相続税の新たな課税層と弊社のお客様、そしてシルエットの富士山
 先日、弊社の相続税申告が増えて、というお話しをしましたら、
 「やはり、基礎控除が下がったために、
 申告するようになった人が増えているんですか?」と聞かれました。

 ☆  ☆  ☆

 相続税は、平成27年1月1日以後亡くなられた人は、
 それまで5千万円+1千万円×法定相続人数 だった非課税枠(基礎控除)が、
      3千万円+600万円×法定相続人数に、下がり、
 相続人が2人だと、課税対象遺産4,200万円で、相続税申告しなくちゃいけなくなる、という
 「相続税の大衆課税時代」になったと言われます。

 ☆  ☆  ☆

 確かに、平成28年12月15日に国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によれば、
 全死亡者129万人のうち、相続税のかかった人は10万3千人で平成26年の倍増、
 課税割合は8.0%で、平成26年の4.4%から激増、
 そして納税額も、5千億円増加しています。
 
 でも、被相続人ひとりあたりの課税価格は2億400万円から1億4,126万円に減少
 税額も、2,473万円から1,756万円に減少、
 というところを見ると、

 確かに、申告義務あり、として増加した人達4万6千人は、
 非課税枠が下がって、新たな課税層といえるでしょう。

 全国平均で8.0%ですが、
 東京国税局(東京・千葉・神奈川・山梨)管内では、12.7%に上っています。
 平成26年では、7.5%でした。

 東京都だけのデータは出ていませんが、
 東京23区内のデータが出れば、もっと大きな数字になるでしょう。  
相続税の新たな課税層と弊社のお客様、そしてシルエットの富士山_d0054704_20111189.gif
 















 ☆  ☆  ☆

 でも。
 弊社に限れば、旧制度で非課税枠以下だったけど、
 新制度だから申告義務が生じた、という方は、
 実は、一人もいらっしゃらず、
 全員、旧制度でも課税対象だった方達です。
 
 つまり、相続税増税を、ストレートに受けているお客様たちです。

 5千億円増加した納税額の、主な負担者は、
 新たに課税された人ではなくて、
 元々課税対象で、
 基礎控除が下がって、適用限界税率が上がって、
 税負担が激増してしまった方々です。
 
 このお客様達に、なんとか、お力にならねば、と
 がんばっています。

 ☆  ☆  ☆

 とてもよく晴れた夕暮れ。

 執務室の窓の左端に、
 丹沢の山々の向こうに、富士山がシルエットで、現れました。
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by expresstax | 2017-02-03 23:14 | 相続・贈与

税理士飯塚美幸のひとことメッセージ
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 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

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