昨日の平成21年6月23日の判決です。
====================以下、Asahi.comから引用
布製かばんで知られる「一澤帆布(いちざわはんぷ)工業」(京都市)の先代会長(故人)が残したとされる遺言書の真偽が争われた訴訟で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は23日、三男の前社長側の「遺言書は偽物」との訴えを認めた昨年11月の二審・大阪高裁判決を支持し、長男の現社長側の上告を棄却する決定をした。三男側の勝訴が確定した。
問題の遺言書は、01年に死去した先代会長の一澤信夫氏が、長男で現社長の信太郎氏(63)に同社株の5分の4を相続させるという内容。三男で前社長の信三郎氏(60)の妻が「偽造だ」と遺言書の無効確認などを求めていた。
二審判決は「重要な文書なのに認め印が使われるなど不自然な点があり、真正とは認められない」と判断。遺言書が無効となることで現社長らの議決権は失われるとし、前社長の信三郎氏が取締役を解任された05年の臨時株主総会の決議も取り消していた。
===============
この事件、もとはといえば、平成16年に最高裁で、
三男側が敗訴が確定していたはずなんですが、
今回の判決は、三男さんの奥さんが提訴したもので、
原告が別だとこんな訴訟ができてしまうんだそうです。
遺言書偽造は相続欠格事由なんです。(下記民法891条)
したがって、最高裁で偽造と決定された長男は、欠格。
遺言書が無効とされたことで、分割協議へと方向変更となるのでしょうか。
分割協議は、欠格長男の子が代襲相続人として参席することになるのでしょうか。
勝訴した三男の信三郎さんは、工場を追い出されながらも、
涼しい顔で、自分のブランド「一澤信三郎帆布」を立ち上げてしまい、
さくさくビジネス展開しています。
対抗して、長男信太郎さんは、一澤帆布工業を、職人さんをかき集めてがんばっているんだそうです。
いやはやです。
今日は、まだ事務所でごそごそとお仕事をしています。
いやはやです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
民法891(相続人の欠格事由)
次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者