居住用財産の3千万円非課税は一人当たり利益

 お客様からご質問をいただきました。
 ありがとうございます。

 不動産仲介業務をなさっているお客様のお取引先様からのご相談とのことです。

 そのご相談者様がマイホームを売却なさる。
 そのマイホームは、ご家族数人の共有なのだそうで、
 昨今の不動産市況で、かな~りの譲渡益が出るとのこと。
 何よりですね。

 そこで、売った住宅は1つでも、3人の共有なのだから、
 居住用財産譲渡益の3千万円特別控除は3人分、
 つまり、最大9千万円まで使えるんですね、というのがご質問です。

 はあ、一見そう見えるんですが、
 この特別控除は、一人ずつ譲渡税申告にあたって適用するために。
 あくまで一人当たり譲渡益3千万円までという制度なのです。

 したがって、3人共有でも、一人一人の持分が問題です。

 なので、例えば1億円で譲渡して、取得費と譲渡費用合計は1千万円だった、という場合、
 譲渡益9千万円から、3千万円×3人=9千万円を控除して、非課税となるわけではありません。

 もし、土地の持分が、共有者である父3/5、母1/5、子1/5なら、
 各人の譲渡益は、この割合です。
 つまり、父9千万円×3/5=5,400万円、母1800万円、子1,800万円と按分します。

 そうすると、3千万円の特別控除を使っても、母と子は譲渡所得ゼロとなりますが、
 父は、5,400万円-3千万円=2,400万円の譲渡益になります。

 3千万円特別控除を越えても、
 その住宅が譲渡年1月1日現在で、10年超所有、10年以上居住なら、
 越えた分については、6千万円までは、
 譲渡所得税の軽課税率(所得税10%、住民税4%、復興特別税2.1%)が適用できます。

 3千万円特別控除が、頭数分使えるわけではありませんから、
 よく持分を聞いていただいて、お取引様に税務事故にならないようにしてさしあげてください。

 また、持分といっても、建物の持分が土地持分と違っている、
 例えば、土地は上記割合であっても、建物は、全部子名義だった場合、
 住宅ローン設定の関係で、よくありますよね。
 この場合でも、父や母の土地は、居住用土地とならないか、といえば、
 建物名義がない人でも、建物所有者と同居・同一生計なら、
 土地も居住用財産として特例が使えたりします。

 土地・建物の持分や所有期間については、
 ご相談者である所有者ご自身が記憶があいまいになっていることも多いのです。
 
 登記簿で、持分や取得日をよく事実確認してから、譲渡の戦略を立てる、
 くらいでちょうどいいのです。

 よくアドバイスしてさしあげてください。

 ありがとうございました。 
  


















 
 

 

by expresstax | 2015-09-28 23:17 | 税務手続き  

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