財産債務調書と税務調査、そして税理士先生のご上京

 財産債務調書シリーズその5です。
 
 資産3億円以上で所得2千万円超の人は、
 毎年12月31日現在の国内国外財産の明細を、確定申告書と一緒に提出しなければならない、
 というのが、財産債務調書制度です。

 つまり、自分に何かあった場合、というより相続時の財産明細を、
 毎年生前申告するようなもの。

 これが問題だ、と書きました。

 ☆  ☆  ☆

 というのも、所得2千万円超の人に提出義務づけられていた旧制度の「財産及び債務の明細書」は、
 思い切り、相続財産の生前申告調書として、扱われていたからです。

 例えば、生前に財産債務の明細書に、不動産を記載していた被相続人様の相続税調査で、
 その不動産が消失している場合には、いつ、どんな理由で、
 その不動産が、何に変わっていたか、調べられます。
 これを税務では、「化体する」といいますが、何に化体していたか、を調べるわけです。

 通常は、本人の譲渡税申告や親族等の贈与税申告などで、たどれるものは調べてきます。

 でも、例えば、生前に財産債務の明細書に、美術品などと記載していた被相続人様の相続税調査。
 
 それが何に化体していたか、必ず調べます。

 あるいは、相続時点でも保有していた場合、
 なぜ、相続税申告に計上しないのか、が、徹底して追及されます。

 例えばそれが、購入当時新人作家の絵画で、
 ご本人は、価値があると思っていた、あるいは、将来価値が上がると思っていた。
 でも、残念ながら、相続時に、市場流通できる絵画ではなかった場合。

 調査官さんは、必ず、何らかの価額で計上するように、強烈に勧奨します。

 それはそうです。
 生前に本人が提出していた財産債務明細書は、本人自身が財産と認識している資産の動かぬ証拠。

 もしそれを税務調査で見逃すなら、
 税務署が、会計検査院から、調査不十分としてお叱りを受けることになるからです。

 計上資産が化体していた場合、
 計上資産の価値がなかった場合、
 税務調査の招待状を発行したのも、同然となるのです。

 過去の相続税の税務調査の立会の際に、何度も経験して辟易してきたことです。

 ☆  ☆  ☆

 なんだかなあ、と思ったのは、 
 財産債務の明細書を提出していなかった被相続人様の場合は、
 税務調査があっても、何も言われないのに、

 財産債務の明細書を提出していた律儀な被相続人様の相続では、
 前記のような税務調査時のチェックが、徹底して行われたことです。

 ☆  ☆  ☆

 今度の財産債務調書は、財産債務明細書に比べ、さらに詳細に記載することが要求され、
 かつ、提出義務者は、資産所得両面での水準以上の人に絞り込まれます。

 相続税での税務調査が、明細書時代と比べて、さらに厳格になるだろうことは、
 想像に難くありません。

 そして、今年から、財産債務調書・国外財産調書、
 そしてマイナンバー制度が立体的に機能し始めます。

 所得税や相続税の若干の加算税のインセンティブ(お馬さんのニンジン)のために、
 安易に取り組むと、
 後が大変なことになるのではないか、と危惧しています。

 ☆  ☆  ☆

 ずっと以前に、研究会でご一緒していて、
 よく情報交換していた先生が、研究会のためにご上京なさって、
 赤坂まで来て下さいました。

 とても久しぶりでしたので、
 地下鉄で待ち合わせて、赤坂のうなぎ屋さん「ふきぬき」に繰り出して、

 呑みの食べのしながら、またまた、いっぱい、情報交換させていただきました。
 
 我々よりずっと先輩ですが、
 事務所の後継体制もバッチリできたそうで、
 溌剌とお元気なご様子に、我々も嬉しくなって、元気をいただきました。

 ありがとうございました。

























 
 
 
 


 
by expresstax | 2015-08-12 23:52 | 税制改正


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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自己紹介

税理士・中小企業診断士

東京都港区元赤坂一丁目
松木飯塚税理士法人
ホームページ http://mi-cpta.com
電話 03(5413)6511

 相続税・資産税コンサルティング・税務対策・税務申告代理・税務調査立会・売上倍増指導・ 相続人様の精神サポート・後継者教育・税制改正分析・講演・著作

 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

 "Always Keep Faith"。

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