役員報酬額を決めるのに、
勤務時間や業務内容によって、どうしたらいいか、
お知り合い様が、お知り合い様の会社での役員報酬について、
税務調査で否認を受けてしまったそうなのです。
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こうした金額認定の問題では、とてもよく出てくるご質問なのですが、
会社からの報酬が、低いか高いかは、
その法人の利益やその役員様の貢献度により、
個別に検討して決めて頂くべきものです。
役員は、法人との委任契約により、その経営責任の遂行の対価として、報酬を得ます。
従業員(労働者)は、雇用契約により、その労働への対価として、給料を得ます。
その基準は、全く違います。
一番汗をかいた人が、一番エラくて、一番高い対価を得るなら、
会社で、お掃除のおばちゃんが一番高い報酬になるでしょう。
もしかしたら、お客様やお知り合い様の誤解の原因は、
個人事業者時代に、
ご家族が家族従業員=事業専従者としてお給料を受けていたときと、
混同しているのじゃないか、という意見がでました。
青色事業専従者は、まさに事業に専従して、
その必要経費となる給与額は、
「労務に従事した期間、労務の性質及びその提供の程度、
その事業の種類及び規模、
その事業と同種の事業でその規模が類似するものが支給する給与の状況
他の使用人が支払を受ける給与の状況
その事業の収益の状況に照らしその労務の対価として相当であると認められるもの」
(所得税法57条、所得税法施行令164条)
とされています。
これは、そもそも生計一で、同じ家族でポケットも一緒、
そんな中で、給与ったって、お手盛り。そのままじゃ認めにくいよね、
だけど、具体的にこうした労働をしているから、適正額は経費として認めるよ、という制度です。
この家族従業員の給与必要経費算入額の問題と、
家族であれ、会社法上の取締役の経営責任を負う家族役員の報酬が、
どうも、ごちゃ混ぜになっているのではないでしょうか。
あるいは、ごちゃまぜになっているのをいいことに、
お知り合い様の会社の場合も、
税務調査の場で、調査官が「ふっかけ・ゆさぶり」をして、
あたかも、役員報酬も、労働の従事度合いで決めねば、という空気を醸しているのではないでしょうか。
もちろん、役員という以上、名目だけの、なんら経営に後見しない役員では、論外。
昔、野村沙知代事件なんてのもありましたが、
いかに役員といえど、架空給与は、完全な脱税です。
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中小企業の会計については、以前にもこのブログで書いた記憶がありますが、
特に、数字に関すること、基準に関すること、税務上は認定に関わる部分については、
しっかりとその法律の意味と、税務上の考え方を理解していただくことだと思います。
そうして、胸を張ってどんどん発展していける、
素晴らしい法人を築いていきましょう。
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事務所ビルの公開空地の庭園は、黄色いツワブキが満開になっています。
年ごとに、背丈が高くなっています。