、
 払戻金を得た者の馬券購入行為が,被告人と同様客観的に認められる態様や規模に照らして
 「営利を目的とする継続的行為」に当たれば,雑所得になると判断したようです。

 ☆  ☆  ☆

 所得区分の判断と、所得認識について、
 まるで、所得税法のお勉強にちょうど良い例題のようです。

 一時所得の例示とされているのが、通達にすぎないことと、
 雑所得での必要経費での直接性がどう議論されるのか、

 さらに、担税力の問題がどう扱われるのか、というところでしょうか。
 つまり、一時所得として5億7千万円の課税を受けても、
 ご当人は、正味1億4千万円の利益しか得ていないという問題です。

 最高裁が取り上げて審理するのか、
 あるいは上告不受理(の場合は、高裁判決で確定)の可能性もあり、
 展開が注目されます。

 ☆  ☆  ☆

 ご相談が朝から連続、
 その足で、日管協さんのスタジオ収録に向かいました。
 「賃貸不動産経営管理士講座」の講演をDVD収録して、
 DVD研修とするための録画です。

 
 今月、こうした収録は、別企画と合わせて2つ目。
 なかなかハードな肉体労働です。
 一緒にがんばっていただいたご担当のT様、K様、スタッフの皆様、
 ありがとうございました。






































 


 

 

by expresstax | 2014-05-23 23:34 | 所得税  

所得税と法人税の違い、そしてシャガの花

 確定申告のご報告会です。
 平成25年の税務を、いかにがんばって頂いたかの確認です。
 じわじわと、がんがんと、効果が出ていますね。

 ☆  ☆  ☆

 そんな中で、話題になったのは。

  「えっ、損害保険金って、非課税なんですか!?」
 
 はい。
 「心身に加えられた損害又は突発的な事故により資産に加えられた損害に基因して取得するもの」は、
 所得税では非課税なんです(所得税法第9条第1項17号)。

 法人税では、保険金って、圧縮記帳でもしない限り、税金がかかります。
 でも、所得税って、損害が原因で受ける保険金は、「かわいそうだね」ということで非課税なんです。
 法人だってかわいそうだ、と思いますが、でも、法人は経済行為をする存在。
 収入で課税調整するのは、受取配当の益金不算入や圧縮記帳など、特定のものです。

 このあたりは、法人税と所得税の違いなので、
 もしかしたら、所得税法をお勉強していないと、ボコっと落としてしまうことかもしれません。
 
 ☆  ☆  ☆

 こうした問題は多くて、所得税の中でも、

 個人事業主さんが、車両を譲渡した。
 それを、新人だった自分は、法人の計算と同様に、
 事業所得の収入金額と原価で譲渡益計算をしたんですね。

 先輩に持って行くと、
 「バカ。個人の事業用車両の資産譲渡は総合譲渡課税だろうっっ!」と言われて、ガーン!
 総合譲渡となると、譲渡益50万円まで非課税、差額の1/2が他の所得と合算になります。

 それで、車両の譲渡は総合課税か!と覚えて喜んでいたら、
 家事用の自家用車の譲渡は非課税、と言われて、さらにガーン!
 所得税では、生活用動産の譲渡って、30万円超の宝石や美術品等以外は、非課税なんです(所得税法第9条第1項9号、所得税法施行令25)

 法人税では、こんな小分けはせずに、とにかく益金!として課税ですから、
 所得税をメンドクサイと見るか、自然人の生活を配慮したきめの細かい税制と見るかは別として、
 違いを理解しなければならないんですね。

 その後、税理士試験の勉強を始めて、そうか、そうだったのか!と確認できたのですが、
 税理士試験も、法人税と所得税は択一科目なので、片方しか勉強していない人も多いようです。
 どちらかしか勉強してないよーという人は、ちょっとだけ注意してください。

