カテゴリ:譲渡( 31 )

 お客様からの固定資産の交換特例についてのご相談。

 こちらのお客様は、駐車場と建物敷地との交換が、可能かどうか、とのお尋ねです。
 ありがとうございます。

 登記では雑種地となっている駐車場用地と、宅地となっている建物敷地が、
 固定資産の交換特例の「交換後、同一用途」要件を満たすことができるでしょうか。

 一見、交換したら、宅地所有者は、交換後は駐車場に建物建築しないとアウト、
 雑種地所有者は、交換後は建物を壊して雑種地にしないとアウト、と見えますが、
 そんな必要はなく、
 この場合は、交換特例適用オッケーなんですね。

 ☆  ☆  ☆

 というのは、交換後の用途の用途区分は、登記簿上の台帳地目ではなく、その現況により判断するとされており、

 かつ、宅地については、
 いつでもの本来の用途に使用しうる状態にあるものであれば、空閑地であっても差し支えなく、
 青空駐車場として利用している土地であっても、それが既に市街地を形成している地域にあり、
 いつでも建物が建築できる状態にあるものは、宅地として取り扱われるのです。

 ご心配なく、交換を実行できますね。
 ついては、次回、交換契約書作成のための資料をお持ち戴くことになりました。
 よろしくお願いします。

 ☆  ☆  ☆

 このあたりは、藤田良一先生が「土地建物等の交換・買換えの税務」(税務研究会出版局)に
 明解に書いてくださっています。
 藤田先生のこの書籍は、自分にとっては不動産の譲渡所得のバイブルです。(^^ゞ

 ☆  ☆  ☆

 赤坂御用地の緑が、日に日に
 こんもりと大きくなっていきます。

 迎賓館の手前にお庭まで見えていた和風別館游心亭も、
 もう緑の中に埋もれそうです。
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by expresstax | 2017-06-15 23:04 | 譲渡
 先日からの固定資産の交換特例についてのご相談。

 ご相談を受けながら、
 固定資産の交換特例が適用されるためには、
 交換後、1年間は所有しなければならないですよね、というご質問を受けました。

 同席の税理士先生も、同じご意見だったので、
 あれ~?
 と思った次第です。

 ☆  ☆  ☆

 土地建物等を交換した場合に、
 土地を売って代金の代わりに土地を取得したに過ぎないので、
 本来は、土地の譲渡所得(値上がり益)に対して課税が行われます。

 でも、その交換が、もともと持っていたものを置き換えただけに過ぎないね、というときは、
 その値上がり益には当面課税せずに、減価償却や次の譲渡の時まで繰り延べるというのが
 固定資産のの交換特例(所得税法58条、法人税法50条)です。
 本法交換ともいいます。

 ☆  ☆  ☆

 もともと持っていたものを置き換えただけに過ぎないね、とされるためには、次の7つの要件があります。
 国税庁タックスアンサー「No.3502 土地建物の交換をしたときの特例」が分かりやすいです。
====================================
(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。

(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
 この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。

(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。

 交換譲渡資産の種類が土地の場合の用途の区分:
    宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他

 交換譲渡資産の種類が建物の場合の用途の区分:
    居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用

(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。

(7)交換の日の属する年分・事業年度の確定申告で、交換特例を適用すること。

 ☆  ☆  ☆

 さて、これらの要件の中に、先のご質問のような
 「交換後、1年間は保有しなければならない」という要件は、ありません。

 1年要件は、交換前の保有期間だけです。
 上の要件でいえば、(3)~(5)が混同されてるのかな、と思います。

 その場にいた複数の方がそう思い込んでいたとすると、
 ちょっとした都市伝説といえそうです.

 もちろん、交換後譲渡した場合は、先日のお客様とのやりとりで書いたように、
 結果的に譲渡所得課税を受けますが。
 
 国税庁の質疑応答にもありますので、確認してみて下さい。
 「交換により取得した資産を同一年中に譲渡した場合

 ☆  ☆  ☆

 そろそろ梅雨ですね。

 晴れた日に、額アジサイの赤ちゃん達が一杯でした。
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by expresstax | 2017-06-07 23:45 | 譲渡
 お客様たちから、固定資産の交換特例についてのご相談が続いています。

