享年67歳。とてもお若いご逝去です。
高木先生は、11年前、私が独立したばかり、東京税理士会の渋谷支部の同好会、渋谷パソコン倶楽部を、小森先生、倉林先生、松木先生と結成したときに、芳賀先生達といっしょにご参加くださっていました。
その当時は、税理士が独立するといえば、数百万円もするオフコンをリースなどで買い入れるのが常でした。
でも、ろくに資金を持たない私などが税理士事務所として独立して、たまたま発売直後のウィンドウズ3.1のOS登載可能なパソコンを導入。
とても身軽なスタートアップを切ることができました。
パソコンを買い込んできて、ヨドバシカメラのお兄さんに電話口で聞きながら、PCをセットアップしました。
当時のパソコンは、まだまだ自分で組み立てなければならない状態でしたから、メモリカードを差し込み、プリンタを接続し、OSを数十枚のフロッピーディスクでインストールし、ひとりで、夜っぴてかかって組み上げました。
会計業務において、税務シミュレーションにおいて、コンサルティングにおいて、パソコンは、特に3.1以降のウィンドウズは、自分たちにとって、まさにその後新しい業務をお客さまに提供するうえで、とても強力な武器になりました。
渋谷パソコン倶楽部は、楽しげに、でも、そんな税理士の情熱でスタートしたのです。
公認会計士でいらした高木先生は、我々スタートアップメンバーからはちょっと上の世代。
当時は、お年をお伺いするなど思うべくもなかったのですが、逆算すると56歳くらいでいらしたのでしょうか。
とても穏やかで、優しい風貌と語り口が印象的で、当時(まだ)若かった(つもりの)私たちは、高木先生に甘えて、談論風発、お酒を酌み交わしながら議論を交わしたものでした。
優しい笑顔で、ちょっとお酒に顔を赤らめて、にこにこと、我々の議論を楽しんでいらっしゃいました。
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写真は、お通夜の受付のテントの横に、威風堂々、篝火のように、組み上げられていた3本のオールです。
高木先生は、120年の歴史をもつ一橋大学ボート部(端艇部)でご活躍なさっていたのだそうです。
もう、きっと40数年、どうかすると奥様達より長い間一緒に、練習の中で、レガッタの最中で、ともに青春を、壮年を生きてこられたボート部の同窓生の方々が、高木先生を懐かしみ、思いやる姿に、胸が詰まりました。
癌で闘病されていたというお話を伺い、何で一度でもお見舞いに伺わなかったのかと悔やまれました。
高々とそびえるオールを仰ぎながら、高木先生が、きっと今は、お楽になられて、相変わらず、あの優しい笑顔でいらっしゃるのだろうと願わずにはいられませんでした。