 ☆  ☆  ☆

 事務所ビルのエントランス前、青山通り側のシャガの花が満開です。
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 とても可愛い花ですね。まだまだ開きます。
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by expresstax | 2014-04-07 23:48 | 所得税  

講演報酬の源泉税と消費税、そしてごちそうさまでした。

 セミナーを開催するお客様の、講師への支払いの問題です。

 個人講師の講演報酬の源泉税と消費税について、
 うにゃー、やっこしい!と、ちょっと整理してみたいと思います。

 そもそも、法人への支払いであれば、源泉税の問題はありませんから、
 一番シンプルなのですが、
 個人の講演の報酬の場合は、厳密には個人所得になるでしょう。

 そして個人への報酬支払の場合。

 ポイントは、旅費交通費の扱いです。

 遠隔地の講演で交通費を支払った。
 その交通費は、主催者さん持ち。

 というときです。
 
 2通りの処理があります。

1.主催者さんが切符を買って講師に送った。
 
 これは、シンプルですから、問題はないでしょう。

①講演報酬本体価格×10%×1.021が、源泉所得税です。
 2.1%の復興増税がつきます。

②交通費は、そもそも切符を購入した時点で、交通費/現金 で経費処理しています。

③報酬本体価格×5%が、消費税です。

④講師への支払額は、講演報酬本体+③-① ですね。

2.講師が旅費交通費を支払い、主催者に一緒に請求する、この場合です。
 
 この場合、源泉所得税の対象に、旅費や宿泊費などの支払も原則的には含まれるんですね。

 なんでまた、と思いますよね。

 お車代だの、交通謝礼だの、報酬との境界線が引きにくいからだと思うのですが、

 受け取る講師さんからすれば、先に払ってしまう交通費や宿泊代について、源泉税を引かれてしまうと、その交通費の源泉税分は、翌年の確定申告まで精算できないことになっちゃいますから、
 酷だなあ、と思います。

 でも、とにかく、そうなっているので、その場合の計算です。 

①講演報酬本体価格×10%×1.021が、源泉所得税です。
 2.1%の復興増税がつきます。

②旅費交通費は、消費税税込ですから、旅費交通費×100/105で、本体価格を出します。

③講演報酬本体価格+旅費交通費本体価格=本体価格とします。

④本体価格×5%が、消費税です。ここで初めて旅費交通費が支払額に戻ります。

⑤本体価格×10%×1.021が、講演料と交通費の源泉所得税です。

⑥③+④-⑤が、支払額です。

 で、講師さんは、旅費交通費の分まで所得税を天引きされて、受け取ることになります。

 ☆  ☆  ☆

 いつも、なんだかなあ、と思う仕組みですが、
 ただでさえ手取りが減ってしまう講師さんには、
 復興増税が傷口に塩をすりこむようで、過酷なお話です。

 じゃ、そんなことせずに、講師さんが払った旅費交通費は、立替としてもらって、
 領収書をそのまま主催者に渡してもらって、旅費交通費そのまま講師さんに払う、という
 第3の方法なら、上記の処理はなくなるじゃん、と思いますよね。

 経理は、簡単になるし、講師さんは、自腹源泉税負担しなくていいし、
 2方一両得、になると思うのですが、

 大手企業の経理部には、上記の2の通りの処理でなければならな~い!と
 「ご指導」が行き渡っているようで、
 困ったことです。sigh。。。

 ということで、源泉税と消費税の処理、
 注意していきましょう。

 ☆  ☆  ☆
 
 決算報告会のあと、お客様からお食事をごちそうになりました。
 素晴らしい天空の夜景と、とてもおいしいお料理の数々。
 ありがとうございました。
 今期も、がんばって参りましょう。

 ☆  ☆  ☆

 帰りの新橋駅の脇で、ジャズカルテットが。
 とても楽しそうでした。(^_^)
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by expresstax | 2013-09-11 23:05 | 所得税  