 まったく別な地域の別なお客様の別な事案でのご相談です。

 所得税法や法人税法では、固定資産同士の交換については、
 同種資産同士であることや、
 交換前と同一用途に供すること、その他を要件に
 譲渡をなかったものと見なしたり、利益を圧縮したりして、
 税負担を将来に繰り延べて、
 当面は税負担なしでいいよ~、とする特例があります。(所得税法58条、法人税法50条)

  ☆   ☆   ☆

 さて。
 借地底地の交換をして、
 お相手の借地人様は、交換後、土地が完全所有権になったところで
 譲渡することになったのだけれど、

 関与の税理士先生によると、
 借地部分は長期譲渡税20.315%、
 底地部分は、今回、借地権と交換して取得した底地であり、
 その直後譲渡なのだから、短期譲渡税39.63%の税金がかかる、
 というご指導だったが、そうなんですか? とのご相談です。

 ☆  ☆  ☆

 うーん、そう考えがちのようですが、そうはなりません。

 結論としては、
 借地権=長期譲渡、底地=長期譲渡、ですので、
 全体が長期譲渡所得となるんです。

 ☆  ☆  ☆

 実は、固定資産の交換による取得資産の取得時期は、
 交換譲渡資産の取得時期を引き継ぐのます。
 
 下記のタックスアンサーの2で説明されています。
 No.3273 買換えなどで取得した資産の取得費と取得の時期
 

 根拠となるのは、次の法律です。
=========================
 所得税法施行令第168条( 交換による取得資産の取得価額等の計算)

 法第58条第1項(固定資産の交換の場合の譲渡所得の特例)の規定の適用を受けた居住者が同項に規定する取得資産(以下この条において「取得資産」という。)について行なうべき法第49条第1項(減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法)に規定する償却費の額の計算及びその者が取得資産を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算については、その者がその取得資産を次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に掲げる金額をもつて取得したものとみなす。この場合において、その譲渡による所得が法第33条第3項各号(譲渡所得の金額)に掲げる所得のいずれに該当するかの判定については、その者がその取得資産を法第58条第1項に規定する譲渡資産(以下この条において「譲渡資産」という。)を取得した時から引き続き所有していたものとみなす。
=========================== 

 条文では、ちょっとわかりにくいですが、
 要するに、交換で取得した資産を譲渡するときは、譲渡資産の取得時期を引き継ぐんですね。

 ☆  ☆  ☆

 一方、事業用資産の買換特例や居住用財産の買換特例などの租税特別措置法の特例では、
 取得時期は引き継がず、買換取得資産の取得の日が取得時期となります。
 
 上記の所得税法(本法)交換と違って、
 租税特別措置法には、上の所得税法施行令168のような、
 「譲渡資産を取得した時から引き続き所有していたものとみなす」という規定がないため、
 本則に戻るからです。
 
 譲渡資産の取得の日についての本則を規定しているのが、次の通達です。 
======================
所得税法基本通達33-9 資産の取得の日
 法第33条第3項第1号に規定する取得の日は、次による。
(1) 他から取得した資産については、36-12に準じて判定した日とする。
(2) 自ら建設、製作又は製造(以下この項において「建設等」という。)をし
た資産については、当該建設等が完了した日とする。
(3) 他に請け負わせて建設等をした資産については、当該資産の引渡しを受け
た日とする。
=======================
 つまり、措置法の買換については、本則通り、今回売った資産の取得の日を取
得時期として見る、ということです。
 
 考え方としては、
 固定資産の交換特例のように、昔からあった民法(586条)にもある慣習的な交換については、
 単に物が交換によって置き変わっただけとみて、元々持ち続けていたものとして取り扱おう、

 租税特別措置で、政策的に認めている買換については、
 原則通り、実体の取得時期で判定しよう、ということでしょう。

 税理士先生は、
 所得税法本法の固定資産の交換特例を、措置法の買換特例と同様に、
 また、譲渡の本則通りに、取得時期を引き継がない、と思われてたのではないでしょうか。
 
 交換取得した底地も、もともと持っていた物として所有期間を見ていいので、
 安心して進めて下さい。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 休日に、友人とご飯を食べた後、自宅マンションのラウンジに上がりました。
 最近、利用が増えています。(^^ゞ

 テラスに出ると、夕暮れ、素晴らしい夕焼けでした。
 一日、ありがとう。
 これからも、よろしくね。(^^)/
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by expresstax | 2017-06-05 23:44 | 譲渡
 先日、老人ホーム入所後相続での小規模宅地特例について書きましたら、
 老人ホームがらみで、譲渡の話が途中だよ~、と言われてしまいました。
 申し訳ありません。m(_ _)m

 以前、相続空き実家譲渡の3千万円譲渡特例について取材を受けた際の話題です。

 一人暮らしの親御様が要介護状態になって、老人ホームに入られた。
 入所後、亡くなられて、空き実家を売却することになった。
 その際に、この空き家譲渡3千万円特別控除特例は適用できるのか?

