カテゴリ:譲渡

  • 買換特例、危機一髪、そして モデルルームの裏側は
    [ 2012-02-09 23:45 ]
  • 不動産バルク売り?と印紙税、そしてお歳暮をありがとうございました。
    [ 2011-12-05 23:57 ]
  • 不動産譲渡通算規制の東京地裁分最高裁判決も合憲
    [ 2011-10-21 23:03 ]
  • 平成23年度切り出し税制改正法成立、そして1号買換え特例
    [ 2011-06-23 23:27 ]
  • 特定資産買換えの延長は?そしてウメもどき
    [ 2011-06-15 23:31 ]
  • 戦争を知らない子供たち
    [ 2011-01-12 23:01 ]
  • 保証債務履行譲渡は返済利息も対象になるか、そしてクリスマスツリー
    [ 2010-12-02 23:10 ]
  • 居住用財産の買換特例の2億円制限
    [ 2010-09-12 23:26 ]
  • 買換え特例の修正申告の加算税・延滞税は、税務署さんのミス
    [ 2010-05-05 23:31 ]
  • 確定申告のダブルチェック、買換特例のダブル適用、そして確定申告鰻
    [ 2010-03-11 23:46 ]

 

買換特例、危機一髪、そして モデルルームの裏側は

 昨年秋に土地を譲渡、デベロッパーさんとの等価交換=立体買換特例(租税特別措置法65条の7第1項11号・12号)を適用するつもりだったという法人様。

 実は、その制度は既に廃止され、平成23年6月30日以降適用できなくなっているのです。
 ご相談の趣旨は、別なことだったのですが、 
 立体買換特例の予定で、売買契約書もその表現で書かれていましたから、
 そのままでは、特例適用が吹き飛んだことを、
 ご相談者様も顧問の先生も、お相手のデベさんも
 ご存じなく、特例適用と建築を進行してしまっているようでした。

 平成23年は、
 4月1日施行のつなぎ法改正、
 6月30日施行の23年度税制整備法改正、
 12月2日施行の税制構築法改正と、
 3度にわたって、税制改正が行われました。

 問題の立体買換特例の廃止は、平成22年12月に当時の税制改正大綱で起草され、
 そこでは、22年末をもって廃止、となっていたものが、
 その後のねじれ国会を経て、6月30日施行、つまり6月29日をもって廃止されたものです。
 半年延命されていますが、それ以降の売買契約ですから、アウトなんですね。

 ご相談者様は、まだキョトンとされています。

 うーん。我々も、顔を見合わせましたが、ここで諦めないのが、弊社流。

 ならば、同じ法律でも、その時点では、廃止されていない特例、
 長期保有資産買換へ転換すれば良いじゃないか、とご提案しました。

 つまり、同じ法律、租税特別措置法65条7第1項9号の
 10年超保有国内土地から土地・建物・構築物若しくは機械及び装置等への買換特例です。

 実は、この9号特例も、平成24年1月以降は、
 取得対象を制限する平成24年度改正法案が、現在上程中です。
 
 ちょうど、6月30日の立体買換廃止後、9号特例厳格化前、ということで、
 買換特例が適用できちゃうのです。

 まるでジグゾーパズルの最後の駒が、ちょうどストンと、ハマッた状態になりました。

 おめでとうございます、と申し上げると、ご相談者様、まだ実感が湧かないようでしたが、
 持ち帰って、よく顧問の先生にご検討いただけるように、お願いしました。

 平成23年については、このようなケースが、まだまだ登場しそうです。
 特に、法人の場合は、事業年度と適用制度の時点認識での齟齬が起きがちです。
 くれぐれも、注意してください。

 ☆  ☆  ☆

 事務所そばに、新築分譲マンションのモデルルームがあります。
 投資物件としてどうかな、とランチがてら見学していました。






















 ゴージャスなエントランスを通り、お部屋に入ると、
 中は、デラックスでセンスの良いモデルルームです。


















 帰り際、ちらっと裏を見ると。






















 なんと、プレハブでした。
 ここで、な~んだ、なんて言ってはいけません。
 建物がプレハブでも、外装内装で、ここまでできる見本です。
 これはすごいことですね。

by expresstax | 2012-02-09 23:45 | 譲渡 

不動産バルク売り?と印紙税、そしてお歳暮をありがとうございました。

 資産の法人化のお客様。
 たくさんの不動産をまとめて、どんっ、と一気に所有権移転します。
 意味合いは違いますが、いわば、バルクセール(まとめ売り)です。
 いや、すごいです。