アパート建替のための立退料は経費になるか

 建築のプロの方からのご質問です。

 去年、お客様が賃貸アパートを建替えるために、
 取り壊した古いアパートのもともとの賃借人さんに立退料を支払った。
 立ち退いたあと、取り壊しをしてるけど、立ち退きまでは、賃貸料が収入として入っている。
 顧問の先生は、建替のための立ち退きだから、新たに建てた建物の取得価額だと。
 立退料は、経費にならないのか、と。

 うーん、そうでしたか。
 このブログでも過去に取り上げていますが、

 お答えは、去年の必要経費算入でオッケーです。

 所得税法基本通達に、そのものズバリの回答があります。

=====================================
 所得税法基本通達37-23
 (不動産所得の基因となっていた建物の賃借人に支払った立退料)

 不動産所得の基因となっていた建物の賃借人を立ち退かすために支払う立退料は、当該建物の譲渡に際し支出するもの又は当該建物を取壊してその敷地となっていた土地等を譲渡するために支出するものを除き、その支出した日の属する年分の不動産所得の金額の計算上必要経費に算入する。
=====================================

 売るための立退料だとしたら、そりゃ、譲渡所得の譲渡費用だよね。
 でも、その後、建て替えて、不動産所得が継続していくなら、
 不動産所得の必要経費だよ、となります。
 その他、質疑応答もたくさんでていますので、ご確認いただけるといいですね。

 建物の取得価額算入となってしまうと、20年以上の償却での経費化しかできませんから、
 大きな違いです。

 ただ、去年の賃貸収入が、もう少なくて、立退料が多額だった場合、
 あるいは、取り壊しのための建物未償却残高を資産損失とし、
 取り壊し費用を経費とし、となると、
 去年は、不動産所得は、赤字かもしれません。

 オーナー様に給与など、他の収入があれば、その所得と損益通算します。
 それでも赤字になったら、
 青色申告なら、3年間繰り越して、建替後、利益が出るようになってから、損失の繰越控除で、
 赤字分を差し引けます。

 青色申告してれば、その点は安心ということになりますが、
 白色申告だと、損失繰越は使えませんので、
 ちょっとお客様に確認してみてください。

 この時期になると、こうしたご質問が、ババっと増えます。
 でも、慌てず騒がず、適正に対応しましょう。

 はい、ほんとは、このあたりは、建替え前、立退料支払い前、に、
 確認しておいてから、建替に着手していただくべきなのですが、

 個人オーナー様の場合、確定申告時期になって初めてご専門家に資料をお渡しして
 ご判断をいただく、ということが多いようです。

 顧問のご専門家が誤解なさっているようですと、マズいので、
 建築のプロであるご質問者様が、さりげなく、アドバイスしてあげてください。

 ありがとうございました。

by expresstax | 2013-02-04 23:00 | 所得税  

借上社宅家賃の計算3、そして”レ・ミゼラブル”

 借上社宅家賃のお話が途中でした。

 借上社宅家賃の計算には、小規模役員社宅と従業員社宅の場合、次の計算でOK。

 その年度の家屋の固定資産税の課税標準額 ×0.2%+12円× 当該家屋の総床面積㎡÷3.3㎡
   +その年度の敷地の固定資産税の課税標準額 ×0.22%

 このために借り上げている物件の固定資産税課税標準額が必要だったわけです。

 さて、大家さんとの賃貸借契約書があれば、当社が利害関係人だということが証明できますから、
 市町村役場の資産税課の窓口では、評価証明書をだしてくれる、はずなのですが、
 
 注意しなければいけないのは、
 ここで、提出する「固定資産証明閲覧申請書」で記載する「証明書を必要とする理由」の部分です。
 登記所や金融機関、裁判所、税務署、官公署、参考資料、その他と、チェックを入れる際に、
 すなおに、家賃算定のため、と請求すると、
 交付される評価証明書には、記載されているのは固定資産税評価額だけ。
 課税標準額は、記載されません。