 答は、バツです。

 空家譲渡特例の他の要件を満たしていても、
 空いていた自宅は、死亡直前に被相続人が居住していた家屋とならないため、特例適用不可であり、
 住まなくなって3年間の規定もないため、老人ホームへの転居後3年以内でも不可となります。

 老人ホームに入所することが、自宅の変更になるかどうかについては、
 公式見解は出ていないようですが。
 老人ホームに住民票を移すことや24時間・365日の居住の実態から見て、
 生活の本拠の移転として扱われるのが一般的のようです。

 が、老人ホームでも特別養護老人ホームの場合は、
 老人のための福祉施設でしかなく、そこをその老人の住居であると考えるのは適当ではない、とする考え方もあるようです(弊社加入税理士懇話会での事例回答)。
 
 相続税の小規模宅地特例では、老人ホーム入所後も、介護認定等を条件に、入所前自宅を居住用と認める扱いがされています(租税特別措置法69の4)が、所得税ではこうした規定はありません。

 もちろん、親御様が、老人ホームに入所して3年以内に、存命中に自宅を譲渡するなら、自分の自宅の譲渡として、3千万円特別控除を適用することができます(租税特別措置法35条2項二号)。
 
 親御様が一人暮らししていて老人ホームに移ろうか、というとき、
 もし自宅を将来譲渡する可能性があるなら、存命中に入所3年以内に決断した方がいい、
 ということは言えそうです。

  ☆  ☆  ☆

 ボランティアで参加している港区の高齢者さんのアクティビティは、
 今回は、しながわ水族館へのバスハイクでした。
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by expresstax | 2017-05-24 23:42 | 譲渡
 わいわいと、確定申告の議論をしていて、
 個人の駐車場設備の譲渡の議論になりました。

 この譲渡の所得区分は、何でしょうか、という議論です。

1.アスファルト部分

 アスファルトは、法人税の区分では構築物です。
 アスファルト部分を構築物とみるならば、不動産となります。
====================
民法86条(不動産及び動産)
 土地及びその定着物は、不動産とする。

2  不動産以外の物は、すべて動産とする。

3  略
====================

 分かりやすい規定ですね。

 そしてこちらもあります。
====================
租税特別措置法31条(長期譲渡所得の課税の特例)

 個人が、その有する土地若しくは土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)又は建物及びその附属設備若しくは構築物(以下「建物等」という。)で、(以下略)
====================

 租税特別措置法でも、「建物及びその附属設備若しくは構築物」は、ひとくくりになって、
 分離譲渡課税の対象とされています。

 分離課税であれば、所有期間5年超か以下かで、税率判定、
 マイナスでも、分離譲渡所得以外とは損益通算できません。

 今年、平成28年4月1日以後取得の構築物や建物附属設備は、
 建物と同様に、定額法償却が強制されますが、
 これも、「建物・附属設備・構築物=不動産」という括りに統一されて、
 却って、分かりやすくなるのかもしれませんね。

2.時間貸し駐車場などの場合の、機械設備の部分

 はい、民法で、ズバリ、「不動産以外のものは動産」と言い切っていますから、
 動産の譲渡とされて、

 家事用ならば、非課税、
 事業上のものは、総合譲渡課税の対象となります。
 
 利益がでれば、50万円まで非課税、越えた部分の利益の1/2が総合課税となりますね。

3.印紙税

 じゃ、売買契約書の印紙税はどうなの、といえば、
 印紙税法では、その別表第一で、第1号の1文書として、
 不動産の意義=不動産とは、民法86条に規定する不動産としていますから、
 印紙税課税となる構築物譲渡の場合は、その価額で印紙税の課税標準とします。

 ☆  ☆  ☆

 議論の発端となった駐車場譲渡は、譲渡益も損も出ない譲渡なので、
 不動産判定だろうが、動産判定だろうが、
 分離課税だろうが、総合課税だろうが、
 結果一緒、ということになり、
 違いは、印紙税の課税文書かどうか、だけになりますが、

