相続税の取得費加算特例のご質問、そして2年目の緑   

2015年 08月 24日

 先日の日税さんの講演をご受講いただいた税理士先生からご質問をいただきました。
 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 相続から3年10ヶ月以内に相続財産を譲渡した場合の譲渡所得税の計算で、
 売却資産にかかった相続税を譲渡原価にできるという、
 「相続税の取得費加算の特例」(租税特別措置法39条)についてです。

 相続税を払って取得した財産を売って、原始取得からの値上がり益にまた譲渡税がかかるなんて、
 二重課税じゃん!とならないための、二重課税排除のための制度です。

 この制度は、平成26年末までのご相続、平成30年10月末までの相続財産の譲渡の場合に、
 土地以外は、譲渡財産にかかった相続税分を非課税に、
 土地は、相続した土地全部にかかった相続税分を非課税に、できます。

 平成27年以後のご相続では、土地も、譲渡財産にかかった相続税分を非課税に、と、
 改正された部分です。
 土地だけ優遇しすぎてたよね、というのが、財務省さんの言い分でしょう。

 ☆  ☆  ☆

 さて、平成26年末までの相続だった。
 相続土地10億円、それに相続税が3億円かかっていたという、おおざっぱな設定です。

 たとえば、10億円の相続土地のうち、1億円分の土地を譲渡した場合は、
 譲渡対価1億円-譲渡原価3億円=所得ゼロ円、譲渡税ゼロ円になります。
 
 では、譲渡所得ゼロ円で済ませる、
 つまり、無税譲渡できるのは、最大いくらまで売却できるのかを、逆算する場合に、
 仮に、時価を相続税評価額とするなら、

 X億円-(X億円×5%+3億円×10/10+X億円×3%)=0
 
 これを解くと、X=3.26億円となり、
 
 3.26億円-(3.26億円×5%+3億円×10/10+3.26億円×3%)=0
 
 となります。
 
 講義では、
 個別相続の相続税額と、土地評価額により、上記の数字は変わりますので、相
続税申告から3年以内の資産移転についてコンサルする際に行う計算を、とても
ざっくりした数字で表現しました。
 
 講演で話したように、平成26年末まで開始相続、平成30年10月までの譲渡につ
いて最もメリットがあるテーマです。

 取得費加算の特例は、同族間での売買でもOKですから、
 仮に、3年10ヶ月以内に外部売却できなくても、
 同族法人などに、時価で、時価が相続税評価額なら
 限度額の残り部分を譲渡税ゼロ円で移転してしまえば、
 次に外部売却するときに、そこからの値上がり益だけが、課税対象にできます。

 つまり、相続財産の簿価上げができちゃうわけです。(^_-)☆

 ☆  ☆  ☆

 この講義設問では、

 前述の取得費加算の期限内最有利活用と、
 買換特例と取得費加算、
 取得費加算活用と登録免許税・不動産取得税の軽減の

 3つの工夫をコテコテに組み合わせて、説明しましたので、 
 分かりにくかったかも知れませんが、
 該当のお客様がいらしたら、とても喜んでいただける工夫だと思います。
 ぜひ、研究なさってみて下さい。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 夏の猛暑が一服しています。

 築丸2年になる事務所の公開空地は、緑に溢れてきました。
 遊歩道の下からです。
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 青山通りの裏通りにあたるビルの裏側エントランスの桂の木も、
 新築の頃は細く、頼りなげでしたたが、茂ってきました。
 光を透す薄く丸い葉の桂は、好きな樹のひとつです。
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by expresstax | 2015-08-24 23:37 | 譲渡

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