 契約書を立ち上げていきます。

 一括の売買契約書とするか、個別の契約書をするか。

 各不動産ごとに状況が異なるので、
 また、あとで価格や条件調整があった場合に対応できるように、
 個別の契約書とすることにしました。
 たいへんです。(^^;)

 はて、印紙税はどうなるかいな? と見てみましたら。

 つまり、不動産売買契約にかかる、売価1万円あたり印紙税は。

  売買金額    印紙税   印紙税/万円
 500万円以下  2千円    4円   
 1千万円以下   1万円   10円
 5千万円以下   2万円    4円
 1億円以下    6万円    6円
 5億円以下   10万円    2円

 ほー。
 1千万円以下は、累進で税率増加。
 超えると、率は低減。取引額が上がると下がるというレーマン方式チックですな。
 取引の、一時代前の最多価格帯を狙ったような税率構造になってるんですね。(^^)

 高いところでは率が下がりますから、
 例えば、1億円の物件5件の契約なら、
 一括だと10万円のところ、バラだと30万円、という計算になります。
 
 今回は、価格帯から、バラしたほうが、印紙税が安くなります。
 個別の契約書で、コスト的には正解、ということになるんですが、
 でも、大変です。(>_<)
 がんばりましたですよ。(^^;)

 ☆  ☆  ☆

 お客様から続々とお歳暮をいただいています。
 年末のお心遣い、ほんとうにありがとうございます。

 冷凍の唐芋のレアケーキです。
 珍しいものをいつもありがとうございます。おいしくいただきました。





















 このブログ読者の社長様から、毎年いただくザッハトルテです。
 貴重なものを、いつもありがとうございます。とても励みになります。






















 尊敬する先生からのいただきものです。
 ありがとうございます。





















 ゆかりです。カルシウムたっぷりに、おいしくいただきます。
 ありがとうございました。























 叶 匠壽庵さんお和菓子の詰め合わせをいただきました。
 ありがとうございました。



















 ピエールエルメさんのマドレーヌです。
 おやつに美味しくいただきます。ありがとうございます。

by expresstax | 2011-12-05 23:57 | 譲渡 

不動産譲渡通算規制の東京地裁分最高裁判決も合憲

 平成23年9月22日の千葉地裁分最高裁判決に続き、
 9月30日に東京地裁分の最高裁判決がでています。これも棄却です。

 譲渡損失の損益通算規制を、国会成立前への遡及適用の違憲性を争った2番目の上告に対する最高裁の判断になりますが、連続して合憲とされました。

 弁護団は、22日の事件と同じ弁護団、つまり山田二郎先生をはじめとする弁護団です。

 この弁護団の上告理由書がTAINSで添付されています。

 朝倉先生から、エクスプレスが出ているわよ、と教えていただいて、慌てて読みました。
 
 従来、山浦先生の「バードレポート」や阿藤先生の「ATO通信」は、国税サイドの資料として採用されていました。
 弁護団は、それに加えて、ホームページに掲載していた「エクスプレス情報」を引用していたというわけです。

 このエクスプレス情報は、今は、ホームページから消えてしまっているので、もう読むことはできませんが、
 奇しくも、上告理由書に登場していたわけです。
 そこに、大綱の公表以前に情報入手した弊社が、大綱公表前に、
 平成15年末までに、不動産鑑定評価などでの適正価格での譲渡を急ぐべきとの記載が、
 引用されています。

 また、この事案は、杉田先生が、会社解散による配当所得課税と不動産譲渡損を通算するタックスマネージメントとして行われたことも、理由書にありました。

 杉田先生は、税理士試験の試験委員もなさっていた、理論家の素晴らしい先生です。
 闇討ちのような遡及改正を受け、さぞ口惜しく、無念だったろうと拝察します。

 ☆  ☆  ☆

 千葉裁判官は、判決末尾の補足意見の中で、
 「上記のようなケースは、類型的にその適用から除外するなど、
 附則上の手当をする配慮が望まれるところであったと考える」としています。

