タワマンと財産評価の国税見解・2、そしてクリスマスツリー   

2015年 11月 09日

 先日書いた、タワマン節税規制要望に対する記者発表資料。

 この中で、国税さんは、2つの判決の判旨をアンダーライン付きで掲載しています。
 国税さんの脳内チェックができそうですので、ちょっと見てみましょう。

 まず、1つめの判決です。
 アンダーラインを抜粋すれば、次のようになります。
===========================
 東京地裁平成4年3月11日判決の判旨

「右の評価方式を画一的に適用するという形式的な平等を貫くことによって、かえって実質的な租税負担の公平を著しく害することが明らかな場合には、別の評価方式によることが許されると解すべきであり」
 ・・・
「相続財産の評価に当たっては、特別の定めにある場合を除き、評価通達に定める方法によるのが原則であるが、評価通達によらないことが相当と認められるような特別の事情のある場合には、他の合理的な時価の評価方式によることが許されるものと解すのが相当である。」
 ・・・
 「被相続人が相続開始直前に借り入れた資金で不動産を購入し、相続開始直後に右不動産が相続人によってやはり当時の市場価格で他に売却され、その売却金によって右借入金が返済されているため、相続前後を通じてことがらの実質を見ると当該不動産がいわば一種の商品のような形で一時的に相続人及び被相続人の所有に帰属することとなったに過ぎないと考えられるような場合についても、画一的に評価通達に基づいてその不動産の価額を評価すべきものとすると、他方で右のような取引の経過から明らかになっているその不動産の市場における現実の交換価格によってその価額を評価した場合に比べて相続税の課税価格に著しい差を生じ、実質的な租税負担の公平という観点からして看過しがたい事態を将来することとなる場合ががあるものというべきであり、そのような場合には、前期の評価通達によらないことが相当と認められる特別な事情がある場合に該当する」
==========================

 この判決は、昭和62年12月19日開始相続に係る相続税申告について否認を受け、
 平成4年3月11日東京地裁で原告敗訴、原告控訴、
 平成5年1月26日控訴審(東京高裁)で原告敗訴、上告、
 平成5年10月28日最高裁棄却、納税者敗訴が確定しています。

 そもそも、平成3年12月から旧租税特別措置法69条の4で、
 取得3年以内の不動産を取得価額評価すべしとする個人3年縛りが導入される前の事件です。

 相続開始2ヶ月前に3年元本据え置き借入で7.5億円のマンションを購入、
 相続の翌月売買契約を締結、3ヶ月後に売却、相続税申告では1.3億円で評価、
 当時のリクルートさんのマンションを、ファーストファイナンスが融資して、という
 典型的な節税事案です。

 国は、3年縛り規制法を先に作ってしまい、判決はそれを追認しているのですが、
 まだ規制法ができる前の相続なので、総則6項を持ち出してはいないものの、
 「評価通達によらないことが相当」と判決しています。
 
 ☆  ☆  ☆

 以前、ここでも取り上げたように、平成23年7月1日裁決の六本木ヒルズレジデンスの否認事例とも、
 そっくりなパターンですね。
 
 というわけで、この項目は続きます。

 ☆  ☆  ☆
 
 自宅マンションのロビーのクリスマスツリーが点灯しました。
 ハロウィンが終わると、すぐクリスマスムードに入るんですね。
d0054704_3403386.jpg

by expresstax | 2015-11-09 23:35 | 財産評価

<< タワマンと財産評価の国税見解・... タワマン節税のゆくえ・1、そし... >>