 他人間売買などで、譲渡損益が生じる場合は、
 こうした判定が必要になるのでしょうね。

 ☆  ☆  ☆

 お客様が、今年も、素晴らしいチューリップを贈って下さいました。
 新種を開発して戴いている農家さんの作品とのことで、
 珍しい緑のチューリップと美しい桃色のチューリップです。
 それに、開くと、香りが素晴らしいです! 
 ありがとうございまそした。
 また、花瓶は、お客様のご親戚様の伊万里焼、
 花瓶敷きは、税理士先生にいただいた銀座和光さんの刺繍の作品です。
 うっとりと拝見しています。
 ありがとうございます。
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by expresstax | 2016-02-22 23:59 | 譲渡
 ちょっと前のことですが、不動産のプロの方からご質問をいただきました。
 ありがとうございます。

 ☆  ☆  ☆ 
 
 居住用財産の買換え特例(租税特別措置法36条の2ですね。(^^))について、
 今は、1億5千万円までなら使えるんですよね、というご質問です。
 今回、1億4千万円で売るんです、とのことで、

 年末決済の売却と購入の仲介、両手取りのお仕事のようで、
 声が弾んでいます。
 
 うーむ、水を差すようですが、と思いつつ、お答えします。
 え-、昔は、価格青天井で使えていた時代もあったのですが、
 平成21年1月1日以後の譲渡では、売価2億円以下に、
 平成24年1月1日以後の譲渡では、売価1.5億円以下に、
 平成26年1月1日以後の譲渡では、売価1億円以下に、と厳しくなっています。

 この要件は、今回の税制改正大綱では、平成28年以後も、29年末までは延長されているので、
 仮に取引が、来年1月になったとして、今現在の売価制限は、1億円です。

 プロの方、え~っっ!と驚かれています。
 仲介業務が、ガラガラと音を立てて崩れる、といった様相です。
 ヘタをすると責任問題、と脳裏をよぎったかも知れません。

 あまりの驚きように、こちらも、念のために、他の条件、
 つまり、所有期間が1月1日現在で10年超だとか、居住期間が10年以上だとか、
 満たしてるんですよね、と、ちくちくお伺いしつつ、
 所有者は、お一人ですか?とお尋ねしました。

 あ、え、とお調べになって、えっと、2人の共有です。
 半々ですっっ!
 ほとんど叫び声です。

 おお、なるほど。
 であれば、一人当たりの譲渡対価は、7千万円ですから、OKになります。

 え。そんなことできるんですか!?と更に驚いておられます。

 できるとかではなく、そのように決まってるんですね。

===================
租税特別措置法基本通達36の2-6の2
譲渡に係る対価の額が1億円を超えるかどうかの判定

 措置法第36条の2第1項に規定する譲渡資産の譲渡に係る対価の額(以下この項において「譲渡対価」という。)が1億円を超えるかどうかの判定は、次により行うものとする。
(1) 譲渡資産が共有である場合は、各所有者ごとの譲渡対価により判定する。
(2) 略
===================

 このあたりは、例えば、面積要件である50㎡以上要件などは、
 共有者別判定でなく、物件判定になるので、
 対価要件も、その物件で判定、と早とちりしそうですが、
 そうではないんですね。

 現在の買換特例対象が1億円以下なので、
 3人で1/3ずつ共有なら、3億円以下もOKとなります。

 不動産の共有って、相続などでは、困ったちゃんですが、
 譲渡の場合は、3千万円控除がやはりひとりずつ使えるとか、
 有利なこともあります。

 という説明で、
 良かった~~!と胸をなで下ろしたらしいご質問者様でしたが、

 ここで安心しないで、
 対価が一人7千万円となったことで、
 取得価額を確認したうえで、
 3千万円控除+軽課税率との有利不利など、
 もういちど、事前によく税理士先生に確認していただけるように、
 お客様にアドバイスして差し上げて下さい、とお願いしました。

 それに、そもそもこの特例、要件が転変と変わるだけでなく、
 価格要件のような増税項目が、
 税制改正では、改正年の3月に国会で法律化されるのに、
 適用は、その年の1月1日以後譲渡に遡及適用されてきた、という
 インケンな改正経緯を辿っています。
 