 にもかかわらず、最高裁は、なぜこうまでして、
 多くの法曹関係者の批判を浴びながらも、合憲としたいのでしょうか。

 確かにいくつか訴訟が上がっていますが、仮に最高裁で違憲判決を出したとして、 
 その後、我も我もと、救済を求める事案が続出するのでは、国が困ってしまうのでしょうが、 所詮、平成16年1月~3月までの譲渡案件であり、数からいえば、知れているでしょう。
 違憲判断を下し、数に限りのある提起中の訴訟を救済したっていいのではないかと思うのです。

 では、なぜか。

 違憲としてしまうと、今後、一切の遡及立法ができなくなる、という思惑でしょうか。
 「合理的な理由」を並べれば遡及立法可能、とする余地を残す必要があると。

 復興増税の大綱を見ると、
 納税者権利憲章は、見送り、
 通則法改定も見送り、
 日本の租税法の暗闇は、まだまだ続くのだなあと、慨嘆しています。

by expresstax | 2011-10-21 23:03 | 譲渡 

平成23年度切り出し税制改正法成立、そして1号買換え特例

 衆議院から参議院に回っていた平成23年度税制改正の切り出し法が
 昨日、参議院本会議を通過、成立しました。

 朝、お客様からのお電話で、「通りましたね!」開口一番に。
 気にしていただいていたのですね。

 先日の買換特例の延長をご質問くださったお客様です。

 譲渡が来年になってしまうと、特定資産買換の新9号が延長されない場合、
 特例適用できなくなってしまう。

 新9号とは、所有期間10年超の国内の土地・建物・構築物を譲渡して、
 国内の土地・建物・構築物・機械装置を取得した場合、
 譲渡益のおおむね8割を課税繰り延べできる制度です。
 要件は、これだけ。
 制限がゆるいので、使い勝手がとてもよかったのです。
 でも、この特例は、来年には使えなくなってしまうかもしれないのです。 

 ここから先は、もう粘りが肝心。
 その後、よく調べていただいたら、取得資産が、既成市街地外であることが判明。

 もちろん、新9号が延長されれば、地域関係なく適用できるんですが、
 そのリスクがとれない以上、他の号での適用をチェックしたところ、
 既成市街地内から外への1号買換えにヒットできることがわかりました。
 やった!

 そこで、この切り出し法では、1号買換えは平成26年3月まで延長が盛り込まれているので、
 これが成立すれば、イケルことになるのです。

 でも、ここで、また問題。
 
 1号買換えを適用するとして、先行取得する買換資産は、
 既成市街地等外の土地であることが必要なのですが、
 お客様から、さらにツッコミが入りました。

 「この既成市街地を規定する首都圏整備法って、けっこう変わってるんですね。」
 はい、その通りです。よくお調べです。
 既成市街地の対象は、かなり変更されてきています。

 であれば、買換資産の取得時点では、既成市街地外だとしても、
 譲渡後の特例適用申請時点では、既成市街地内に取り込まれていたら、アウトなんですか?

 いや、ごもっともな質問です。粘りますね。

 もちろん、既成市街地外から内に取り込まれるというのは、
 事業計画上はウェルカムなのですが、
 それで特例適用アウトになるのでは、とんでもないことです。

 でも、これには、ちゃんと、通達が用意されているんですね。
=============
租税特別措置法通達65の7(1)-11 土地等が買換資産に該当するかどうかの判定

 法人の取得した土地等が措置法第65条の7第1項の表の各号の下欄に規定する買換資産に該当するかどうかを判定する場合において、その取得した土地等が当該各号に規定する地域又は区域にあるかどうかは、その土地等を取得した時の現況による。

