美術品の減価償却資産計上基準の改正、そして勝ち鰻

 ご相談のお客様の決算書を拝見すると、美術品として資産が計上されていることがよくあります。
 
 数十万円の絵画や壁画だったり、自社のビルエントランスの彫像や公開空地のオブジェだのです。

 お話しを伺い、現物を拝見すると、従来の書画骨董等には該当しない、
 絵画や壁画は、来客の行き来するエントランスですすけていたり、光を浴びて変色していたり、
 建築当時の新人作家の彫像は、鳩のフンで汚れていたりします。


 うーん、これって、そもそも減価償却資産なんですよね~、と思いつつ、
 今更、お客様に失礼な気がして、口ごもったりすることもしばしばでした。

 でも、会計的には、資産の過大計上、
 税務的には、過大申告です。

 ☆  ☆  ☆
 
 何でこんな状態になっているのか。
 つまり、なぜ20万円以上のものは、ゾロゾロと、
 みんな美術品としてアンタッチャブルになっちゃっているのか、

 その犯人は、法人税や所得税の通達にありました。

 ☆  ☆  ☆

 昨年平成25年12月25日付けで美術品についての所得税や法人税での減価償却するかしないかの取扱について、通達が改正されました(法人税基本通達7-1-1,所得税基本通達2-14ほか)

 従前は、書画骨董等と呼んで、改正後は、美術品等とタイトルも変わっています。

1.平成26年12月31日以前の取扱

 従前は、次は、価値が減少しない書画骨董等に該当し減価償却資産に該当しないとされていました。

①古美術品、出土品物等のように歴史的価値又は希少価値を有し代替性のないもの
②美術関係の年鑑等に登載されている作者の制作物
(注)上記が不明で取得価額が1点20万円(絵画は号2万円)未満のものは減価償却資産とできるものとする

2.平成27年1月1日以後開始事業年度(個人は平成27年分以後)の取扱

 新通達では、古美術品等以外で取得価額が100万円未満のものを減価償却資産と取扱います。

 会館のロビーや葬祭場のホールのような不特定多数の者が利用する場所の装飾用や展示用(有料を除く)で移設困難で他の用途への転用が見込まれないものは金額の多寡によらず減価償却資産とされることが明記されました。

 そして新通達では年鑑等登載要件が削除されましたので、価値が明らかに減少しないものを除き、会長室保管の著名作家の絵画でも取得価額100万円未満/点のものは減価償却対象とされます。

3.平成26年12月31日以前取得資産の減価償却資産への変更取扱
 
 例外として、平成27年1月1日に非減価償却資産として計上していたものを、
 その日から減価償却資産と変更する場合は、認めるとしています。

 つまり、最初の年度で、減価償却資産へと振り替えれば、
 過去に取得して、美術品扱いしていたものを減価償却してもいいよというわけです。

 ただし、初年度処理が要件ですので、
 もし過去に美術品計上してきた場合は、平成27年でがっちりチェックしていただかねばなりません。

 ☆  ☆  ☆

 旧通達は昭和44年や45年に発遣されたもの。
 当時の貨幣価値の基準が、平成も27年も過ぎて、いまだに20万円基準に縛られていたことが、
 情けなくもありますが、

 そもそも、減価償却資産についての判断を放棄して、「明らかでない」判断に放り込んでしまう、
 税務の現場の思考停止は、どうしたものかと思っていました。

 今回、いみじくも国税さんが、新通達で装飾用や展示用は減価するよ、と懇切丁寧に書いてくれましたから、これまでのフラストレーションは、解消されるかも、と期待します。が。

 ☆  ☆  ☆

 確定申告期に、例年、「勝ちウナギ」と称して、うなぎ屋さんの出前を頼んでいました。 
 夏の土用丑の日と、3月のこの時期の、年に2回の恒例です。

 むかし、独立して最初に採用した新卒正社員さんがウナギが大好きとのことで、
 かつ受験生さんでもあったので、景気付けに始めた「勝ちウナギ」。
 8月の税理士国家試験前の、受験生さんの壮行会でした。

 今年は、どうせ出前で頼むんだったら、サクッとお店に行って食べてきちゃおうよ、と
 お店に繰り出しました。赤坂ふきぬきさんです。

 全員一致でひつまぶしを頼むことにしたら、代表が特上ひつまぶしを奢ってくれました。
 おなかいっぱいいただいて、
 さあ、がんばろう、にもお腹が苦しくて。もごもご。(^^;;ゞ
  
 ちょっとウナギを食べてしまったあとの写真です。
 ごちそうさまでした。
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by expresstax | 2015-03-04 23:34 | 税制改正


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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自己紹介

税理士・中小企業診断士

東京都港区元赤坂一丁目
松木飯塚税理士法人
ホームページ http://mi-cpta.com
電話 03(5413)6511

 相続税・資産税コンサルティング・税務対策・税務申告代理・税務調査立会・売上倍増指導・ 相続人様の精神サポート・後継者教育・税制改正分析・講演・著作

 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
 税理士の仕事は、お客様の人生と懐にしっかりと寄り添って、ともに手を携えて生きていくことだと信じる。 

 "Always Keep Faith"。

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