ペットロスと虹の橋

 お客様の大切なペットのNちゃんが亡くなりました。
 
 ご高齢のお客様は、Nちゃんの元気な頃は、近所の大きな公園で毎日お散歩するのを、
 このうえない楽しみになさっていました。
 
 でも、Nちゃんも、もう犬年齢では高齢で、病気をあちこちに頻発させ、
 そのたびに動物病院通いをして、がんばっていました。

 お客様は、それは悲しまれ、日に日に元気がなくなり、はたで拝見しても切なくなるほどでした。
 でも、この悲しみは、到底癒やすことはできません。
 我々も、ただ、つらいですね、としか申し上げられずにいました。私自身、ワンニャンに囲まれて育ちましたから、痛いほどわかります。

 しばらくした頃の月次会議のときに、あいかわらず意気消沈なさっているお客様に、
 そろそろNちゃんの跡継ぎをもらってはどうですか?とお尋ねしました。

 すると、ペットを飼ったら今度は先にお客様の方が先に行ってしまうんだし、
 長生きしたらまた見送らなきゃならなくなるでしょう、と
 周囲から、反対されてしまったと、肩を落とされました。

 そこで、
 お客様に万一のことがあったら、我々がお世話しますよ、
 でも、お客様がもっともっと長生きして、また一緒に見送れるようにがんばりましょうよ、と
 申し上げました。

 お客様は、お顔を上げて、深く頷かれました。

 ☆  ☆  ☆

 それからまたしばらくの時が過ぎて、今日、お伺いすると、
 玄関口に、茶色いモコモコが走ってきました。
 3ヶ月のトイプードルのLちゃんです。
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 最初、スマホの写メの音にびっくりしていましたが、
 すぐ、澄ましてモデルのようにじっとカメラに収まりました。

 Lちゃんは、チャンピオン犬の子なのだそうで、驚くほど賢く、美人で、
 ブリーダーさんからしっかりと躾を受けてきています。

 でも、さすがに3ヶ月。跳ね回り、飛び回り、私の鞄の金具を甘噛みし、すり寄ってきます。
 それをお客様は、目を細めて、とても嬉しそうにごらんになっています。
 そのお幸せそうなご様子に、我々も、よかったなあ、と、拝見しました。

 ☆  ☆  ☆

 「虹の橋」という伝説があったそうです。
 William N. Brittonさんなどが、これを詩にして伝えています。
 
 亡くなったペットの魂は、もう痛みからも苦しみからも解放されて、
 虹の橋のたもとの、暖かな日差しの緑の草原で、飼い主を待っている。
 するといつか、飼い主が、口笛を吹いて丘の向こうから現れる。
 走り、駆け寄り、互いに抱き合い、キスの嵐を浴びせ、
 もう二度と離れることなく、一緒に橋を渡って天国へと向かう、と。
 (著作権がありますので、勝手に意訳しました。)

 ペットロスは、つらくてつらくて、癒やしようもないものですが、
 それでも、Lちゃんを愛することは、Nちゃんを忘れることではなく、
 お客様がLちゃんに癒やされて幸せに生きて行かれることは、
 Nちゃんにも幸せなことなのでしょう。

 いつか、Nちゃんと、虹の橋のたもとで再会して、
 もしかしたら、Lちゃんも、我々も、順番に再び巡り会って、
 にこにこと、みんなで手を繋いで、橋を渡っていけたらいいなあと思います。






 
 
 

 

 
 
 

by expresstax | 2015-10-20 23:50 | お客様  

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