 落とし穴に落ちろ!と行間に透けて見えているような法律ですから、
 プロの方も、まして、マイホーム譲渡を真剣に考える方も、
 くれぐれも、お気を付け下さい。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 最近の事案やご質問で、共有、多いなというのが実感です。
 よく気を付けて下さい。

 ☆  ☆  ☆

 世の中は、クリスマス一色ですね。
 恵比寿ガーデンのバカラのクリスマスイルミネーションです。
 渋谷事務所時代は、よく来ていたのですが、最近はご無沙汰でした。
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by expresstax | 2015-12-25 23:47 | 譲渡
 先日の日税さんの講演をご受講いただいた税理士先生からご質問をいただきました。
 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 相続から3年10ヶ月以内に相続財産を譲渡した場合の譲渡所得税の計算で、
 売却資産にかかった相続税を譲渡原価にできるという、
 「相続税の取得費加算の特例」(租税特別措置法39条)についてです。

 相続税を払って取得した財産を売って、原始取得からの値上がり益にまた譲渡税がかかるなんて、
 二重課税じゃん!とならないための、二重課税排除のための制度です。

 この制度は、平成26年末までのご相続、平成30年10月末までの相続財産の譲渡の場合に、
 土地以外は、譲渡財産にかかった相続税分を非課税に、
 土地は、相続した土地全部にかかった相続税分を非課税に、できます。

 平成27年以後のご相続では、土地も、譲渡財産にかかった相続税分を非課税に、と、
 改正された部分です。
 土地だけ優遇しすぎてたよね、というのが、財務省さんの言い分でしょう。

 ☆  ☆  ☆

 さて、平成26年末までの相続だった。
 相続土地10億円、それに相続税が3億円かかっていたという、おおざっぱな設定です。

 たとえば、10億円の相続土地のうち、1億円分の土地を譲渡した場合は、
 譲渡対価1億円-譲渡原価3億円=所得ゼロ円、譲渡税ゼロ円になります。
 
 では、譲渡所得ゼロ円で済ませる、
 つまり、無税譲渡できるのは、最大いくらまで売却できるのかを、逆算する場合に、
 仮に、時価を相続税評価額とするなら、

 X億円-(X億円×5%+3億円×10/10+X億円×3%)=0
 
 これを解くと、X=3.26億円となり、
 
 3.26億円-(3.26億円×5%+3億円×10/10+3.26億円×3%)=0
 
 となります。
 
 講義では、
 個別相続の相続税額と、土地評価額により、上記の数字は変わりますので、相
続税申告から3年以内の資産移転についてコンサルする際に行う計算を、とても
ざっくりした数字で表現しました。
 
 講演で話したように、平成26年末まで開始相続、平成30年10月までの譲渡につ
いて最もメリットがあるテーマです。

 取得費加算の特例は、同族間での売買でもOKですから、
 仮に、3年10ヶ月以内に外部売却できなくても、
 同族法人などに、時価で、時価が相続税評価額なら
 限度額の残り部分を譲渡税ゼロ円で移転してしまえば、
 次に外部売却するときに、そこからの値上がり益だけが、課税対象にできます。

 つまり、相続財産の簿価上げができちゃうわけです。(^_-)☆

 ☆  ☆  ☆

 この講義設問では、

 前述の取得費加算の期限内最有利活用と、
 買換特例と取得費加算、
 取得費加算活用と登録免許税・不動産取得税の軽減の

 3つの工夫をコテコテに組み合わせて、説明しましたので、 
 分かりにくかったかも知れませんが、
 該当のお客様がいらしたら、とても喜んでいただける工夫だと思います。
 ぜひ、研究なさってみて下さい。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 夏の猛暑が一服しています。

 築丸2年になる事務所の公開空地は、緑に溢れてきました。
 遊歩道の下からです。
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 青山通りの裏通りにあたるビルの裏側エントランスの桂の木も、
 新築の頃は細く、頼りなげでしたたが、茂ってきました。
 光を透す薄く丸い葉の桂は、好きな樹のひとつです。
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by expresstax | 2015-08-24 23:37 | 譲渡
 地方から都心部への特定資産買換えの九号特例が厳しくなる改正は、
 地域再生法の一部改正法の施行日から、とここで書きました。

 6月19日に国会を通過しながら、
 なかなか公布されないなあ、と思っていましたら、
 今日6月26日にようやく公布されました。

 でも、政令(施行令)や省令(施行規則)の公布はまだのようです。

 施行日は、公布の日から3月以内に政令で定める日(附則1条)とされているので、
 施行日までには公布します、ということのようです。そりゃそうでしょうけど。(-_-)

