税理士飯塚美幸のひとことメッセージ

by expresstax

居住用財産の買換特例の価格要件、そして恵比寿ガーデンテラスのバカラ

 ちょっと前のことですが、不動産のプロの方からご質問をいただきました。
 ありがとうございます。

 ☆  ☆  ☆ 
 
 居住用財産の買換え特例(租税特別措置法36条の2ですね。(^^))について、
 今は、1億5千万円までなら使えるんですよね、というご質問です。
 今回、1億4千万円で売るんです、とのことで、

 年末決済の売却と購入の仲介、両手取りのお仕事のようで、
 声が弾んでいます。
 
 うーむ、水を差すようですが、と思いつつ、お答えします。
 え-、昔は、価格青天井で使えていた時代もあったのですが、
 平成21年1月1日以後の譲渡では、売価2億円以下に、
 平成24年1月1日以後の譲渡では、売価1.5億円以下に、
 平成26年1月1日以後の譲渡では、売価1億円以下に、と厳しくなっています。

 この要件は、今回の税制改正大綱では、平成28年以後も、29年末までは延長されているので、
 仮に取引が、来年1月になったとして、今現在の売価制限は、1億円です。

 プロの方、え~っっ!と驚かれています。
 仲介業務が、ガラガラと音を立てて崩れる、といった様相です。
 ヘタをすると責任問題、と脳裏をよぎったかも知れません。

 あまりの驚きように、こちらも、念のために、他の条件、
 つまり、所有期間が1月1日現在で10年超だとか、居住期間が10年以上だとか、
 満たしてるんですよね、と、ちくちくお伺いしつつ、
 所有者は、お一人ですか?とお尋ねしました。

 あ、え、とお調べになって、えっと、2人の共有です。
 半々ですっっ!
 ほとんど叫び声です。

 おお、なるほど。
 であれば、一人当たりの譲渡対価は、7千万円ですから、OKになります。

 え。そんなことできるんですか!?と更に驚いておられます。

 できるとかではなく、そのように決まってるんですね。

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租税特別措置法基本通達36の2-6の2
譲渡に係る対価の額が1億円を超えるかどうかの判定

 措置法第36条の2第1項に規定する譲渡資産の譲渡に係る対価の額(以下この項において「譲渡対価」という。)が1億円を超えるかどうかの判定は、次により行うものとする。
(1) 譲渡資産が共有である場合は、各所有者ごとの譲渡対価により判定する。
(2) 略
===================

 このあたりは、例えば、面積要件である50㎡以上要件などは、
 共有者別判定でなく、物件判定になるので、
 対価要件も、その物件で判定、と早とちりしそうですが、
 そうではないんですね。

 現在の買換特例対象が1億円以下なので、
 3人で1/3ずつ共有なら、3億円以下もOKとなります。

 不動産の共有って、相続などでは、困ったちゃんですが、
 譲渡の場合は、3千万円控除がやはりひとりずつ使えるとか、
 有利なこともあります。

 という説明で、
 良かった~~!と胸をなで下ろしたらしいご質問者様でしたが、

 ここで安心しないで、
 対価が一人7千万円となったことで、
 取得価額を確認したうえで、
 3千万円控除+軽課税率との有利不利など、
 もういちど、事前によく税理士先生に確認していただけるように、
 お客様にアドバイスして差し上げて下さい、とお願いしました。

 それに、そもそもこの特例、要件が転変と変わるだけでなく、
 価格要件のような増税項目が、
 税制改正では、改正年の3月に国会で法律化されるのに、
 適用は、その年の1月1日以後譲渡に遡及適用されてきた、という
 インケンな改正経緯を辿っています。
 
 落とし穴に落ちろ!と行間に透けて見えているような法律ですから、
 プロの方も、まして、マイホーム譲渡を真剣に考える方も、
 くれぐれも、お気を付け下さい。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 最近の事案やご質問で、共有、多いなというのが実感です。
 よく気を付けて下さい。

 ☆  ☆  ☆

 世の中は、クリスマス一色ですね。
 恵比寿ガーデンのバカラのクリスマスイルミネーションです。
 渋谷事務所時代は、よく来ていたのですが、最近はご無沙汰でした。
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by expresstax | 2015-12-25 23:47 | 譲渡