税理士飯塚美幸のひとことメッセージ

by expresstax

改正マイナンバー法成立、民法改正は延期、そして空中の擬宝珠

 改正マイナンバー法が今日、平成27年9月3日に衆議院で成立しました。
 預金・医療・自治体でのマイナンバー利用拡大を可能とする改正です。
 正しくは、「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律」といいます。

 平成27年2月26日付で内閣府大臣官房番号制度担当室からリリースされた
 改正法律案(概要)<マイナンバー法改正部分>がわかりやすくまとめられています。

 特に、預金口座での利用については、
 
① 預金保険機構等によるペイオフのための預貯金額の合算において、マイナンバーの利用を可能とする。
② 金融機関に対する社会保障制度における資力調査や税務調査でマイナンバーが付された預金情報を効率的に利用できるようにする。」

 と、思い切り、税務調査利用が謳われています。

 つまり、国税通則法等を改正して、金融機関が税務当局からの照会に効率的に対応することができるよう、預金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理する義務が課されます。

 口座設定時の番号記載義務付けはなく、
 本人同意でなければ、「ひもつけ」もない、という建前になっていますが、

 今回改正で、金融機関はマイナンバーのデータベース化を行う義務が生じますから、
 預金者・債務者は、金融機関からマイナンバーの告知を求められることになるのでしょう。

 預金にマイナンバーをベースに、預金等の「名寄せ」が行われ、
 課税当局が、各個人や法人の資産把握できるようになるには、あっという間なのではないでしょうか。
 
 法律附則12条4項では、施行後3年、つまり平成30年を目途に見直しして、
 所要の措置(=附番ひもづけ義務化促進でしょう)するとしていますから、
 そこまで、そしてそれからが問題です。

 法文を読んでいて気になるのは、「政府は~必要があると認めるときは、」という文言が多用されていることです。
 
 法律の改変や、施行の裁量性の政府主導が読み取れて、なんだかなあ、と思っています。

 ☆  ☆  ☆

 一方、昨日9月2日の日経新聞によれば、改正民法「民法の一部を改正する法律案」の審議は、見送りになったようです。
 安保法案の審議に吹き飛ばされました。

 ただ、論点が残っているのではないため、遅かれ早かれ、改正は行われるはずであり、
 また、改正内容そのものより、改正されている分野のご理解が経営上、大変重要ですので、
 押さえておいていただきたい項目ではあるのです。

 来週のお客様セミナーの時間配分を、どうしようかと考え中です。

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 ビルの空中中庭に大きな白い擬宝珠が咲いています。
 地上の擬宝珠はとっくに終わっているのに、
 不思議に満開、それに、大きいですね。
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by expresstax | 2015-09-03 23:41 | 法律