=============

 ね!
 OKですね。(^^)v

 仮に、取得時に既成市街地外で、
 その後、既成市街地に取り込まれても、適用OKです。

 既成市街地等以外であることの証明は、該当市町村長の証明をとり、
 取得事業年度終了の日から2月以内(上場会社など、申告期限を3ヶ月に延長している場合でも、必ず2月以内)に、
 「先行取得資産に係る買換えの特例の適用に関する届出書」を提出します。
 このときは、市町村長の証明を添付することまでは、要求されていません。

 でも、です。
 上記のように、取得時の現況で、地域判定をするのですから、
 買換資産取得時点で、先に証明書を取得しておくことです。

 そして、圧縮記帳を行う譲渡資産の譲渡事業年度の法人税確定申告書に、
 先行して取得していた証明書を添付するようにすれば安心です。

 これで、ビッグプロジェクトが動き出すことになりました。
 よかったですね!

 それにしても、お客様の粘り勝ちです。
 さすが、プロとは、こういうものだと、勉強させていただきました。
 
 ありがとうございました。

by expresstax | 2011-06-23 23:27 | 譲渡 

特定資産買換えの延長は?そしてウメもどき

 税制改正が、切り出し法で確定の方向に向かって。
 お客様からのご質問が続きます。

 特定資産買換えは、平成23年度改正で、結果的に、切り出し法で、
 本則、平成26年12月末まで延長になりました。
 ただし、これは、本則の話し。

 買換特例のうち、個人旧16号・法人旧17号の所有期間10年超資産の買換特例は、
 新9号として、平成23年12月末の期限のままです。

 平成24年税制改正で、平成24年1月1日以降への延長規定が入らなければ、
 そのまま、フェイドアウト。
 宇宙の彼方へと、消滅します。

 租税特別措置法透明化法や、事業仕分風の租特見直しの機運から、
 風前の灯火(ともしび)となっている特例です。

 ☆  ☆  ☆

 ご質問は、

 当社は、不動産の売却を、23年中に契約するけど、
 買換資産の建築の関係から、引渡しは、翌年以降にならざるを得ない。 
 もし、制度が延長しなければ、新9号(旧17号)買換はできなくなってしまう。
 
 しかし、不動産の譲渡については、引き渡し時を譲渡日とみるのではなく、
 契約日を譲渡日とみることもできると聞いた。
 当社は、監査対象法人として、会計上は引渡基準を採用しているので、
 経理上は、引渡日で譲渡益計上せざるを得ないが、
 税法上の譲渡日を契約日として、23年末までの譲渡契約にすべりこめれば、
 イケるのではないか。

 というものです。そうですね。

 結論は、バツです。 

 確かに、法人税基本通達では、不動産の譲渡である場合には、
 契約効力発生日=契約日での譲渡計上を認めています。

============================
法人税基本通達2-1-14 固定資産の譲渡による収益の帰属の時期
 固定資産の譲渡による収益の額は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、その固定資産が土地、建物その他これらに類する資産である場合において、法人が当該固定資産の譲渡に関する契約の効力発生の日の属する事業年度の益金の額に算入しているときは、これを認める。
(注) 本文の取扱いによる場合において、固定資産の引渡しの日がいつであるかについては、2-1-2の例による。

============================

 ただし。

 特定資産の買換特例は、いったん譲渡資産の譲渡益を計上し、
 それを圧縮記帳することで、課税の繰延を図る制度なんですね。

 企業経理で、譲渡益に対し、圧縮記帳の経理をする、つまり、
 ①圧縮損計上、または②積立金経理、または③利益処分経理 することで、
 初めて特例が使えるんですね。

============================
 租税特別措置法65の7 特定の資産の買換えの場合の課税の特例  
 第1項後段
 (略)~「圧縮限度額」という。)の範囲内でその帳簿価額を損金経理により減額し、又はその帳簿価額を減額することに代えてその圧縮限度額以下の金額を 当該事業年度の確定した決算において積立金として積み立てる方法(当該事業年度の決算の確定の日までに剰余金の処分により積立金として積み立てる方法を含む。)により経理したときに限り、その減額し、又は経理した金額に相当する金額は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入する。

