固定資産の交換の都市伝説? あじさいの赤ちゃん

 先日からの固定資産の交換特例についてのご相談。

 ご相談を受けながら、
 固定資産の交換特例が適用されるためには、
 交換後、1年間は所有しなければならないですよね、というご質問を受けました。

 同席の税理士先生も、同じご意見だったので、
 あれ~?
 と思った次第です。

 ☆  ☆  ☆

 土地建物等を交換した場合に、
 土地を売って代金の代わりに土地を取得したに過ぎないので、
 本来は、土地の譲渡所得(値上がり益)に対して課税が行われます。

 でも、その交換が、もともと持っていたものを置き換えただけに過ぎないね、というときは、
 その値上がり益には当面課税せずに、減価償却や次の譲渡の時まで繰り延べるというのが
 固定資産のの交換特例(所得税法58条、法人税法50条)です。
 本法交換ともいいます。

 ☆  ☆  ☆

 もともと持っていたものを置き換えただけに過ぎないね、とされるためには、次の7つの要件があります。
 国税庁タックスアンサー「No.3502 土地建物の交換をしたときの特例」が分かりやすいです。
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(1) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも固定資産であること。
 不動産業者などが販売のために所有している土地などの資産(棚卸資産)は、特例の対象になりません。

(2) 交換により譲渡する資産及び取得する資産は、いずれも土地と土地、建物と建物のように互いに同じ種類の資産であること。
 この場合、借地権は土地の種類に含まれ、建物に附属する設備及び構築物は建物の種類に含まれます。

(3) 交換により譲渡する資産は、1年以上所有していたものであること。

(4) 交換により取得する資産は、交換の相手が1年以上所有していたものであり、かつ交換のために取得したものでないこと。

(5) 交換により取得する資産を、譲渡する資産の交換直前の用途と同じ用途に使用すること。
 この用途については、次のように区分されます。

 交換譲渡資産の種類が土地の場合の用途の区分:
    宅地、田畑、鉱泉地、池沼、山林、牧場又は原野、その他

 交換譲渡資産の種類が建物の場合の用途の区分:
    居住用、店舗又は事務所用、工場用、倉庫用、その他用

(6) 交換により譲渡する資産の時価と取得する資産の時価との差額が、これらの時価のうちいずれか高い方の価額の20%以内であること。

(7)交換の日の属する年分・事業年度の確定申告で、交換特例を適用すること。

 ☆  ☆  ☆

 さて、これらの要件の中に、先のご質問のような
 「交換後、1年間は保有しなければならない」という要件は、ありません。

 1年要件は、交換前の保有期間だけです。
 上の要件でいえば、(3)~(5)が混同されてるのかな、と思います。

 その場にいた複数の方がそう思い込んでいたとすると、
 ちょっとした都市伝説といえそうです.

 もちろん、交換後譲渡した場合は、先日のお客様とのやりとりで書いたように、
 結果的に譲渡所得課税を受けますが。
 
 国税庁の質疑応答にもありますので、確認してみて下さい。
 「交換により取得した資産を同一年中に譲渡した場合

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 そろそろ梅雨ですね。

 晴れた日に、額アジサイの赤ちゃん達が一杯でした。
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by expresstax | 2017-06-07 23:45 | 譲渡  

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