ウォーキングシューズにズボンにジャケット。
草むらをざぶざぶと歩ける出で立ちでお伺いしましたが、甘かった!
ご相続人様が、長靴と防水ズボン、長袖シャツを準備してくださいましたが、まさにそれが正解。
同行の担当税理士Sさんと、そそくさと着替えて、アヤしい3人組となって現地に向かいました。
草むらどころか、最近の雨を受けて、草木はほとんどジャングル化。
測量図が一部しかないため、まず、計測です。
メジャーが渡る程度に、鎌で下草を刈りながら、踏みしめながら前進、ジャングルをかきわけて、計測を敢行します。
スーツを脱いで、まるで現場作業員のようになったSさんが、たくましく密林を突き進む姿は、感動ものでありました。
通常の計測は、メジャーや超音波距離計、ステッキメジャーなどを駆使するため、Sさんが、これら七つ道具を抱えていってくれましたが、もう、メジャーしか通用しません。
板切れを動かすと、下に生息していた虫の大群が一気に離散します。
土の中、壁の下、葉の裏、小さな生命達が、てんこ盛り、見つかります。
土から顔をのぞかせる小さなすみれ。
一面に落ちているさくらんぼ。
惜しげもなく転がっている青梅の実。
からまってくる、頑強な蔓。
草いきれ。
自然満載です。
境界石の確認できないポイント、
占有界が食い込まれてしまったかのような境界、
隅切りが反映されていない図面、
都度判断しながら進行します。
泥でどろどろ、汗みどろになりながら、計測を完了しました。
途中で相続人様が差し入れて下さったミネラルウォーター、そしてお昼に作って下さった明太子と山芋と茗荷が山盛りの冷うどんの、なんと、喉越しよくおいしいこと。
LOHASな日です。
ごちそうさまでした。
ありがとうございました。
冷たい緑茶をいただきながら、これからのこと、お気持ち、問題点など、お話を伺います。
とてもプライベートなお話も出てきますが、そうしたことも、実は、とても大切です。
一息ついて、ご自宅を後に、お役所の都市計画課や法務局に回り、開発要綱や都市計画図を入手。
これで、基礎資料が、ほぼ完了、となりましたが、評価上は、課題が4点にものぼることがわかりました。
いよいよ、財産評価の方針と納税の展望を出していきます。
調査と試算と立論と。
これが面白いところです。
☆ ☆ ☆
土を踏みしめて、草をかき分け、木々の名前をお尋ねするうちに、そのご家系の姿を、まっすぐに受け止めることができます。
現地調査は、大変ではありますが、まさに、我々税理士が、お客さまのご信頼を一身に受け、問題を解決するうえでの大切なプロセスです。
相続税申告で、現地調査をしない申告が多々あると聞きますが、あってはならないことです。
公図や測量図の机上評価だけだったりとか、
やったとしても、無資格パートさんに適当に測らせたりするだけだったりとか、
その評価額が適切でない場合に、専門家としての義務違反として、訴えられたりする事件が続いているそうですが、
当然でしょう!
☆ ☆ ☆
というより、こんな楽しくエキサイティングな時間を経験しないなんてね。
これが資産税の醍醐味なのに、ね。