============================

 つまり、法人の特定資産買換特例に限っては、
 税務で契約基準、会計で引渡基準を適用して、税務と会計を切り離す、
 ということは、原則としてできないんですね。

 監査対象会社でなければ、今回取引だけ、契約基準で譲渡益計上するならば、
 これはイケるでしょうが、ここは、スジ論です。
 若干のテクニカルな方法がないわけではありませんが、
 コンプライアンス(法令遵守)上、無理はできません。

 果たして、平成24年改正で、新9号買換え特例が、
 延長されるかどうかに、かかってきます。

 このご質問については、別途の解決の可能性がでてきましたので、
 それで対応していただくことになりましたが、

 来年の税制が読めない、という、
 法制度の透明性が担保されない日本って、
 ほんとうにリスキーな国になってしまいました。

 ☆  ☆  ☆

 名前のわからなかった屋上の赤い実。
 植物図鑑では、「ウメもどき」のようです。

 来年の春には、花を見にこなくちゃです。

by expresstax | 2011-06-15 23:31 | 譲渡 

戦争を知らない子供たち

 不動産の譲渡についての税務調査のお話です。

 昭和60年代のバブル期に、中古で2億円超で買ったご自宅マンション1室。
 建築時期は50年代です。
 今回売ったら、3千万円。

 事業用資産なら、帳簿に建物原価を計上しているでしょうから、問題ありません。
 でも、これはご自宅用。そんなデータもありません。
 
 当時は、消費税もありませんでしたから、
 建築価格を推計で算定して、減価償却後建物原価+土地原価を計算。
 約2億円の譲渡損を出しました。

 若い特別国税調査官さんは、2億円超で買ったマンションだから、
 固定資産税評価の比で按分したら、建物代はもっと高額なはず。
 
 当然減価償却すれば、建物原価は、もっと下がるから、譲渡損は、もっと少ないはず、と。

 そんな疑問も上がろうかと、昭和50年代の当初分譲価格を調べると、3千万円台。

 つまり、昭和50年代に3千万円台だったマンションが、昭和バブルで2億円超に上がり、
 その後のバブル崩壊で、3千万円台に下がったというのが実態です。

 今回の売り主さんは、その一番高い時に、高値で買ってしまったわけですが、
 つまり、ここで上がって下がったのは、土地だけなのです。

 「そんな馬鹿なことはあり得ない。」

 若い調査官さんは、気色ばんで語気を荒げましたが、

 お隣に座っていた年輩の特別国税調査官さんが、若い調査官さんの袖を引っ張るように、
 「当時は、そうだったんだよ」と、ボソっと呟きました。

 結局、この話は、これでケリがついて、調査も終了したんですが、
 若い調査官さん、建築当時の価格を知って、唖然としたのではないでしょうか。

 こうした世代の調査官さんが、どんどん増えていくでしょう。
 時代の説明から入らないと、理解してもらうのは、難しそうです。

 でも、これは、税理士だって同じ。

 若い税理士さんですと、昔の不動産事情をご存じなければ、
 この若い調査官さんのように、固定資産税評価額の比で按分、てな計算をしちゃうのでしょうか。

 コワイなあ、と、思います。 

by expresstax | 2011-01-12 23:01 | 譲渡 

保証債務履行譲渡は返済利息も対象になるか、そしてクリスマスツリー

 12月に入りました。

 ファックス情報は、一番ベタな名称バージョンで見切り発車しました。
 「今年の特例、今年のうちに」と題して、
 今月限りになる、1千万円非課税土地取得や縮小する贈与特例、株譲渡特例などについて、
 ご報告しました。

 徐々に改善していきます。
 よろしくご愛読下さい。
 また、ご購読希望の方は、お申し出下さい。無料です。(^_^)

 ☆  ☆  ☆

 会社が借入をするとき、債権者は、社長に、保証人になることを、必ず要求してきます。
 そして、債務者である会社が返済不能になったとき、
 債権者は、保証人である社長に、肩代わりを要求してきます。

 社長は、でも、お金がないので、自分の個人資産を売却して資金を作り、肩代わりします。
 これを代位弁済といいます。
 つまり、立替払いですから、今度は、社長は、会社に、自分の立替分を請求しなければなりません。
 これを求償権といいます。