 これはつまり、「家賃のため」に、賃借人から大家さんの評価証明請求を受けると言われると、
 窓口担当者が、ピン!とくるのは、あ、賃料の減額請求の争いだな!となるのです。

 窓口担当者さんは、所得税の通達のことなんか知りません。
 賃料を巡る大家と店子の争いの事件については、
 1.7%をかければ税額が算定されてしまう課税標準は、
 絶対に開示しないのですね。

 これでは、評価証明をとった意味がなくなってしまいます。

 担当者さんによく説明をして、
 チェック欄は、せめて「税務署」か、「その他」欄に、従業員社宅家賃の算定のため、と、
 きっちり書くことです。

 ☆  ☆  ☆

 3つ進んで2つ戻ってのスゴロクゲームみたいな借上社宅の評価証明書取得。
 最後の難関は、サブリースのケースです。

 つまり、借り上げようとしている物件が、
 オーナーさんから管理会社が借り上げて、そして賃貸している場合、
 賃貸借契約書の貸主欄には、転貸している管理会社名しかないことがあります。

 その場合は、お役所も、開示のしようがありません。 
 えー、オーナーさんから、委任状をとってきてください、という対応になります。 

 仲介業者さんを通じて、オーナーさんの委任状がとれればいいのですが、
 一般的には、相当難しいといえます。

 となると、社宅家賃算定は、ここであえなくダウン、となります。

 ☆  ☆  ☆

 そこで!

 反対に考えれば、サブリース会社、またはそのオーナーさんは、
 従業員に借上社宅を貸与しようとするような優良会社に借りてもらおうとするなら!
 (赤字でヒーヒー言ってる会社は、借上社宅なんてできません。)

 あえて、物件の固定資産税課税標準をご提供しますよ、というのをウリにしてはどうでしょう。
 さりげなく、マイソクに入れておいてはいかがでしょうか。
 「法人社宅については便宜を図ります」とか。

 課税標準額を知らせたからって、問題が起きることはまずありません。

 また、仲介会社さんは、課税標準額の提供のある社宅候補物件を、
 リストで持っていてもいいでしょう。

 企業の総務部・人事部は、この家賃算定だけでも大変なマンパワーが必要です。
 そのマンパワーを、省力化できる物件紹介をしてくれる仲介業者さんがいれば、
 飛びついてくるのではないでしょうか。

 企業さんは節税になり、従業員さんは満足し、大家さんは良い店子が確保できる、
 win-win-win(三方1両得) になると思うんですが、
 どうでしょね。(^_-)☆

 ☆  ☆  ☆

 今日ではないのですが、とてもひさびさに映画に行きました。
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 シネコンのプレミアシートは、スクリーンは小さいですが、
 椅子のヘッドレスト、シート幅、ドリンク置き場があってとても見やすいのです。
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 映画は「レ・ミゼラブル」。
 ミュージカルそのままです。
 ヒュー・ジャックマンやアン・ハサウェイの生声での歌が、胸に響きます。
 アン・ハサウェイの"I Dreamed A Dream”(夢やぶれて)の絶唱は、過去聴いた中で最高です。
 最後まで、涙、涙。
舞台だつたらスタンディングオベージョンでしよう。
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 帰りの新橋の機関車のイルミネーション。
 今日、生きていること、生きていくことを、大切にしたいと思わせる光です。
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by expresstax | 2013-01-08 23:42 | 所得税  

賃貸不動産設置の全量売電太陽光発電設備のグリーン税制、適用OK!そして性悪説

 先日、賃貸不動産の屋上などに設置した全量売電の太陽光発電設備に、グリーン税制適用の可否について
 お尋ねしていた税務情報誌の記者さんの取材で、バツ、ということだったのですが、
 その記者さんから急遽連絡がありました。そして、マル、と。

