美術品の減価償却資産計上基準の改正2、そして桜と鳥さん

 先日もここで書いた美術品の減価償却資産計上基準の改正について、
 お客様とご相談していた際に、誤解があるかなあ、と思ったので、書きますね。

 通達の文章では、展示用減価償却資産となるものについて、次のように注書きをしています。
============================
(注)1時の経過によりその価値が減少することが明らかなものには、例えば、会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料で公開するものを除く。)として法人が取得するもののうち、移設することが困難で当該用途にのみ使用されることが明らかなものであり、かつ、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものが含まれる。
============================
 
 ここでの、展示用等で、かつ、転用価値がないもの、の解釈です。

 展示用で、建物に固定してる銅像のようなものは、これに該当するだろうが、
 展示されている絵画で、他に移設できるものは、美術品として、非減価償却資産じゃないか、と。

 うーん、なかなかグレーなゾーンではあるのですが、
 実は、ここの部分について、国税さんの考えを見ることができるのが、
 この通達に先行して行われたパブリックコメントの説明です。

=============================
 これは、多くの者の目に触れる場所の装飾品として用途が限定されており、もし転売等をしようとしたとしても美術品等としての実質的な価値がないと見込まれるものについては、「時の経過によりその価値の減少することが明らかなもの」と言え、減価償却資産として取り扱うことが適当と考えたことによるものです。したがって、取得価額が1点100万円以上する美術品等について不特定多数の者の利用する場所に展示等をしているものであっても、例えば、ガラスケースに収納されている等、退色や傷が付かないように展示されているものについては、通常、他の用途に転用すると仮定した場合にその設置状況や使用状況から見て美術品等としての市場価値が見込まれないものとは言えないことから、「時の経過によりその価値の減少することが明らかなもの」には該当しないこととなります。
=============================

 つまり、絵画のような移設可能なものでも、
 上記のように「ガラスケースに収納されている等、退色や傷が付かないように」されていない場合には、
 退色=褪色(色が褪せる)してしまいます。

 美術品の保管は、光量調整、紫外線調整の特殊ガラス装置や湿度調整があって初めて可能です。
 
 それもせずに、額装だけで展示していると、
 残念なほどに、油絵でも日本画でも、褪色し、劣化してしまいます。

 これまで相続税申告にあたって、多くの美術品について、
 プロの評価額査定に立ち会ってきた経験です。
 
 したがって、100万円以上でも、額装だけで展示していた絵画などは、
 減価償却資産とするしかないでしょう。

 反対に、大切な絵画を所有しながら、管理不十分で、
 プロから厳しい査定をされてしまったお客様を、何度も目にしてきました。
  
 大切な資産の保管方法には、ぜひ気を配って下さい。

 ☆  ☆  ☆

 暖かくなって、1軒お隣のKタワーの緋寒桜です。
d0054704_17511330.jpg














 この枝に、鳥さんを発見。
 しきりに桜の花をつついていました。何という鳥でしょうね。
d0054704_17525453.jpg







































 

 
by expresstax | 2015-03-27 23:07 | 法人税


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


by expresstax

プロフィールを見る
画像一覧

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

自己紹介

税理士・中小企業診断士

東京都港区元赤坂一丁目
松木飯塚税理士法人
ホームページ http://mi-cpta.com
電話 03(5413)6511

 相続税・資産税コンサルティング・税務対策・税務申告代理・税務調査立会・売上倍増指導・ 相続人様の精神サポート・後継者教育・税制改正分析・講演・著作

 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

 "Always Keep Faith"。

最新の記事

税務研究会特別事例研究「遺産..
at 2017-10-11 23:38
税務研究会特別事例研究「遺産..
at 2017-10-10 23:29
地積規模の大きな宅地の評価通..
at 2017-10-06 23:14
手付金のマネーカウンター
at 2017-10-02 23:24
税務研究会特別事例研究「遺産..
at 2017-09-21 23:15
贈与税の特例本が増刷されました。
at 2017-09-20 23:06
税理士先生からのご報告、そし..
at 2017-09-18 23:53
大規模地積宅地評価のあれこれ..
at 2017-09-15 23:11
お客様からのご紹介、そして夕焼け
at 2017-09-12 23:55
朝ドラ「ひよっこ」と赤坂鈴降神社
at 2017-09-08 21:55
怒濤の相続税申告、そして秋の..
at 2017-09-05 23:35
東京税理士協同組合 組合員等..
at 2017-08-31 00:49
税務研究会東京会場資産税事例..
at 2017-08-08 23:00
税務研究会大阪会場資産税事例..
at 2017-07-28 23:29
税務研究会福岡会場法人税事例..
at 2017-07-21 23:12
税務研究会福岡会場資産税事例..
at 2017-07-20 23:27
税務研究会東京会場資産税事例..
at 2017-07-05 23:04
税務研究会大宮会場資産税事例..
at 2017-07-03 23:08
MI情報は広大地改正テーマ、..
at 2017-06-30 23:46
税務研究会名古屋会場資産税事..
at 2017-06-27 23:26

タグ

(464)
(423)
(391)
(382)
(341)
(275)
(270)
(238)
(211)
(203)
(167)
(161)
(113)
(105)
(101)
(94)
(90)
(89)
(83)
(74)

カテゴリ

お客様
プロフェッショナル
提言
リクルート
事務所
お仕事
折りにふれて
耳より税金情報
相続・贈与
パブリッシング
研究
法人税
税制改正
税務調査
資産運用
譲渡
税務手続き
所得税
不動産
税理士
法律
経営
自社株
固定資産税
確定申告
国際課税
消費税
財産評価
信託・一般社団法人
富裕層課税
マイナンバー
ボランティア
マイナンバー

以前の記事

2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
more...

検索

記事ランキング

ブログジャンル

金融・マネー
経営・ビジネス

画像一覧