 でも、債務超過の会社は、当然、社長に対しても、返済できません。
 社長は、求償権の行使を断念します。

 このとき、税務では、
 回収できなかった立替分を、売却資産の代金の回収不能と同じだね、とみて、
 資産の譲渡代金をなかったものとみなしてくれます。
 その分、譲渡が非課税になるんですね。

 これを、保証債務の履行に伴う求償権の行使不能の場合の譲渡所得の課税の特例(所得税法64条)といいます。

 ☆  ☆  ☆
 
 さてここで、問題です。
 社長が、立替払いするときに、会社は延滞続きの借金ダルマ。
 そこには、延滞していた利息も、コテコテに含まれます。
 社長は、会社が背負っていた借入元金と延滞利息を、債権者である銀行に立替え弁済します。

 このとき、この利息分は、非課税特例の対象にならないのではないか、という議論がありました。

 ちょっと、待って下さい。
 当然、利息分も、一緒に立替払いしなければ、債務は完済したことになりません。
 それをしないことには、保証人の義務を果たしたことになりません。
 債権者は、許しはしないでしょう。

 だから、譲渡をなかったものとみなす対象には、一緒に弁済せざるを得なかった利息も、対象になるのです。

 誤解のもとは、どこにあるのでしょう。

 国税の質疑応答などを見ると、
 保証債務を履行するために、資産がすぐ売れずに、保証人が、いったん借入で、立替払いするケースを上げています。
 この、いったん借入する保証人の払う利息は、確かに対象になりません。

 それで、「保証債務履行譲渡のときの利息は、非課税にならない」という意見になったのでしょうが、
 これは短絡です。

 主たる債務者が負担すべき利息と、保証人が負担した利息、
 法的性格は全く異なります。

 主たる債務者の利息は、保証人として元金と合算して弁済しなければならない債務になるんですね。
 
 同じ、「保証債務履行の際の利息」というだけで、短絡的に判断するのではなく、
 事実に即して、法律解釈していく必要があります。

 ☆  ☆  ☆

 事務所で、クリスマスツリーを飾りました。
 メイキングの写真です。


















 組み立てたら、廊下に移して、オーナメントを飾ります。


















 エントランスから。
 

















 150cmの大きなツリーになりました。光ファイバーです。
 








 廊下のライトを消したら、アヤシイ事務所ですね。
 綺麗ですが。(笑)
 

by expresstax | 2010-12-02 23:10 | 譲渡 

居住用財産の買換特例の2億円制限

 居住用財産を売却して、次のマイホームを取得するご予定のお客様からのご質問です。
 居住用財産の譲渡の買換特例(租税特別措置法36の2)の適用を希望なさっています。

 お話のなかで、売価のお話がでてきました。

 平成22年1月1日以降の譲渡の場合は、譲渡対価が2億円以下に、制限されました。
 こんな値下がり期に、ご丁寧に頭打ちするとは、ピントのずれた増税の改正ですが、

 国会を通ったのは3月、それなのに、改正法は、1月から遡及適用という、
 法律論からは、信義則違反、後出しジャンケンのだまし討ちですから、
 さらにピントを外した税制です。(怒)

 そこでご質問です。
 売値は2億円だったらいいんですね。
 それなら買換特例が使えますね。

 確かにそうです。
 が、ちょっと注意してください。
 
 正しくは、「2億円-固定資産税精算金」で売買契約した場合に、使えるのです。

 それは、何ですか?
 お客様は、目を剥きました。

 通常、不動産売買をする場合に、
 その不動産にかかる固定資産税を、日割りで精算するのが取引慣行です。

 例えば、年12万円の固定資産税だとすると、
 固定資産税はその年の1月1日の所有者に課されますから、
 売買が1月末なら、年間固定資産税の31/365は、売主負担、
 残りは買主負担として、その負担分を精算するために、
 買主は、売主に対して支払うケースが多いでしょう。

 しかし、固定資産税はあくまで、売主が所有者として全額負担すべきであり、
 買主は固定資産税の納税義務者ではありません。
 あくまで取引慣行として精算しているので、精算しない取引も、有効なのです。

