大失敗

 大失敗でした。
 不覚でした。
 今思っても、情けなくなります。

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 相続税申告のお客さまが、絵画を所有していらっしゃいました。

 著名な画家の作品です。

 お客さまは、リビングに飾られ、朝な夕なに、楽しみに愛しんでらっしゃったそうです。

 そうして数十年経ったそうです。

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 相続申告にあたって、精通者、つまり美術商のかたに、鑑ていただくことになりました。

 結果は、厳しいものでした。

 その結果を、お客さまにお伝えしようとしたのです。

 説明を申し上げるうちに、みるみる、お客さまのお顔が蒼白になりました。

 愛して、慈しんでいらした作品に出た厳しい鑑定。

 しまった!と思ったときは、時、既に遅く、お客さまはとても落胆してしまいました。

 ☆  ☆  ☆

 もちろん、これだけ厳しい鑑定では、相続税の上で評価することはありませんので、税務上は、負担がなくなります。

 でも、お客さまにとっては、相続税がかからなくて、よかったね、という問題ではなかったのです。

 全く迂闊であり、申し訳ないことでした。
 
 一生懸命謝りましたが、謝りきれないことでした。

 お客さまは、事実は、事実なのだから、と、それがわかってよかったのだ、と、おっしゃってくださいましたが、私が、ご報告の仕方を、注意すべきだったのです。

 お客さまのお気持ちを先回りする気遣いが、私にほんのちょっとでもあれば、ちがっていたはずなのです。

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 専門家として、技術も知識も重要なのですが、それらは何のためか、といえば、お客さまをお支えするためです。

 それができずに、どんなにがんばって仕事をしても、意味がありません。

 この失敗を、これからの私自身の、基軸にしていきたいと思うのです。

 必ずや、ほんとうにお客さまのお気持ちに沿える税理士になっていきたいと思います。

 その基軸を、改めてお客さまに教えて頂きました。
 ありがとうございました。
by expresstax | 2006-07-05 23:51 | 相続・贈与

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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