 それまでは、一応、地方から特定集中地域や集中地域への買換えは8割、課税繰延OKです。
 譲渡予定があれば、今のウチです。

 ☆  ☆  ☆

 お客様から、さくらんぼをいただきました。
 佐藤錦の大きなさくらんぼです。ありがとうございました。
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 なんとお茄子をお持ち下さいました。
 ご当主様が、残った畑を家庭菜園として栽培なさったそうです。
 朝、採って下さったばかり、との切り口鮮やかでつやつやの、まさに作品ですね。
 ありがとうございました。
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by expresstax | 2015-06-26 23:05 | 譲渡
 ブログをご覧いただいていた税理士先生からご質問をいただきました。
 ありがとうございました。

 以前、このブログで書いていた「譲渡税の還付-取得費は合理的算定価額で」の記事について、

 ご質問は、弊社で、更正の請求の実績はあるか、というものです。

 すみません。お答えは、ノー、です。

 その際のブログでも書いていますが、
 今日までも、弊社は、この問題での更正の請求をしたことはありません。

 これまで、相当数の譲渡税申告で、
 概算取得費を使わず、合理的価額を算定して取得費とした申告をしていますが、
 更正の請求で、それをやったケースはゼロです。
 すべて、当初申告からです。

 取得費というのは、所得税上の譲渡原価をいいます。
 個人の譲渡所得では、取得費が不明な場合でも、売価の5%を概算取得費として良いことになっています。(租税特別措置法31条4、租税特別措置法通達31の4-1) 
 ※法人は、あくまで帳簿原価で計算しますから、この概算取得費という概念はありません。

 しかし、売価の5%の概算取得費より、実際の取得費が大きかった場合、
 仮に、当初の取得時点での売買契約書や領収書等が紛失し、
 証明資料が手元に残っていない場合でも、
 不動産の場合は、登記簿謄本で、取得日は特定できます。
 その取得日の土地の当時の時価や建物取得時価などを、
 過去データから積み上げて計算することは可能です。
 それを合理的価額といいます。

 租税特別措置法31条4の昭和27年12月31日以前取得資産の取得費の概算取得費の規定について、
 租税特別措置法通達31の4-1で、 昭和28年以後に取得した資産についても、
 同様に「準じて計算して差し支えないものとする。」としているだけなのですから、

 原則は、所得税法38条の「譲渡所得の金額の計算上控除する取得費=取得費+設備費+改良費の合計額」に、戻るのです。

 お尋ねすると、平成24年譲渡とのことですから、今年3月の申告。
 5年間の更正の請求期間がありますね。

 問題は、更正の請求の理由です。

 更正の請求は、
 「当該申告書に記載した課税標準等若しくは税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたこと又は当該計算に誤りがあつたことにより」「税額が過大であるとき」に、減額更正を請求する制度です。

 では、概算取得費で計算していた価額は、
 法律の規定にしたがっていなかったのか、計算の誤りだったか、といえば、
 どちらでもありません。
 そのときは、適法手続といえます。

 したがって、そのまま更正の請求をしたら、
 「更正の理由なし」との回答が返ってくる可能性が高いでしょう。

 弊社が、これまで合理的価額で通ってきているのは、
 当初申告から主張してしまっているので、この通則法のフィルターを通らずに済んでいるからです。

 したがて、、ポイントは、合理的価額の立証です。
 意見書で、説得力をもって、
 合理的価額との著しい価額の乖離について、主張することだと思いますので、
 がんばってみてください。 

 ☆  ☆  ☆

 初めてのことでも、知恵を合わせ、力を合わせて、
 新たな実績を、築き上げていきましょう。
 
 それがまた、同様の事案を抱え、後に続く先生達の、力になるのだと思います。
 がんばりましょう!