 つまり、税務上は、
 買主が負担する精算金は、ただの売買での取引金額の一部に過ぎないのですね。

 この結果、2億円で売買するつもりでも、固定資産税精算金が11万円あったら、
 売主は、そのマイホームを、200,110,000円で売却したことになるのです。

 これで、買換特例は、あえなく、アウト。

 さあ、せいぜい居住用財産の3千万円の特別控除と、6千万円部分の低税率(14%)の特例だけを使って、
 しっかり納税してくださいね、となります。

 目を剥いたお客様は、
 じゃあ、もらった固定資産税にも、課税されるんですか!と、更に叫ばれましたが、
 はい、そうなんです。

 仮に、2億円ジャストで売り出すなら、固定資産税分だけ、ディスカウントしなければなりません。

 うーん。
 困った税制ですね。 

by expresstax | 2010-09-12 23:26 | 譲渡 

買換え特例の修正申告の加算税・延滞税は、税務署さんのミス

 4月末。
 税務署さんから、ヤンヤの電話で、おおわらわでした。

 ☆  ☆  ☆

 何のことかと言えば、不動産譲渡をした場合の、買換特例のお話しです。

 特定資産買換や居住用財産の買換特例など、
 買換特例を適用して、譲渡税を繰り延べることができます。(租税特別措置法37条、65条の7)

 ところが、譲渡して、その年の内に、買換えで資産取得できない場合には、
 法人税は、特別勘定を設定して、
 所得税では、買換取得資産を取得見込みとして、
 見込み価格で買換があったものとして、課税を繰り延べます。
 通常は、最大額を見込み価格として計上して、当面の税負担を最小とします。

 ここで、実際に買換がなかったとして、先に課税を受けてしまうと、
 買換資産の取得ができなくなってしまうからです。

 法律上は、譲渡年の翌年末までに買い換えればOKなのです。
 これは、翌年末に契約ベースでもOKです。

 さて、こうして、いったん課税繰り延べしたものの、
 結局、翌年末までに買換資産の取得ができなかった、
 あるいは、買換資産の取得をしたけれど、見込み価格に達しない場合。

 そのときは、当初申告通りでの課税繰延ができませんから、
 修正申告書を提出して、繰り延べできない税金を追加納税することになります。

 ここで、罰金、つまり、過少申告加算税や延滞税が生じるようですと、
 それはリスクとなりますので、
 うっかりと買換特例を適用することができなくなります。
 
 しかし、買換特例の場合の買換差額の修正申告については、
 加算税も延滞税も、かからないのです。

 なので、適格な譲渡をした場合、
 買換予定がなくても、買換特例を適用して、
 納税負担を先送りする選択肢さえあるのです。

 高金利時代なら、これだってバカにならないからです。

 ☆  ☆  ☆

 それはさておき、では、買換不足の修正申告をすることになったとして、

 その修正申告は、法人税の場合は、翌事業年度の確定申告に組み込みますが、
 個人所得税の場合は、翌年末の取得期限から4ヶ月以内なんです。

 つまり、個人の場合は、必ず、4月末が修正申告期限といえるのです。

 でも、昨年末までの買い換えの結果は、昨年末で決まったのですから、
 どんどん計算に入ることができます。

 もちろん、弊社は、この期限まで、担当者さんによっては、確定申告などと一緒に処理してしまって、
 お客様からご捺印をいただいて、
 とっとと進めているお仕事です。

 と、あろうことか、税務署さんが、間違って、修正申告について、
 加算税や延滞税を賦課して、納付書をお客様に送付しちゃったりするんですね。
 それも、しばしば。(困)

 罰金はかかりませんよ、と弊社から説明を聞いて頂いていたお客様は、
 かかったじゃないか!とお怒りになるでしょうし、

 素直な(?)お客様は、すんなり、納付しちゃいますし、
 その場合は、過誤納還付を受けなくちゃならなくなりますし、

 いやはや、大変なんです。

 そして、今回も、税務署さんのミス、ありましたですね。

 1件は、税務署さんから、気づいてこちらに電話がきました。
 資産税統括官さんから、御直々の謝罪です。

 素直に納めちゃったお客様に、どうしますか?とお聞きすると、
 「たいした額じゃないからいいですよ、ミスは誰でもありますから」と
 大らかにおっしゃいます。(ほんとうに弊社のお客様は、お優しいです。。。)