 近日中に取扱を公表するとの国税さんのお話でしたが、
 国税庁の、アパート設置の余剰電力の照会事例の末尾に、
 (注)として、しゃらっと付け加えられていました。

賃貸アパートに設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入

=================================
(注) 個人が行う太陽光発電であっても、平成24年7月以降、一定規模以上の太陽光発電設備により発電が行われる場合には、その送電された電気の全量について電力会社に売却することが可能とされています(全量売電)。
 不動産賃貸業を行う個人が、賃貸不動産に太陽光発電設備を設置し、全量売電を行っている場合の売電収入は、上記のような不動産所得との関連性が認められないことから、それが事業として行われている場合を除き、雑所得に該当すると考えられます。

=================================

 最後のくだりは、いかにもひねくれた国税庁的言い回しですが、
 つまり、
 事業として行われていれば、事業所得だから(雑所得じゃないから)、
 エネルギー環境負荷低減推進設備等を取得した場合の特別償却又は所得税額の特別控除=グリーン税制(租税特別措置法第10条の2の2=取得初年度の即時償却制度)適用対象になるよ、と書いているのです。

 では、事業とは、といえば、
「自己の計算と危険において営利を目的とし対価を得て継続的に行う経済活動のこと」とした
 昭和56年4月24日最高裁判決から判断するとのことです。

 買取保証があることが通常の事業であるかどうか、という議論があったそうですが、
 自身の犠牲と負担で設備投資し、
 買取保証されているのは、期間と価額だけであって、
 日照時間など、生産電量を、太陽が保証してくれるわけではないでしょうから、
 まさに、リスクを取って行う事業そのものでしょう。

 法人が貸付不動産に設置した全量売電太陽光発電設備についても、
 貸付用は除外していますが、
 全量売電設備は、貸付用ではなく、自己の事業ですから、これも適用対象となるでしょう。

 ようやく納得できました。

 記者さんには、お手間をかけましたが、腑に落ちた結果となり、
 感謝しています。ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 それにしても、とても優秀な記者さんです。マルをバツと間違えるはずがないので、
 もしや、国税庁の担当官は、記者さんが取材したときは、
 あれやこれや述べ立てて、バツっっ、と回答したけど、
 ちょっと待てよ、と改めて審理にかけ直して、
 バツ、としたのでは、また裁判で負けちまう、と慌ててマルとした、ということかもしれません。
 
 国税庁ホームページの照会事例への(注)の追加は、11月2日です。
 同日付で、
 自宅に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入
 「自宅兼店舗に設置した太陽光発電設備による余剰電力の売却収入」

 も、公表して、全量売電についても触れているからです。

 なんとなく、そんな「いきさつ」が透けて見えているようで、複雑な気分です。

 ☆  ☆  ☆

 そんなこんなで、事務所でもわいわい議論してたのですね。

 エネルギー問題解決のために民生を総動員して環境を保護しようという今の日本の国策ベースのこの制度を、抑制する方向しか考えないのはけしからん、とか、
 国税の連中は、グリーン税制だって、「節税」としか思ってないんじゃないか、とか。
 結局、頭の中は「性悪説」で凝り固まってるんだ、とか。
 
 んー、というより、実態や真実を知ろうともせず、
 一度下した結論(余剰売電の照会)に引きずられて、
 思考停止に陥ってたんじゃないかな、と、個人的には見てるんですが。

 ☆  ☆  ☆

 「性悪説」議論が出て、はた、と膝を打ちました。

 毎朝見ているNHKの朝ドラ「純と愛」。
 人間の本性が見えてしまう風間君が、人の顔を見ることができずに性格暗くなってるんですが、
 毎朝、なんだか、不愉快に見てました。

 2ヶ月たっても出演者の演技がわざとらしく下手すぎなので、それも不愉快には違いないのですが、
 なぜだろう、と割り切れないでいました。

 今日、不愉快の理由がわかりました。

 人間の本性が見えるというなら、その人の悪い本性も、良い本性も、見えるはず。
 なのに、悪い本性しか見えないというのは、
 つまり、人間の本性は悪だ、と、決めつけているからで。
 その決めつけを、平気でもっともらしく描いているからで。