 ☆  ☆  ☆

 事務所の裏の会社さんの入り口に、
 緑のカーテンができていて、
 ジョロをもった女性が水やりをしていました。

 葉の形といい、花の色といい、
 お、ゴーヤだ!と近づいて拝見したら、
 なんと、ちっちゃな赤ちゃんゴーヤができていました。
 楽しみですね~!
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by expresstax | 2013-07-24 23:19 | 譲渡
 ご相談です。

 例えば、昭和40年に借地権を取得した法人が、平成20年にその借地権に係る土地(底地)を取得し、
 その土地を平成24年に他に譲渡して、地積300㎡以上の倉庫用地と倉庫建物を取得した場合。

 その年1月1日現在の所有期間10年超を要件とする特定資産買換特例を
 適用できないかと相談したら、顧問の先生からダメ出しされてしまったとのこと。
 
 法人さんの借地権は、底地を取得することで、「混同」を起こし、完全所有権になっています。(民法179条)。

 土地の登記簿謄本を見るだけでは、
 その年1月1日現在では、土地取得から10年超になっていません。
 そのため、特定資産買換特例の(租税特別措置法第65条の7第1項第9号)は、適用不可、と
 税理士先生はご判断なさったのかもしれません。

 でも、上記のような土地の取得経緯は、とてもしばしばあって、
 まずは、先に買いやすいように借地権から取得する。
 でも、借地権は、地上権と違い、登記されません。
 あくまで建物登記で、借地権付建物の所有とします。
 その後、お金もできたので、借入担保にもできるように、底地取得したくなる、という経緯でしょう。

 そのため、ちゃんと取扱通達があるんです。

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 租税特別措置法通達65の7(1)-39 借地権者が土地を取得した場合等の土地等の取得の時期
措 置法第65条の7第1項の表の第1号又は第9号の規定を適用する場合において、その譲渡資産が次に掲げるものに該当するときは、それぞれ次に定めるところによる。
(1) 借地権を有する法人が当該借地権に係る土地を取得したことにより借地権が消滅した土地  消滅した借地権に対応する部分の土地はその借地権の取得の日に取得し、当該借地権に対応する部分以外の部分の土地は、その土地の取得の日に取得したものとする。(以下略)
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 上記の例でいえば、昭和40年に取得した旧借地権対応部分の譲渡については、
 所有期間が10年超を要件とする、特定資産買換特例の措置法第65条の7第1項の表の第9号OK、

 後で取得した底地部分は、10年超要件を満たさないため、買換特例を適用できないと、

 分割して判定するんです。

 でも、計算していただくと、底地部分の譲渡対価って、取得価額より低い、
 つまり、底地に関しては譲渡損が生じるので、
 課税なし、
 
 というより、借地権と底地を、別々に損益計算して、
 底地は譲渡損、
 借地権は、買換特例で圧縮、圧縮後の課税所得について譲渡損差し引く計算ができることになります。
 
 ただ、もしかしたら、税理士先生は、
 そもそも、当初借地権取得が、登記上は建物取得としか表示されなかったために、
 また、会社の貸借対照表上では、借地権価格が計上されておらず簿外となっているために、
 法人借地権の存在について、認識していないのかもしれません。
 
 税務上は、取得経歴のずれた借地権と底地については、別物とみるんです。

 地主さんから借地権付き建物を取得し、建物の権利証はある、
 そしてその後、旧借地契約を原契約承継をして、新たな借地権者として、
 底地取得までは、
 地主さんに地代を払い続けていたはずなんですね。

 だから、底地取得時までの、上の例でいえば、昭和40年から平成20年までの
 その地代支払いの記録や、土地賃貸借契約書を確認していただければ、
 先生にご理解をいただけるのではないでしょうか。

 昭和年代の他人間での建物売買は、借地権利金と明示されていなくても、借地権付き価格であり、
 また仮に、当初借地権認識がなかったとしても、賃貸借であれば、
 その後の土地の値上り益が付着して、借地権を形成してきています。
 これを自然発生借地権といいます。
 税理士先生との食い違いは、このあたりがポイントなのかもしれません。

 過去から底地取得時までの法人税申告書の付属明細書等をたどれば、明確になるはずです。

 よく先生にお話ししてご理解をいただくことになりました。
 無事に特例が使えるといいですね。(^^)

 ☆  ☆  ☆

 昨日の学会発表で、ちょっとヘコんでこのブログを書きましたら、
 学会に出席していただいた先生たちから、
 全然気がつかなかったよ、と励ましを受けてしまいました。

 それより、ブログにあんなこと書かない方がいい、というご助言もいただいたのですが、
 でも、これが自分のレベルなので。(>_<);;
 
 ご配慮、ありがとうございました。がんばります!(^^)/
by expresstax | 2012-10-26 23:12 | 譲渡

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


by expresstax