 そうはいかないので、当然、最速で還付してもらいますが、
 統括官さん、平身低頭です。

 今は、税務署さんも、課税処分について、会計検査院のチェックを受けますから、
 きっと大変なことなんだろうと思います。

 この買換特例の修正についての、加算税の賦課ミスは、
 けっこうあり、弊社でも、過去、何度も経験済みです。

 このあたりの、税務署さんのチェック体制って、
 会計検査院云々以前に、初動段階で、
 何かシステムにできないものかと思うのですが、
 どうなのでしょうか。

 弊社としては、今後もさらに、
 買換特例適用のお客様に、税務署さんから納付書が来ても、
 絶対に納めないように、と、徹底しなくちゃです。

 と、春のゴールデンウィーク中の、ゴールデンな(?)事件でした。

 皆様も、くれぐれもお気をつけて。

by expresstax | 2010-05-05 23:31 | 譲渡 

確定申告のダブルチェック、買換特例のダブル適用、そして確定申告鰻

 確定申告も大詰めです。

 弊社は、通常、どんな税務申告も、ダブルチェック制度でやっています。

 まずは、担当者さんご自身の自己チェックは当然として、

 チェック者さんの一次チェック。
 
 数字ベース・計算ベース・論点ベースは、ここでチェックが入ります。

 そして、所長 σ(^^) の二次チェック。

 これは、ほぼ、論点のチェックです。

 たまに、二次チェックでの差し戻しが入ります。
 ごめんね。(^^ゞ
 でも、お客様へのお仕事の品質保証のためには、必要なことなのです。
 
 今年は、タクトのY先生が、チェック者として、応援に駆けつけて下さっています。(^^)
 ありがとうございます。
 
   ☆  ☆  ☆

 今日も、二次チェックをしていたら。

 事業用買換のお客様の申告に、先行取得買換の届出書の手続きが入っています。

 お。

 そう、措置法37条16の事業用資産買換特例を受けた資産について、
 平成21年導入の先行取得資産買換特例(措法37の9の5)を、ダブルで受けられるんですね。

 例えば、事業用買換えで8割圧縮した買換取得資産の簿価が2割あるとしたら、
 それを先行取得資産とすることで、さらにそこから8割圧縮ができるんですね。
 ざっくりいえば、
 2割×2割=4%、
 つまり、96%圧縮ができてしまうことになります。

 おーーー。

 目からウロコです。

 いやー、ウチのメンバーは、すごい。
 本当に、湧き出ずる泉です。

 お客様にとてもいい提案をしています。
 それも、よく研究した裏付けのもとで、です。
 本当に、優秀です。
 私は、学ぶことばっかりです。

 これが大事なのは、この先行取得の届出書は、
 取得の日の翌年3月15日までに提出しないといけないことです。

 つまり、来週月曜日までが期限なんですね。

 それを過ぎると、チャンスを失います。

 こうしてチェックをしていると、こうしたメンバーの頑張りの姿が、とてもよく見えてきます。
 ほんとうに、お客様のために、がんばっているね。
 素晴らしいね。
 
 確定申告も、あと少し。
 もうちょっとです。

  ☆  ☆  ☆

 今日は、恒例、鰻の出前の日。
 確定申告の大詰めの、弊社の行事です。

 今日のは、飯田橋の鰻やさんの、肝吸・お新香つきのおいしい鰻重でした。

 鰻苦手メンバーは、天重。
 「あ、私の鰻だけ、ちっちゃい!」という声もあって(笑)、
 大にぎわいでした。

 この確定申告鰻も、7月の勝ち鰻も、

 以前、弊社でがんばってくれていた鰻好きのメンバーの、
 受験生時代にできた伝統です。

 そんな先輩の伝統を受けて、
 今日は、美味しく鰻を、みんなでパクつきましたよ。

by expresstax | 2010-03-11 23:46 | 譲渡