 これは登場人物の世界観ではなく、原作者や脚本家の世界観なのでしょう。

 性善説を主張するつもりもありませんが、性悪説の人を見ていると、
 不愉快になるんだなあと、感じた次第です。

 (朝ドラについては、これまではドラマの一プロセスで、今後の展開があるのだと思うことにしましょう。)

by expresstax | 2012-11-05 23:41 | 所得税  

退職する人の源泉徴収票は離職票と一緒に、そしてお客様のバラ

 顧問先様の従業員さんが、退職することになりました。
 顧問先様は、雇用保険の離職票をお渡ししたりの手続きをなさっています。

 そのとき、辞める人の、今年の退職日までのお給料の源泉徴収票も、
 一緒に渡してあげてください。

 ☆  ☆  ☆
 
 転職して入社した人が、年末調整の時期になって、
 前職の源泉徴収票をもらってなくて、前の職場に請求しても、なかなか送ってもらえず、
 年末調整がみんなより遅れちゃう、なんてことが、しばしばあります。

 さすがに、離職票はさしせまってなので、発行しないなんてあり得ないと思いますが、
 源泉徴収票は、忘れがちなようです。

 とてもよく見る光景ですので、書きますね。

 これってバツなんです。

 バツは、その辞めた従業員さんがバツなのではなく、
 前職の勤務先さんがバツなんです。

 というのは、会社は、退職した人のその年の在職期間の給与の源泉徴収票を、
 その退職の日以後一月以内に、本人に交付しなければならない、
 とされているんです。(所得税法226条)

 税法では、1ヶ月以内とありますが、これは、給与の締め日や計算期間の都合など、
 余裕をみたアローアンスであって、
 基本的には、退職時に、とっとと渡しちゃうのが一番いいんです。
 退職時に、退職者本人に渡すものといえば、雇用保険の離職票などもありますね。
 退職金のもらえる人は、退職所得の源泉徴収票もいっしょです。

 これって、実は、源泉徴収票を渡す方の会社にとっても、合理的なんです。

 だって、従業員さんが退職するときは、給与担当者さんは、
 退職日までの給与計算をして、給与支払いをして、
 給与明細を渡したり、住民税の特別徴収の精算をしたり、するじゃないですか。

 そのとき、一緒に年間給与と年間所得税を計算して、さくっと源泉徴収票を作ってしまえば、
 同じお仕事の流れで、できてしまいます。

 それなのに、退職時に、わざわざ源泉徴収票「だけ」作らずにおいて、
 いざ、何ヶ月も経った後で、ご本人から、源泉徴収票くださ~い、と言われてから、
 あれ~、誰だっけぇ?とか言いながら、
 古い給与台帳や源泉徴収簿を引っ張り出して、
 給与ソフトを立ち上げて、という作業を、またぞろやらなくちゃいけなくなるわけです。

 時間の無駄!ですね。

 それに、ちゃんと退職時に渡しておけば、
 万一、退職従業員さんが、再発行して、と言ってきても、
 渡してますよね、と恩に着せて再発行してあげればいいですが、

 渡していないで、
 源泉徴収票を1ヶ月以内に本人交付しないのは、法律違反だ、なんて、
 元従業員さんが知ったら、
 新しい職場には気まずいでしょうし、 
 激怒もんでしょう。
 
 というわけで、退職者についての一連の手続きの中に、
 源泉徴収票の交付、必ず、入れておいてください。

 ☆  ☆  ☆

 お客様をご訪問しました。

 エントランスの花壇で、バラの花がお出迎えしてくれます。
 木立のバラですね。
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 大輪のバラも。丹精されていますね。すばらしいです。
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by expresstax | 2012-05-30 23:49 | 所得税