土地保有特定会社の判断基準、そして冬桜

 講演の際にご質問をいただきました。
 ありがとうございました。

 タイムリーでしたので、週刊ビル経営さんの平成26年11月17日号のコラム税務Q&Aに掲載してもらいました。

 ご質問は、ウチの会社の株式評価について、顧問税理士から、
 土地の割合が50%以上だから、土地保有特定会社となり、
 株価が高額となると言われてしまった。
 何か良い方法はあるか、というものです。

 ええと、それはちょっと誤解です。
 土地保有特定特定会社は、大会社でも、土地の割合が70%以上の場合に該当し、
 小会社は90%以上で特定の場合に該当するだけです。
 土地割合が70%未満であれば、いずれにせよ非該当です。

 株式保有割合は50%以上で判定しますから、それとの勘違いかもしれません。
 顧問税理士の先生に、もう一度、よく確認してみてください。
 
 また、特定会社に該当し、相続や贈与が近い場合は、
 資産構成を見直すなどが望まれます。

 ただ、不自然な借入などで合理性のない資産取得をして割合を薄めるような希釈行為をすると、
 国税さんから租税回避と認定されることもありえますから、注意して、
 会社の健全な発展を計画化してください。

 ☆  ☆  ☆

 もう少し詳しく書くと、

1.土地保有特定会社
 会社の資産のうち土地がほとんどの会社の自社株評価は、
 土地を直接保有しているのと同様に考え、
 純資産価額方式で評価します(財産評価基本通達189-4)。

 都心部の社歴の長い不動産所有法人の場合、一般的に高額な株価となるでしょう。

 土地の割合がほとんどかどうかは、
 「土地等の相続税評価額÷総資産の相続税評価額」の割合で計算し、
 会社の規模ごとに、次のように判定します。
  (1)大会社 70%以上
  (2)中会社 90%以上
  (3)小会社(ビル貸付業の場合)
   ①総資産価額10億円以上  70%以上
   ② 〃   5千万円以上   90%以上
   ③5千万円未満        特定会社とならない

2.株式保有特定会社

 会社規模にかかわらず、
 「株式の相続税評価額÷総資産の相続税評価額」の割合50%以上の会社は、
 会社の資産のうち株式等がほとんどの持株会社に近いと考え、
 S1+S2方式と呼ばれる評価額と、純資産価額方式のいずれか低い額で評価します。
 (財産評価基本通達189(2))

 S1+S2方式とは、
 S2で株式や配当金のみを純資産価額で評価し、
 S1でその他資産を類似業種方式等を加味した原則方式で評価し、合算する
  という修正方式による計算をいいます。

 平成25年の吉野工業所事件の納税者勝訴で、
 大会社はそれまで25%以上で株式保有特定会社になっていたのが改正されたものです。
 
 故田中角栄さんの相続の際に、
 子会社所有の土地の評価が低すぎると認定されて、
 親会社の株式割合が25%の壁を突破して、
 その親会社株を持っていた角栄さんの相続税が大激増した、
 なんて話題も過去にありました。

3.特定評価会社に該当する場合の対処法

 土地保有割合がたまたま、71%であるなどの状況で相続が開始すると、
 上記のような高額な自社株評価を受ける事態となります。

 自社株価の評価方式については、各事業年度、十分気をつけて経営を行う必要があります。

 例えば、土地保有割合や株式保有割合が高い場合は、
 借入等でも他の資産を取得すれば、保有割合は下がります。

 しかし一方、贈与や相続の予定もないのに、自社株価のコントロールのために、
 必要もないものを取得したり、無理な借入等を継続して金利をダダ漏れさせたりは、
 賢明とはいえません。

 あるいは、贈与や相続の直前に、ドタバタっっと、不自然に資産構成を変えても、

 国税さんは、小手先でイジって税逃れしようとしてもダメだぜ!と、

 「課税時期前において合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動があり、
 その変動が特定評価会社と判定されることを免れるためのものと認められるときは、
 その変動はなかったものとして当該判定を行うものとする。」
と、

 がっつり書いています。(財産評価基本通達189)

 税理士先生に、よくご確認とご相談のうえ、堅実な自社株対策をしてください。

 ありがとうございました。

 ☆  ☆  ☆

 そんな人間界のナマいお話しとは関わりなく、
 赤坂見附の交番脇の冬桜が、寒風のなかで、今年も咲きました。
 また、会えたね。がんばるね。
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by expresstax | 2014-11-19 23:25 | 自社株


税理士飯塚美幸のひとことメッセージ


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自己紹介

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松木飯塚税理士法人
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 人に会うのが大好きで、現場第一主義。
 この職業を選んだのも、たった一度の人生で、いろんなお立場の、いろんな職業のお客様と人生をともにして生きていく素晴らしさと醍醐味を知ってしまったから。
 相手を信じて情熱で意気投合してしまう。
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