6億円贈与税ゼロ記事、そして赤坂氷川祭   

2015年 09月 14日

 お客様からご質問をいただきました。
 ありがとうございます。

 朝日新聞デジタルさんの平成27年9月12日付の
 「『その6億円、税金ゼロで息子さんに……』 節税ブーム」という記事についてです。

 中でも、「タワマン、時価と評価額の落差を『活用』」という項目で、

 法人を通じて、出資資金と借入でタワーマンションを買い、
 評価を圧縮して、法人株式評価額をゼロとして、贈与すれば、
 出資資金6億円でも、ゼロ円贈与ができる、と書かれています。

 お客様は、
 マンションが値下がりする不安はあっても、
 相続税を心配する者には、「贈与税ゼロ」は魔力のある言葉だといって、お尋ねになりました。

 お聞きいただいてよかったです。
 この記事には、一番大事な部分の抜け落ちがあるからです。

 ☆  ☆  ☆
 
 法人が不動産を取得後3年間は、
この記事にあるような相続税評価では評価できず、
通常の取引価額か取得価額で評価しなければなりません(財産評価基本通達185)。
 
 通達では次のように書いています。
=============================
財産評価基本通達185 この通達に定めるところにより評価した価額の括弧書き

(この場合、評価会社が課税時期前3年以内に取得又は新築した土地及び土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)並びに家屋及びその附属設備又は構築物(以下「家屋等」という。)の価額は、課税時期における通常の取引価額に相当する金額によって評価するものとし、当該土地等又は当該家屋等に係る帳簿価額が課税時期における通常の取引価額に相当すると認められる場合には、当該帳簿価額に相当する金額によって評価することができるものとする。以下同じ)
=============================

 また、自社株の評価では、純資産価額評価額だけでなく類似業種比準価額との加重平均の方法を採用でき、類似業種比準価額が低い場合は、結果的に評価引き下げできる場合もありますが、
 
 これも、設立3年未満(開業後3年未満)の法人は、類似業種比準価額は採用できず、純資産価額のみで評価することとされています。(財産評価基本通達189-4)

 新聞記事には、
 3年経過後に不動産物件を取得したとも、
 3年経過後に、贈与したとも書かれていません。

 もし、法人設立後すぐマンション取得し、すぐ法人株を贈与したら、
 贈与税ゼロどころか、ごっそりかかります。

 この税理士の「プラン」を真に受けて贈与を実行した「息子」さんが実在したとしたら、
 来年の贈与税申告後、国税さんから税務調査を受けて否認され追徴されるか、
 贈与税ゼロだからと贈与税申告しなければ、国税さんから決定通知を受けて追徴されることになります。

 あるいは、そもそもこの「男性」と「息子」が、「ネタ(=記事のための作り話)」だったら、それまでですが、
 このところの「タワマン節税けしからん」論調のキャンペーンか、との勘ぐりも出そうです。

 ☆  ☆  ☆ 

 では、設立開業3年以上の会社に6億円増資して、時価と相続税評価の乖離のある物件を取得し、
 3年経過後に株価が引き下がった後に贈与したらどうか。

 これは、現行法や通達では相続税評価でOK、
 借入による物件取得や設備投資3年経過後は、一般的に純資産価額が下がりますから、
 3年経過後に自社株の譲渡や贈与を行うことは、
 大変よく行われています。

 ただし、今の赤坂や六本木のタワマンが高額になっていて、表面利回り2%程度になっていますので、
 資金収支はカツカツか、赤字になります。法人はそれに3年以上堪えられないといけません。

 記事を見て安易に飛びつく人がいたら、大変なことになります。
 もし、税理士が、この「3年縛り」を無視してアドバイスしたとしたら、とんでもないことですし、
 新聞社さんが、取材で受けたその話をチェックなく掲載するのは、問題だと思います。
 
 また、土地の評価通達改正が準備されているとの情報がありますから、
 一概にはいえません。

 よく情報を吟味しながら、判断していくようにしましょう。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆ 

 平成27年9月11~15日は、赤坂氷川祭の本祭です。
 赤坂氷川祭は、赤坂氷川神社の赤坂から麻布・六本木・虎ノ門までの氏子24町会の氏子祭ですが、
 江戸時代は21町会、今は東京ミッドタウン町会やアークヒルズ自治会も加わっています。

 11日の宵宮から始まって、12日の子供御輿と山車連合巡行、そして13日の神幸祭巡行。
 この神幸祭巡行に、弊社は参加しています。

 各町会神輿と連合巡行で、今年は猩々(しょうじょう=架空の赤毛の獣)山車(だし)を引きました。

 現在8つの山車が完成し、毎年お披露目しているのは、特定非営利活動法人赤坂氷川山車保存会が、
 少しずつ復元作成しているからです。

 弊社は、このNPO法人赤坂氷川山車保存会の会員でもあります。(^^)/

 今年も、弊社の老兵たち(^^ゞが、懲りずに山車を引いてきました。
 写真は、朝、氷川神社の境内に集合した際に一人一人に渡される手ぬぐいとお茶、氷川祭パンフです。
 これに保存会のハッピがつきます。
d0054704_9253134.jpg




































































 

 

 

by expresstax | 2015-09-14 23:09 | 相続・贈与

<< デジタルシニア、そして赤坂氷川祭 60万円以上の工事費は修繕費じ... >>